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VRMMOの支援職人 ~トッププレイヤーの仕掛人~  作者: 二階堂風都
ランクシステムとランクアップのすすめ
505/1113

決闘関連・派生スレ

「おお……何だかみんな楽しそうだな!」

「これを見てそんな感想になるのか? 苦しんでいるじゃないか、みんな」

「それすら楽しんでいるように私には思えたが?」


 ああ、そういう見方をすればなるほど。


「確かに……お前の言う通りかも」

「そうだろう!」

「こういう観点の違いがあるから、二人で見るのは面白いよな。お前、ひょっとして……」

「当然、私はそこまで考えてお前に提案を……したわけがないだろう! 単なる偶然だ!」

「だよな」


 俺は水を一口飲んでから、今見たスレの内容を頭の中で振り返る。

 既に氷の残っていない水は生温い。


「Cが平均ってのは分かったけど、もうちょい具体的な話がないか確認したいところだな」

「具体的……というと?」

「今って、リコリスちゃんの訓練に重点を置いてるじゃんか?」

「うむ」

「訓練が一通り終わったら、総仕上げとして一対一でランクを上げていく訳だ。その後は俺らもランク上げを始めるけど。だから――」

「一対一のスレを探せ! ということだな?」

「ん。今見たスレにリンクがないから、それっぽい単語で検索してみよう」

「任せろ!」


 調べる前に周囲に視線をやると、混み具合は……それほどでもない。

 少しくらいなら食休みの範疇として邪魔にならないだろう。

 数分後……。


「目が痛い……」

「集中して見過ぎだって。あったぞ」

「どれだ?」

「白手袋を投げつけるスレってやつ」

「分かり難い!?」

「分かり難いよな……その分、濃い情報があることを期待しよう」


 もしやと思って開いたらビンゴだった。

 検索に使ったワードは「決闘」「一対一」それと総合雑談に出ていた「タイマン」などなど。

 見つけられたのは運が良かった。

 以前よりも決闘がしやすくなったことで、現在スレが乱立傾向にあるらしい。

 いずれいくつかのスレは統一・淘汰されて少なくなるだろう。

 未祐がスレを開いたというので、頷きを返してから俺もスマートフォンに視線を戻す。




【拾え】白手袋を投げつけるスレ3【拾えよ!】


TBの決闘形式・一対一に関するスレです

無駄を省くためにも、スムーズな会話のためにも職業入力は正確に

職業煽り、装備煽りはしないこと

次スレは>>950が立てましょう


34:名無しの魔導士 ID:YbF2PFy

重戦士は軽装で逃げながら燃やすといいぞ

というか、それしかない


35:名無しの魔導士 ID:UWZFR7R

軽装っていっても、一撃死が怖くない?


36:名無しの魔導士 ID:YbF2PFy

ランペイジのことを言っているなら、

どうせ何を装備しても一緒だぞ

フェイタルスラッシュなら装備次第で耐えられるかもだけど


37:名無しの重戦士 ID:BRTPuPe

重戦士的には、ファイアーボールとかの使い方が肝だと思う

短詠唱魔法での牽制・SA剥がしが上手い人には稀に負ける感じ


38:名無しの魔導士 ID:UWZFR7R

稀……まあ、そうなるよね

相性は不利だもんなー


39:名無しの神官 ID:Aj9b4gE

魔導士・神官が一対一で有利取れる相手なんていないぞ

相手より足が速くないといけないから、

軽戦士も弓術士も武闘家も全部きつい

SAがある重戦士、魔法が効きにくい騎士は言うまでもなし


40:名無しの神官 ID:KCNK93M

支援型の俺を誰か呼んだ?


41:名無しの武闘家 ID:a3d4fUU

呼んでねえよ!

あ、三対三以上の時は是非組んでください


42:名無しの弓術士 ID:dbUk2WD

こんなスレがあったのね

誰か武闘家・気功型の対策をご教授くだされ


43:名無しの軽戦士 ID:AthMh9K

ちょうどさっき、

総合雑談にリンク張ってもらうように書き込んで来たよ

次スレからやってくれるってさ


44:名無しの魔導士 ID:HAm9MPt

サンクス

ここが見つけにくいのは

荒らしが立てたスレを再利用してスタートしたからよ

黒騎士……ええと……黒騎士何とかって名乗ってたやつの

スレタイは面白いからって、原型残したんだよね確か


45:名無しの神官 ID:Dg47XyX

あ、だからこんなスレタイなのね

名前も憶えられてないって、

荒らすにしても根気がなさすぎじゃない?


46:名無しの弓術士 ID:dbUk2WD

あの、武闘家対策を……


47:名無しの魔導士 ID:HAm9MPt

ああ、すまんすまん

気功型は単純に回復量を上回る攻撃を被せる、

そもそもスキル発動に必要なMPを溜めさせない、

一撃でHPを吹っ飛ばす、のどれかじゃない?

職のタイプはどれ?


48:名無しの弓術士 ID:dbUk2WD

あ、自分は連射型です

アローレイン頼みで現在Cランク


49:名無しの武闘家 ID:a3d4fUU

それ……


50:名無しの魔導士 ID:HAm9MPt

うん、相手にMPやり過ぎだよきっと

アローレインを封印してダブルショット・トリプルショットで攻めよう


51:名無しの騎士 ID:LGtU9gm

アローレインの倍率、一本辺りは通常攻撃よりも低いんだよね

もちろん総ダメージは高いんだけどさ

初歩的なことだけど、攻略サイトのスキル性能を確認してくるといいよ


52:名無しの弓術士 ID:dbUk2WD

みんなありがとう!

アローレインに頼り切りじゃ駄目なのね……

闘技大会で強スキルだったイメージがどうしてもあって

スキル性能ちゃんと見てくる


53:名無しの魔導士 ID:YbF2PFy

あの時とは最大レベルも違うし、武器・防具の事情も違うからな

さすがにアローレインもみんな見慣れてきているし


54:名無しの軽戦士 ID:AthMh9K

相手の職性能はちゃんと把握しておかないと

武闘家の気功型は一撃一撃を重くして倒しちゃうのが正道

逆に遠距離職は気にせずどんどん攻撃を重ねて押し切る、とか


55:名無しの重戦士 ID:KGKLaHg

接近戦で何も考えずに殴り合うのも楽しいよ!(均等型)


56:名無しの武闘家 ID:a3d4fUU

おう、殴り合おうぜ!(気功型)


57:名無しの軽戦士 ID:GKizJkm

どっちも重戦士・防御型の起死回生で粉微塵になればいいよ


58:名無しの武闘家 ID:a3d4fUU

俺のトラウマ抉らないでくれる?


59:名無しの重戦士 ID:KGKLaHg

一発逆転型は怖い

重・攻、重・防、騎・攻、騎・防……


60:名無しの騎士 ID:LGtU9gm

勇者ちゃんの真似をしようとして

バーストエッジを外しているのは私です


61:名無しの重戦士 ID:BRTPuPe

アルベルトの真似をしようとして

バーサーカーエッジ発動直後に潰されてる俺もいるぞ

防御0はちょっとなー


62:名無しの騎士 ID:mYh3t95

リベンジエッジ難しくない?

読まれやすいのか、上手く決まった試しがない


63:名無しの重戦士 ID:iHHHwV3

スキルの撃ち合いもいいんだけど、

俺は序盤の攻防が結構好き

同じ人いる?


64:名無しの軽戦士 ID:PXf3tRT

素の力が見えやすいからね

でもそれ、ゲームでやる必要ないんじゃ


65:名無しの重戦士 ID:iHHHwV3

現実で剣道とかやれって?

武器が(VRとはいえ)本物? だし、多様だから違うと思うんだ


66:名無しの騎士 ID:T9gcy8P

雰囲気が好きって意味なら分かる

相手の出方を探りながら、こう……ピリピリとした緊張感がいいよね


67:名無しの騎士 ID:mYh3t95

最初から全開で来る人もいるけど


68:名無しの武闘家 ID:HyD33Jw

開幕突撃戦法やるやつは大抵勇者ちゃんのフォロワーなんだがな……

本物はマジで一握りだから、冷静に受けてやるといいよ

すぐにボロが出る


69:名無しの弓術士 ID:AThGyX5

一対一的に勇者ちゃんはどうなんだって思ったけど、

そういや弦月との一騎打ちは互角だったわ


70:名無しの騎士 ID:LGtU9gm

あれ、事前に色々詰め込まれてるっしょ

持ち味の直感任せの動きももちろんあったけど、

マイナーな弓・前の対策もできている感じだったもん

だからさ、俺にも本体がいれ




「よし、帰るか」

「何でだ!? 何で私の話題が出た途端に帰ろうとするのだ!? すぐ下にお前に関する書き込むもあるぞ!」

「それが嫌なんだよ!」

「褒め言葉だぞ!? ニヤニヤしながら見れば良いではないか!」

「むず痒いだろうが! いいか、見た内容をまとめるぞ!」

「ま――」

「自分の職性能・相手の職性能を把握したら後は地力が大事!」

「雑っ!! 的確だが何か雑っ!?」

「よし、帰ろう」


 俺は差し込んであった伝票を抜き取ると、そのままレジへと向かった。

 慌てて追いかけてきた未祐をその場に待たせて支払いを済ませると、一緒に外へ。


「亘。今日の夕飯は?」

「切り替え早いな。しかも、今軽く食べたばっかりで訊くか? ……カボチャのグラタンなんてどうだ?」

「おお! 美味しそう!」

「そろそろ旬だしさ。甘味も増していい感じになるんじゃねえかな」


 ……リコリスちゃんがやっている訓練はしっかりとした地力をつけるためのものなので、それが終わったら一緒に他職の理解を深めることにしよう。

 そんなことを考えながら、俺は未祐と共にスーパーへ買い出しに向かった。

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