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VRMMOの支援職人 ~トッププレイヤーの仕掛人~  作者: 二階堂風都
ランクシステムとランクアップのすすめ
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ランクシステム・他ギルドのランク

「……ああ、そういうことだったの。確かに凄いよね、ランクSだなんて」


 セレーネさんに事情を話すと、やや苦笑気味で納得したように頷いた。

 もちろんセレーネさんの頭の上にも、所属ギルドと一緒にSの文字が表示されている。


「何を仰いますやら、セレーネさん。俺たちは総合ギルドですよ?」

「え? それはどういう……?」


 困惑するセレーネさんに対し、リィズが俺の言葉に続く。


「そうですね。セッちゃんの装備あってこそのランクSですから。セッちゃん、ハインドさんが装備している支援者の杖でコンテストに優勝したでしょう?」

「うん。自信作だからね」


 テーブルに立てかけられた杖を見て、セレーネさんが言い切る。

 リィズはそれにやや複雑そうな表情をしてから更に続けた。


「特にそれが非常に高い配点だったようですよ。他にも挙げ出したらきりがないほどセッちゃんの功績は大きいですから、胸を張ってください」

「うむ! セッちゃんもドヤ顔していいぞ? するか?」

「え、えっと……私、あんまりああいう表情をしたことがなくって」

「マジでござるか、セレーネ殿。ユーミル殿なんて一つ事を成してはドヤ顔し、二つ為して成しては重ねてドヤ顔をしているというのに」

「本当にな……」


 最近だと『試練を与えし者』を『バーストエッジ』で三体まとめて吹っ飛ばし、ドヤ顔を俺に向けている間に戦闘不能に――こんな出来事が記憶に新しい。


「しかし、ドヤ顔を決めてみたはいいが……知り合いのギルドはどうなっているのだ? まだ来ていないヒナ鳥たちのランクもだが、気になるな」

「この場ですぐに確認できるぞ。ちょっと待ってろ」


 ユーミルが口にした疑問の答えは、フレンドリストを見れば解決する。

 俺はメニュー画面からフレンドリストを呼び出すと、所属ギルドの項目に目をやった。

 みんなにも見えるように画面を拡大し、読み上げる。


「上から見ていくと……まずシリウス、戦闘ギルドでSランク」

「むっ、やるなドリル!」


 激戦区のグラド帝国におけるギルド戦代表は、他国よりも配点が高いので納得のランクである。

 イベント参加数も純粋に多い。

 次は本来ならヒナ鳥たちなのだが、それは本人たちに会ってからで良いだろうということでスクロール。

 が、それにトビが目を光らせる。


「あ、今一瞬ヒナ鳥たちのランクが見えたでござるよ! ランク――」

「野暮なことを言うんじゃない。そういう時は見えなかったフリをしてくれ。次、和風ギルド“凜”が戦闘ギルドのA、和風ギルド“匠”、生産ギルドのS」

「匠はいいとして、凜のほうはイベント参加率、成績にややムラがあったでござるな。実力は間違いない故、次のレイドでは上のランクになると思うでござるよ」

「そうだな。次が……ガーデン、戦闘ギルドのランクB」

「ガーデンは内紛染みたものがありましたし、仕方ありませんね。ローゼさんとエルデさん、元気にしているでしょうか?」


 リィズと一緒に時折メールのやり取りはするが、顔を合わせたのはあれっきりだな。

 今でもログインは頻繁にしているようなので、イベントなどで縁があれば会えると思うのだが。


「で、そっから先に進んでアルテミス。戦闘ギルドのS」

「何というか、さすがとしか言えないよね……」


 ルスト王国といえばアルテミス、と言ってしまって差し支えない知名度と実力である。

 更にルストのみならず、職業限定ギルドの中でも抜きん出た存在だ。


「北方の一番星、戦闘ギルドでランクB」

「ポル君とフォルさん、メイさんのギルドですね」

「最近になって50名、フルメンバーになったらしいぞ。まだまだ成長中って感じのギルドだ。後はサーラのお仲間たちでカクタケアが戦闘ギルド・ランクA、イグニスが戦闘ギルドのランクB」

「イグニスは比較的新しいからでござろうなぁ……」

「そうなんだよな。で、それ以上に新しい止まり木が生産ギルドのランクCと」


 新しめのギルドは予想通り、どうしても高ランクを取得するのが難しくなっている。

 とはいえ、高ランクを取ったところで何か特典がある訳でもないのだが。


「ふむ……止まり木は設立間もないことを考えると、十分にランクが高いな?」

「びっくりだよな。良くてDランクだと予想していたから」

「……これで大体知り合いのギルドは確認したでござるか。こう見ると、やはり戦闘ギルドのランクが激戦区でござるな」

「純粋にギルド数が多いだろうからな。数の上では次に総合ギルド、最後に生産ギルドって感じがするし。あくまで体感だけど」


 ちなみにこのギルド区分だが、自己申告制なので活動内容と食い違う設定にしてある場合、自然と今回のランクは低くなる。

 少なくとも、俺たちの周りにそういったギルドはなかったが。


「うん、どのゲームでも分布はそうなるよね。変に資金を稼ぎやすかったりしない場合、生産者が余るってことはまずないかな?」

「やっぱりそうなんですか。トビやユーミルがやってた他のゲームでは――」


 どうだった? そう聞こうとしたところで、ヒナ鳥の三人がやってきた。

 ギルド名の横には黄色でAのマークが表示されている。


「こんばんは! あ、やっぱりみなさんSランクです! 凄い!」

「こんばんは。先輩方にお力添えいただいたおかげで、私たちはAランクでした」

「「「おおー」」」


 リコリスちゃんとサイネリアちゃんがそう報告してくれる中、シエスタちゃんがトコトコと談話室内を進んで行く。

 そしてソファに辿り着くと、即座にインベントリから枕を取り出して横になった。


「ふいー……あ、みなさんこんばんは」

「普通は順番が逆ではなかろうか……気に入ってもらえているようで何よりだけど」

「すっかりそこが定位置でござるな……そっちのホームにお邪魔しても変わらないでござるし」


 渡り鳥とヒナ鳥、双方のギルドホームの談話室にはそれぞれソファが二台ずつ設置されている。

 これは数日前に作ったもので、シエスタちゃんへのご褒美のようなものである。

 もちろん、俺たちも普通に使っているが。

 そんなシエスタちゃんとは対照的に、今夜は何やらリコリスちゃんが目を爛々と輝かせており……。


「あの、あの! 早速で申し訳ないんですけど、もう一つのランクのために動きませんか!? あっちはイベントもあるみたいですし!」

「何だ、リコリス! 今回はやる気だな!?」

「はいっ!」


 もう一つ実装されたランク――決闘ランクに意欲を見せるリコリスちゃんに対して、ユーミルが力強く頷いた。

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