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ネクロマンサー

◆◆◆ネクロマンサー◆◆◆

「ああ、主よ。今日15歳の誕生日を迎えた少女ヘンリエッタに新たなる道しるべをお与えください…。」


私の名前はヘンリエッタ。


貧しい農家の生まれで、物心ついたころにはお父さんお母さんの手伝いをしていました。


私はお父さん似の長くて青い髪に、お母さん似のちょっと目つきの鋭い普通の女の子です。


兄弟は兄が二人、姉が1人に弟が1人いて、大変賑やかだけど、

油断すると私のおかずをこっそり食べようとするのが困りものです。


きっと、そのせいで私の胸が大きくならないに違いありません!


今日、15歳の誕生日を迎えた私はお父さんに連れられて教会に来ています。


ここでジョブを授かれば、身体能力が増えたり、手先が器用になったり、

魔法が使えるようになっちゃうかもしれません。


そうなったら、お父さんたちも大助かりです。


でもやっぱり、農家の娘だから農民とかが無難でいいなぁ。


【あなたにジョブを授けます。以下の中から選んでください。】


[ネクロマンサー]


「え、ネクロマンサー?」


私知ってる。幽霊とかとお話が出来て、スケルトンとか、ゾンビとか操る人だ。ちょっと怖いな。


魔法も使えるらしいけど、なんかこわい。


「ネクロマンサーはやめておきなさい。他に何があるんだ?」


お父さんがネクロマンサーは良くないって言ってる。やっぱりそうだよね。


「えっと、どうやったら他のを選べるの?」


選んでくださいって言われたのに、ネクロマンサーしかないよ?


「神から可能性のあるジョブをすでに示されたはずです。その中から選びなさい。」


「で、でも。ネクロマンサー・・しか、ないよ?」


「あぁ・・・なんという事だ。」


お父さんが落胆してる。そんな、こんなはずじゃなかったのに。


「神より示された道を違えることは認められません。必ずどれかを選びなさい。」


「エッタ。15を過ぎてもジョブが無いというのは神への反逆者の事だ。仕方ない、本当に他にないならネクロマンサーにしなさい。」


「う、うん…。」


ネクロマンサーにします。他にないから、仕方ないよね?


【ネクロマンサーでよろしいですか?】

Yes No


はい。ネクロマンサーにします。


「その、お父さん。でも、これで魔法も使えるようになったかもしれないし、私、がんばるね。」


「そうか…。」


お父さんの表情が晴れる事は無く、私たちは会話も弾まないままに教会を後にしました。




「エッタ…すまないな。」


お父さんが急に謝ってきた。


「どうしたの、お父さん?」


「お前を…お前に、不憫な思いをさせることになってしまった。」


「私に?なんで?」


「村人でも、戦士でも、なんなら遊び人でも良かったんだ。だが……ネクロマンサーはダメだ。」


「え?」


「ネクロマンサーはな…その職特性のせいで死霊が集まってくる。

それだけじゃない。

俺たちが必死に汗水たらして育てた野菜の価値も下がってしまうんだ。

アンデットの手で育てられたんじゃないのか?って。」


「そ、そんな。」


「もちろん、差別をされているってわけじゃないんだ。

その、衛生的な理由で食品とかを扱う仕事に関われないってだけで、

その・・・探せばきっと、何かあるはずなんだ。」


「うん、私、がんばって探すね。」


「だから、その…エッタを連れて帰ることができなくなった…。」


私は何を言われているのかわからなかった。


「エッタがいると、作物が売れなくなってしまうんだ…。だからその、これ!」


銀貨を10枚渡された。1枚あればちょっとした宿に1日泊まれるはずだから、結構な額だよね。


こんな大金を持たせられたのは初めてです。


「それで、カミラさんの宿に泊めてもらって、仕事を探すんだ。

宿までは、一緒に、行って、あげるから…。」


「うん…。」


私は事態が飲み込めていなかった。


でも、きっとおうちにはもう、帰れないのね…。


「こんな…こんなことのために金を持って来たんじゃないのに…!!」


こんなはずじゃなかったのに…。


二人とも俯いたままカミラおばあちゃんの宿に向かいました。


宿につくとお父さんがカミラおばあちゃんに今日の事を話し始めました。


私はその間も、なんて言ったらいいかわからなくてずっと俯いていました。


「エッタちゃん。元気出すんだよ?食事代だけでいいからね?追い出したりしないから、安心をし?」


「うん。」


「大丈夫。エッタちゃんはかわいいから。きっといい人が助けてくれるよ。それに、いざとなったら、おばあちゃんが何とかしてあげるからね。だから、がんばるんだよ。」


「うん。」


私は知っていました。おばあちゃんの宿屋が大して儲かっていないって事。


おばあちゃんのおじいちゃんが残したお金を切り崩して生活しているって事。


だから、食事代だけでも払わないと大変だって事。


いざとなったらっていうのは、おばあちゃんが命を絶ってでも私に譲ってくれようとしているって事。


そんなの、ダメ。がんばっておしごと探さなきゃ・・・。


「エッタ。お金が足りなくなったら、ちゃんとお父さんに言うんだぞ。お父さん達がんばって、お金を貯めておくからな。」


「うん。」


うん。わかってるの。うちにそんな余裕なんかない。


わたしの手伝いなんてあっても無くてもちょっと仕事が増えるだけだし、

収穫量が簡単に増えたりしない。


今日もらったお金だって、ずっと貯めてたやつだもん。


「エッタ、お父さんは帰…行くけど、また会おうな。」


「うん。またね。」




ヘンリエッタの設定は決めたけど他はノープランです。

過度な期待はしないでください。

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