2話 中二病の少年、本当に異世界へ
「お兄ちゃん、早く起きてよ。寂しいよ。」
俺と鈴葉の両親はもうこの世にはいない。
母さんが、鈴葉を産んですぐ死に、父さんは優たちを養おうと頑張り過ぎて、鈴葉が生まれて3年で死んだ。
過労死だった。
じゃあ、誰が今まで俺たちを育てたのかというと、叔父や叔母などの親戚ではなく、メイドだ。
俺たちの家で住み込みで働いていた、メイドに育ててもらっていたのだ。
メイドは、母さんが死んだ時に雇い、そこから、今までずっと優たちの家に住んでいる。
そのメイドの名前は、凛奈さん。
苗字は分からない。
最初は、俺も鈴葉も凛奈さんの事が嫌いだった。
母さんの代わりをしているのが、腹立たしくて仕方がなかった。
炊事、洗濯などの家事全般をこなす事が出来る凛奈さんは、俺たちに懐かれようと頑張っていたようだが、そんな簡単に心を開く優たちではなかった。
だが、そんなある日凛奈さんを認めざるを得ない出来事が起こったのだ。
それは鈴葉がいじめを受けている時だった。
その時の鈴葉は、小学4年生。
本当に最近の事だ。
鈴葉が泣きながら家に帰って来たから、俺は「どうしたんだ?」と聞いたのだが、鈴葉は無視し、自分の部屋に入り、泣き続けるのだ。
俺には、どうする事も出来なかった。
だが、彼女は、凛奈さんは鈴葉をどうにかしようと頑張るのだ。
自分の子供でもないのにだ。
俺は、それが疑問に思って仕方がなかった。
そして、俺は聞いたのだ。
「どうして、凛奈さんは鈴葉を慰めるんだ?自分の子供でもないのに。」と。
そしたら、凛奈さんはすぐにこう応えたのだ。
「私はね、あなた達を愛しているの。確かに私は、あなた達のお母さんではない。でもね、私はあなた達を本当の子供として、愛しているの。だから、あなた達に認められなくても、これから私が死ぬまで、あなた達を愛し続けるわ。」とな。
この時、俺は思ったのだ。
この人なら、信頼してもいいのかなと。
で、現在に至る。
凛奈さんは、今では鈴葉からも慕われている。
「あの、お嬢様。大丈夫ですか?」
「大丈夫です。」
鈴葉と凛奈さんは、こうなんかシリアスというかしんみりとした雰囲気を醸し出している時、俺はついに鈴葉の膝の上で寝返りをうってしまったのだ。
鈴葉の体の方にな。
「お兄ちゃん、起きてるの?」
そう鈴葉は聞くのだが、勿論俺は寝ている。
「鈴ちゃん。こういう時は、こうするんだよ。はむっ。」
そうこの鈴葉の事を、鈴ちゃんと呼んだ女性は、凛奈さんの妹である、遥香。
俺たちの姉的存在。
凛奈さんとは、18歳離れている。
どうしたら、そんなに離れるのかは分からないが、そんな遥香も俺たちのメイドだ。
で、遥香は俺に何をしたのかというと、俺の耳を舐めたのだ。
遥香は、大胆なのだ。
俺の部屋に入っては、俺のベットで下着姿で寝たり、お風呂に入っていると、勝手に入ってくる。
で、いつもいつも鈴葉に怒られる。
懲りないなぁ、といつも俺は思うのだ。
それで、今も鈴葉に怒られている。
「お姉ちゃん。なんでいつもいつも私がした事ない事ばかりするの!(羨ましい。)私のメイドなら、私の言う事を聞いて!お姉ちゃんは、お兄ちゃんに近づかないで!」とそんな感じだ。
「うるさいわ!俺の耳元で騒ぐな!それに何で耳濡れてんだよ!俺に何したんだ!」
鈴葉が、気持ちよく寝ている俺の耳元で怒るから、起きてしまったのだ。
俺は、寝起きは機嫌が悪いから怒鳴ってしまった。
「せっかく、鈴葉の膝枕で気持ちよく寝てたのに。もう二度と味わう事が出来ないんだぞ。ぐすんっ。」
俺は、嘘泣きする。
「じゃあ、私が膝枕してあげる。だから、して欲しい時は、いつでも言ってね。」と、遥香は言ってくるが、俺は「いいよ、別に。ディルネスさんにしてもらうから………。」と口を滑らせてしまったのだ。
「お兄ちゃん、ディルネスって誰?お兄ちゃんって外国人に知り合いなんて居たっけ?」
「いや、ディルネスさんは夢の中で出てきた女の人だよ。だから、知り合いというか、なんというか………そ、そう、俺の妄想で出来た人だから、知り合いじゃない。」
「お兄ちゃん、何言ってるの?意味分からない。」
うん、知ってた。
俺も、そう言っている時に思ってた。
「と、とにかく。遥香には、後で膝枕してもらう。いいな!」
「はい、優君!」と、ノリノリで遥香は返してきた。
その時、鈴葉の目が冷たいものになっている事に俺は知る由もなかった。
「さて、ついにこの時が来た。俺の異世界デビューだ。寝よう。」
俺は、深い眠りに落ちていく。
「やっと、来ましたね、優さん。待ってましたよ。」
「あぁ。遅くなった。早く異世界へ連れて行ってくれ。」
「あの、私のお話を聞いてくれるんじゃないのですか?」
「そんなに話を聞いて欲しいんなら俺について来いよ!」
「ついて行きたいのはやまやまなんですが、私は女神なので、ここに残らなければならないのです。」
「…そうか。なら暇になったら異世界にでも、日本にでも来たらいいよ。俺がお前と一緒に居てやるよ。」
「ありがとうございます、優さん。何か分からない事があったら、優さんのスマホを見てください。異世界でも使えるように改造し、後、最低限の用意はしていますので。それでは行ってらっしゃい!」
「はい、行ってきます!」
俺は、光に包まれて、異世界へと飛ばされた。
爽やかな風が心地がいい。
木と草が、微かに揺れる音を聞こえてくる。
それらの音は聞いていて、とても気持ちが落ち着いてくる。
俺は、ゆっくり目をあける。
「ここが異世界か。………、めっちゃ平原広がってるやん。街なんか一つも見当たらん。ん?ポケットが膨らんでるな。」
俺は、ポケットに入っていたものを取り出した。
「スマホか。そういや、異世界でも使えるように改造していると言っていたっけ。」
俺は、スマホを起動し、スマホを見る。
スマホは、一般的な機能は勿論使える。が、その他にも異世界モードと書かれている項目があった。
俺は、異世界モードと書かれている項目をタップする。
そうしたら、某RPGゲームとよく似たメニューが出てきた。
違うところがあるとすれば、セーブという項目がないくらいだろう。
「えーと。アイテムという項目をタップすればいいのか?」
今、俺は最低限の用意はするとディルネスさんは言っていたので、それを確認しようとしている。
タップしたら、アイテム欄が出てきた。
そこには、ポーションと装備の名前しか書かれていなかった。
取り敢えず、武器と防具の名前をタップする。
そしたら、武器と防具を装備された。
便利だなと俺は感じた。
それで、それらの武器と防具はいかにも駆け出し冒険者が着けてそうな物だった。
「本当に、最低限の用意だな!チート武器の一つぐらい入っていてもいいだろ!」と、俺はここにいないディルネスに言う。
「はぁ、仕方がないよな。取り敢えず、このマップを見て、近くの街に行ってみるか。」
俺は、マップという項目をタップする。
そしたら案の定、マップが表示され、そのマップを見て決めた。
俺は、一番近い街であるキューマと呼ばれる街に行く事にした。
優の装備
ショートソード 攻撃力 +12
皮の服 防御力 +3
皮のジャケット 防御力 防御力 +4
鉄の胸当て 防御力 +7
皮のズボン 防御力 +4
運動靴 素早さ +4
凛奈 34歳 女 7月9日生まれ A型
本作の何だろう?
身長 162cm 体重 46kg
B 83cm W 54cm H 84cm
もう少し胸を大きくしたいらしい。
薄い金髪、金眼で優たちにとって母親的存在。
好きな色 白
好きな人 優、鈴葉、遥香などなど。
遥香 16歳 女 11月23日 AB型
本作のサブヒロイン(昇格する可能性がある。)
身長 164cm 体重 51kg
B 89cm W 57cm H 85cm
髪色ころころ変わる。眼の色、カラコン入れてるから分からない。優の事、大好き。鈴葉によく怒られる。
好きな色 黄色
好きな人 優