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あおぞら  作者: RALU
1/1

第1話(絶叫で終了・・・。)

決して忘れることのない出来事。そう、あれは何年前のことだろう。

そう、あれは・・・。





誰もいない、誰も来ない、学校の非常階段。

私だけが知っている、私だけの空間。

私はここが好きだ。

何もない代わりに、何も起こらない。

平凡で単調だけど、決まった安らぎがある空間。

鐘が鳴った。

・・・。

・・・。

・・・。

・・そろそろ、授業のお出ましだ。



今日も私の足はあの場所へ向かう。

校舎とドア1枚で分けられた空間。

「非常時以外立ち入り禁止」

当たり前のように、私はドアノブに手を伸ばす。

キィー、という音をたててドアが開く。

見慣れた、いつも通りの踊り場。

ゆっくり、階段を下りる。

微かに私の足音が響く。

歩みが止まる。手すりで見えなかったようだ。

先客がいた。

見慣れない顔。1つ下だな。上履きの色が違う。

しゃがみ込んで、ひとり、しゃくり上げていた。



・・・。

私は悪くない。

私は悪くない。

・・・。

私は悪くないんだよね。


そう、心の中で繰り返す。


私は勉強もスポーツも万能ってわけじゃない。

いたって普通だし、たいした特技もない。

たいして目立つ存在でもない。

今までと変わったことといえば、友達がいなくなったこと。

昨日までの友達が、今日にはとっても怖い人になる、なんてこと現実にあるなんて思わなかった。

教室に、自分の居場所がなくなるなんて・・・



おもわなかった!!

なんで!

なんでよ!

そう思って気がついたら、足は非常階段にむかっていた。

おそらく、誰もいないと思われる、唯一の場所。




「望月」

上履きの名前が見える。

ここに、私以外の人がいるの初めて見た。

別に嫌がらせしに来たんじゃないなら、いてもかまわない。

やりたいことを始めたら、いないも同然。

首にぶら下げたヘッドフォン、耳に当てて本を開く。

2,3行読んでから視線を感じて相手を見る。目が合った。

なるほど、そういうわけか。

本にしおりを挟んで立ち上がる。

ヘッドフォンをはずしながら、聞く。

「私のこと、なんて聞いてる?」

答えはだいたい想像できる。

ぎゅっと握りしめた手。

あ〜あ。これだから、嫌になる。

「何?いじめ?それでここ来たわけ?」

ゆっくりと頷く1年生。

最近の人は、よくわからない。

ひとをいじめてなにがそんなに楽しいのか。

「名前は。」

「えっ?」

驚いたような声。初めて聞いた。

「望月はわかった。下の名前だよ。」

こくんとのどが鳴る。会話が成立しそうにない。

「み、みお、望月澪です。」

みおか。変わった名前だ。

「そう。」

自己紹介するか。

誤解も早く解かないと厄介なことになりそうだし。

「私は、2年C組 添野理沙。言っとくけど、

 小学生のとき、番長やってたのは本当。喧嘩は強いほうなのは本当。

 だけど、あたしかなりの甘党だから。それに、噂みたいな悪じゃないつもりだから。

 最後に、私は見境なく暴力はふるはない。喧嘩と暴力は別。わかった?」

・・・。

沈黙。

ま、いいか。わかんなくても。

ていうか、私なんでこんなにしゃべってんだろ。

久しぶりにしゃべったな。

もう1度腰を下ろして、読書と音楽鑑賞を再開。

なんだか変わった放課後だ。



後ろに気配をかんじてそっと振り向く。

まさか、ここまで追いかけて来ないよね。

・・・!

なんでこの人が。

学校1怖いといわれていて、3年生の不良グループも一目置いている存在が、

校則違反しまくりの格好で後ろにいた。

なんで!

ついてない!

私のことをしばらく見つめるとその人は座り込んで本を読み始めた。

本なんて読むんだ。

っていうか頭いいのかな。

漫画なのかな。

そんなこと思いながら、ぼーっと見つめていたら、

目が合った。

・・・!!

やばい!

「何?いじめ?それでここきたわけ?」

!!!

質問された!

下手げに答えたら、殴られちゃうかな。

どうしよう。

早くここからいなくなりたい。

もしかして、みんなの狙いってここだったの?

こわいよ!!

「名前は。」

「えっ?」

思わず声がでちゃった。

なまえ?

なまえ、なまえ、・・・・・?????

えっと、えっと

頭の中がすごく混乱する。

なんで名前なんか聞かれるんだろう。

「望月はわかった。下の名前だよ。」

なんで、って思う前に声が出た。

「み、みお。望月澪です。」

「そう。」

それだけだったけど、すごくほっとした。

少し、安心する。

そしたらいきなり、自己紹介された。

添野理沙っていうらしい。噂の割りよく見なかったけど、意外と美人できれいな名前だった。

喧嘩と暴力はちがうらしい。

それだけ、なんとなくわかった。

きがついたら、添野さん、立ち上がってどっかいっちゃった。

時計を見たら、下校時刻まで、あと10分。

やばい!!

急げ!!



歩きながら考える。

あの、望月みおって子はいじめられたわけだよな。

で、あそこに来たと。

そこまではわかった。

でも、明日もまたくんのかな。

ま、いっか。

ひどい子じゃなさそうだし。

話聞けたら相手の子の顔見てきてみよ。

いじめする奴の顔ってどんなもんなのかな。

今まで暗かった道にぼんやりとした光をみつける。

自販機か。

しばらく買い物もしていない。

買い物は通販。

ランチだって家にある。

買い物をする必要もなかった。

ポケットにてを入れる。

財布が手に触れる。

なんか買うか。

ほんとに今日は変わってる。

自販機でジュースを買う

がたん、という音をたててジュースが出てきた。

明日は2人分ランチもってこうかな。

なんか、これから先ずっと暇そうだった私の学校生活に、

なんだか面白そうなものが転がり落ちてきた。


6

普段より早く家を出る。

今日は、非常階段に直行しよ。

あの人たちには絶対会いたくないっ!!

たぶん、あの人は怒らないと思うし・・・。

お昼ぐらい抜いても死なないよね。

はぁ。

なんかため息ばっか。

やんなっちゃう。

昇降口が見える。

一度足を止めてそぉっと覗く。

・・・・・・・・・・・・。

よし。

急いでいこっと。

「ねえ」

「うぎゃっ!!」

心臓止まるかと思った。

後ろを振り向くと添野先輩が立ってた。

「今日も非常階段来るの?」

え、やっぱりやばいかなぁ。

「いや、あの、まあ、できれば?」

緊張のしすぎで何しゃべってんのかさっぱりわかんないし、語尾あがってるし。

「そう。間に合ってよかった。もうあそこには来ちゃだめ。いい?」

やっぱり・・・。だめか・・・。

「すいませんっ!!」

がばっと頭を下げる。

「あ、いや別に怒ってないんだけど。」

へ?どういうことだろ。

よっぽどあたしがきょとんとしてたからか先輩は苦笑いをした。

「はいこれ。」

と何かを手渡される。

「何ですかこれ。」

銀色のきれいなカード。

「いいから、絶対人に見せちゃだめ。いい?よっぽどのことがないかぎり。約束。」

「はあ。」

「じゃ、行こ。」

「え、どこにですか?」

「あれ、言ってなかったっけ。保健室だよ。名ばかりの。」

「??????」

私の頭の上にたくさん?が浮かんでいるのを見て先輩は言った。

「まあ、ごく一部しか知んないし。来りゃわかるよ。いいからおいで。」

ひたすら歩く。てか普段と別に変わんないけど。といきなり先輩があの私にくれたカードを取り出した。

今度は、階段のスイッチに手をかける。階段のスイッチでいいのか?

まあ、あの階段のしたにある物置みたいなやつのスイッチかもしれないけど。

とか考えてたら、先輩が

「よく見て。」

といった。

先輩のきれいな指がスイッチのカバーをはずす。

そういやなんでカバーなんかが・・・?

と思っているうちに細い溝が見えた。

そこにカードをぐっと差し込む。

きぃー。ドアが開いた。

え?

な、何これ。

「早く入って。」

急に先輩が急かす。

「あと34秒後に人が来る!」

は?と思ったけどとりあえず急いで中へ入る。

腕時計を見る。

・・・5秒、・・・10秒・・・15秒・・20、30・・・・34秒ジャストっ!!

「・・・だよね〜。真野とか間じうざいし〜。」

しばらくの硬直状態。

「みお、あんたなにしてんの?」

あきれた先輩の声がした。

「いや、でも、ほら34秒後に人が来るって・・ていうかきた・・・。」

「ああ、それはっすねえあとで説明しま・・・。」

その人は「す」をいうことができなかった。

なぜなら私の「えぇ〜」という大絶叫に消されたからだ。

「いや、でもなんで????」

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