スライム
◆◆◆スライム◆◆◆
あれからガリガリとがんばってやっと取れました。
時々出てくる黒光りした石が固くて大変でした。あの石でつるはしの頭がかけてちょっと心が折れそうになりましたけど頑張りました。
出てきたのはやっぱり指輪で、きれいにしてからアイテムポーチに入れてあります。
指輪を纏めるアイテムポーチに入るくらいの袋を今度は買っておいた方がいいかもしれませんね。
この先は特にいい物はなさそうなので戻って右の道に行きましょう。
さっきの道はY字路だったので、進行方向を左ですね。
てくてく、てくてく。
しばらく進むと、少し広い部屋が見えてきました。
部屋の真ん中には宝箱がぽつんと置いてあります。
今度こそミミックでしょうか?
「スケルトンさん、ちょっとあの宝箱を調べてきてください。」
分かれ道で待っていてもらったスケルトンさんも合流しているので今は5体のスケルトンさんがいます。
罠が発動したらスケルトンさんがまとめてーンってなるかもしれないので、1体だけ行ってもらいました。
スケルトンさんが宝箱にたどり着き、周りを調べ始めました。
すると、
上からたくさんのスライムが落ちてきました!大変です!
他の冒険者さんはいませんよね?
それでも念のために、あの部屋の、通路に続く辺りまでの範囲でダークガーデン!
「10秒!10秒凌ぎましょう!」
あっという間に宝箱を調べていたスケルトンさんがやられてしまい、続々とスライムがこちらに押し寄せてきます。
「カース!」
一番手前のスライムにカースを使いました。でも、たぶんこれだけでは足りません。
「ええっと、たしか、ブラックショット!」
わ、すごい。黒い球がいっぱい出せます。意識的に止めるまで連射できるんですね。これな
「ひう・・・。」
私はふらつき、めまいを、覚えました。もし、かして、MP、切れ?
朦朧とする意識の中、周囲一帯から闇の光が沸き上がり、スライムに闇のトゲが刺さるのを見た気がします。
「う・・・あれ?」
ス、スライムはどこですか?!
直立不動で私を取り囲むスケルトンさんが4体。
「そっか、ダークガーデンのMP、ギリギリ足りたんだ…。良かった。」
おかげで私のMPにトドメを刺されてマインドダウンしてしまいましたけど、無事みたいなので良かったです。
「でも、ブラックショットのあれは納得できません!」
あんなにMPを使うなんて書いてありませんでした。
やっぱり、魔法の練習を先にしないといけないみたいです。
「明日はお休みにして、魔法の練習をしましょう…。」
今日は、あの宝箱を開けたら帰る事にします。
そう、あの宝箱を開けたらです!
一通り罠が無いかスケルトンさんに確認してもらって、武器でこじ開けようとしてもらったり、私が指示したとおりに動いてもらったりして、宝箱を開けてもらえないか試したけどダメでした。
今度また何か思いついたら試してみようと思います。
ということなので、私が開ける事にしました。
「わぁ、黒光りする石がたくさん…。」
これ、指輪を掘り出す時にいくつか出てきました。
邪魔だったので全部捨ててましたけど、そういえば、このダンジョンには鉱石を取りに来たのでした。
そして、鉱石は掘ったり宝箱から出たりするらしいのですけれど、もしかして…。
「つ、土でも買い取りますって書いてあったし、みなさん!みんなで運びましょう!」
たくさん手に入ったからいいんです。
寄り道すると私のまだ残り少ないMPが気がかりなので諦めて帰る事にしました。
採掘場から出てすぐの所に納品所があって、依頼表と一緒に納品したら、金貨1枚と銀貨1枚にもなりました。
ダンジョン産の鉄鉱石は、魔化した鉄を微量に含んでいるからかなり高く買い取れるのだそうです。
ブラックショットは産廃でした。
膨大な消費MPを支えられるころには他の魔法が手に入る事でしょう。
全く役に立たないわけではないのですけどね。
なぜ一般の冒険者が来ないのか不思議に思います?
まず、魔物が出るので普通は1人では来ません。
スライムを魔法以外で倒そうとすると1本8万園とかする剣がダメになります。
かと言って逃げ回っていたら採掘が進まない。
魔法使いがいるパーティーならこんなショボいクエストは受けないし、仮に4人パーティーで受けて鉱石がたくさん入った宝箱を当てたとしても、報酬の総額は良くて50万園くらい?4人で分けたら12万園くらいに落ちてしまいます。
結局魔物と戦うのなら、倒しても酸をまき散らすせいで素材の取れないスライムよりも、
ウォリウか何かを仕留めて毛皮と肉を売った方が早いですね。




