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フウをなんとか戦えるようにしてみよう

◆◆◆フウをなんとか戦えるようにしてみよう◆◆◆

朝早くから出て半日。つまりちょうどお昼くらいなので、1時間くらい自由行動になりました。


ちょっと小腹がすいたのでお店を覗いてみたのですが、ものすごく高かったので持ち歩いていた小さなパンをかじりました。こういう時に役に立つ冒険者の必需品です!


持たせてくれたカミラおばあちゃんありがとう…。


帰ったら、依頼料を使って二人でいいもの食べようかな?


チラリとみると、フウはアンデッドだから食べ物は欲しくないみたいです。


「このまま、フウが役に立たなかったらお別れになっちゃうのかなぁ?」


フウは落ち着きなく、私の前を駆け回っています。


「フウ、おすわり、とまれ、まって。」


フウはしばらくこちらを見ていましたが、やっぱり走り出してしまいました。


「言葉が通じてないのかなぁ?あ、そうだ。戦闘でちょっと傷とかついただろうし、ダークガーデンで治してあげるね。」


私はフウを持ち上げた後、近くに人がいないのを確認してダークガーデンを発動しました。


闇の光がたぶん傷を負っているフウを治してくれました。


「あ、わかった。フウ、あなた、おバカさんなのね?」


「違うぞ?だいたいお嬢ちゃんのせいだ。」


あれ、リーダーさんの声が


「うわぁっ」


「はは、驚いたか?」


気が付けば目の前にリーダーさんが立っていました。


「もしかして、聞いてたんですか?」


「まぁな。このスケルトン犬が牙や爪で戦ってくれないんだろう?そんなの当たり前だ。スケルトンは普通、手に持っている武器で戦うだろ?でも、こいつは持っていない。んで、攻撃を受けて、両腕が無くなったらどうすると思う?」


「えっと、体当たりで戦う?」


「当たりだ。そんで、この犬はどうだ?腕あるか?」


「え、前足が」


「そりゃ前足だ。

 二足歩行なんて出来ねぇだろ?


 跳びかかって爪や牙でざっくりなんてマネ、スケルトンじゃぁ出来ないんだよ。

 進化でもしない限り、体当たりしかできないままだ。


 ま、初心者にありがちなミスってやつだ。」


「リーダーさんがスケルトンにしてみろって言ったんじゃないですか。」


「俺はネクロマンサーじゃないし?

 もしかしたら戦えるかも?って思っただけだぜ?


 それに、いい経験になっただろ?


 ほら、そんな事より、どうせ飯食ってないんだろ?」


リーダーさんが細長いふかふかそうなパンと何かのスープをこちらに突き出しました。


「今回みたいに1日で終わるような護衛だと飯が出ないことがある。

 ちゃんと確認してなかっただろ?

 その分報酬に上乗せされているから、自分で用意しろって事だな。


 まぁ、これは先輩である俺様からのおごりだ。」


「う、ありがとうございます。」


「いいって、いいって。後でサリアのやつに、親切なライネルおじさんがお昼を奢ってくれましたって報告するんだぞ?」


「はい、わかりました。」


「ん?おお、それは意地悪なライネルっておじさんがものすごい偉そうにしてましたって報告すると茶化すところだぜ?」


「本当に意地悪な人は、自分からそんな事言ったりしません。」


「そうか?こりゃ一本取られたな。じゃぁ、お昼を奢ってやるお礼に、ちょっとお願いを聞いて欲しいんだけどいいか?」


「いいですよ。お願いの内容にもよりますけど。」


エッチなお願いだったらサリアさんに言いつけてやります!


「そうか。いいか、これは真面目な話だ。今から俺はかなり意地悪な事を言うぞ?」


「ん?」


リーダーさんが急に真面目な顔になりました。


「お前がフウとか名付けて可愛がっているそいつを手放してくれ、頼む。」


リーダーさんが深々と頭を下げました。


「え?ど、どうしたんですか?」


「そんなにお前がその犬を可愛がるとは思わなかったんだ。


 そいつが着ている装備をどこから手に入れたか解ってるんだろ?

 ダメ押しで着せておけば大丈夫だと思ってたんだ。


 ハッキリ言う。


 その犬は奇跡でも起きないと強くなれない。

 でも、お嬢ちゃんのパーティーに入っている以上、キッチリ経験値をもらってしまう!


 俺のうっかりで、お嬢ちゃんにそんなカセをはめるわけにはいかないんだ!」


「でも、進化したらちゃんと戦えるようになるんですよね?」


「なるよ、ハイスケルトンとかに進化するんじゃないか?

 俺は戦ったことあるけど、たしかにハイスケルトンの方が多彩な攻撃をしてくるし強い。


 でも、素材はそのままだ。

 ウォリウのままなんだよ。

 戦い方や頭が良くなるだけで、せいぜいちょっと強いウォリウにしかなれないんだ。


 お嬢ちゃんはそこそこ稼いでいるんだろ?

 その稼いだ金で依頼でも出して、もっと強い魔物の死体でも納品してもらえばいいんだ。


 今回は、その依頼で間違わないための踏み台のつもりだったんだ。


 だから、その、悪かった。」


「いいえ、ありがとうございました。そんなに真剣に私のためにいろいろ考えてもらえて嬉しいです。帰りも、ううん、今後も、よろしくお願いしますね。世話焼きのライネルさん。」


「そ、そうか?はは、それでえっと、そのスケルトンは・・・?」


「今から送還しますね。」


【送還しますか?】

スケルトン


本当に区別されていないんですね。


送還します。


「後から着せた装備もそのまま送還されるんだな。」


「お返しした方が良かったでしょうか?」


「いや、いいよ。よし、話はこれで終わりだ。午後からも頼むぜ?」


「はい、こちらこそよろしくお願いします。」


そう言って私はライネルさんに手を振って別れました。


ライネルさんがくれたパンとスープは美味しかったです。




だれでも使えるパーティーはHPバーやMPバーとかが見えません。

そのため、経験値分配やパーティー関連のスキルを利用しないならデメリットしかありません。

Lv1になればパーティーを組んでない状態で遠距離攻撃を使って敵を倒しても経験値を得ることができます。 回収率は90%くらい?

Lv1になったらフウは完全なお荷物候補です。

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