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神獣選手権・スレ巡り その2

「えっ……育て方で派生先が変わるって本当か?」

「マジマジ。わっち、フレの人らから何か聞いてない?」

「マリーのやつが、無事にグレンが火属性になったって喜んでいたけど」


 これでお揃いですわ! とか何とか。

 つい先日屋敷の清掃に赴いた際に、そんなことを言っていた。


「それはトカゲのまま? それともドラゴン?」

「次に会った時のお楽しみ、だってよ」

「もったいぶるなぁ……ノクスはどうなるかな?」


 フクロウって、急激に姿を変える姿が想像できないんだよな。

 あれで完成形っていうか。

 幻獣としてのモデルや元になっている動物なら期待もできるのだが。

 多くのプレイヤーが目指すトカゲからのドラゴンだったり、狼からのフェンリル、馬からのペガサスなどなど。

 だからノクスの場合は……。


「普通に正統進化するんじゃないのか? 魔法も物理も行ける万能アタッカーとして。フクロウ以外に化けるってことは……」

「まずないだろうねえ。考えられる線だと、異常に賢くなるとか?」

「人語を喋るフクロウとかか?」

「あー、いかにも神獣っぽい。魔法を使う時点で普通の動物とは違うけど」

「何々、二人とも。またゲームのお話? 未祐も一緒にやっているのよね?」


 そこでふと、会話の切れ目に緒方さんが顔をこちらに向ける。

 未祐は何やら考え込んでいるが、時期的に生徒会選挙の話でもしているのだろうか?


「おっ、緒方っち興味あんの?」

「ううん、訊いてみただけ。私はネットゲームやったことないもの」

「なーんだ。でもさ、ゲームでも現実でも、色んな人と出会えて面白いよ。わっちが次々と変な人を吸引してくるから」

「失礼なやつだな……別に俺だけが原因ってことはないだろう?」


 俺が単独で会ったのはヘルシャ、ワルター、セレーネさんだけだ。

 ヒナ鳥たちはユーミル目当てのリコリスちゃんが大元だし、アルベルトさんに会ったのはお前が一緒の時じゃねえか。

 緒方さんはやはりゲーム自体には興味がないのか、こんなことを訊いてくる。


「ふーん。変なって、どんな人たち?」

「人見知りで天才肌の女子大生、金髪お嬢様に執事さん、メイドさん。マッチョな公務員に……」

「ごめん。それ、本当に実在する人たち?」

「するんだよね、これが」

「世の中って、広いよな……」


 俺たちの言葉に、緒方さんは半信半疑なのか微妙な笑顔だ。

 しかし、ややあって納得したように頷いた。


「うん……岸上君なら仕方ないか」

「わっちだもんね」

「えっ」


 緒方さんが俺に向けていた視線を滑らせ、自分の隣に座る未祐へと移動させる。

 あ、何か書類作成してるな。それで静かだったのか。


「だって、岸上君の幼馴染の未祐からして変わっているわよ。この子、私が今までに会ったことがないタイプだもの」

「む?」

「別に未祐は、俺がこの高校に連れてきた訳ではないんだけど」

「何の話をしているのか分からんが……亘、お茶をくれ! ゆかりん、ここはどう書けばいい!?」

「あ、うん……うん? どうしてこんなところで詰まって――ああ、そっか。ここはね……」


 未祐の書類を覗き込む緒方さんの姿に、俺と秀平は顔を見合わせた。

 水筒から二人分の熱いお茶を紙コップに注いでテーブルに置く。


「あ、私にも? ありがとう、岸上君。是非次の生徒会選挙に――」

「それはちょっと」

「わっち、即答である」

「つれないわね……」

「実際問題、時間的に無理だと思うよ? それがわっちの友人としての素直な感想」

「岸上君が入ってくれたら、放課後の活動を大幅に圧縮できると思うんだけど……まあいいわ。また今度お願いに行くから」

「粘るねぇ、おがっち……」


 立候補の締め切りはもう近いと記憶しているが。

 緒方さんと未祐の意識が完全に書類に向いたので、俺たちは再びスマートフォンを手に取る。


「……まだ時間あるし、他のイベントスレも見ておくか?」

「そうだね。補助コンテストスレなんかは、やっぱり動物系以外の話題が多いよ」

「ああ、セレーネさんが好きな無機物系だろ?」

「そうそう。それに鳥関係にも少し触れてるぜ。最新近くの……10スレ目だったかな。ノクスにもマーネにも関係あるから、わっちも興味を惹かれるはず」

「ん、今開く」




【うちの子が】神獣選手権・補助コンテストスレ10【一番有能!】


TBで開催中の神獣選手権・補助コンテスト部門について語るスレです

ゴーレムは生産系プレイヤーの希望の星

スレはマナーを守って正しく使ってください

次スレは>>930が立てること


690:名無しの弓術士 ID:pGVpKXV

生産補助うめぇぇぇ

薬草の生産量が倍……は言い過ぎだけど、三割増しになったわ


691:名無しの騎士 ID:HbJDmUW

プレイヤーがログインしていない間も、

せっせと働く健気なゴーレム君……


692:名無しの武闘家 ID:jVF73Mw

ちょっと質問失礼

誰かアイアンゴーレムのスキルに詳しい人いる?

鍛冶関係を覚えるとばかり思っていたんだけど、採掘強化って何ぞ?


693:名無しの魔導士 ID:z7dKAha

そのまんま、連れて行くと採掘ポイントで採れる素材の量が増える

もちろん一緒に掘ったりもしてくれる

鍛冶の補助はその後に覚えるよ


694:名無しの武闘家 ID:jVF73Mw

詳しくありがとう

そっか、成長度が足りていないだけか

攻略サイトがまだまだ不完全で辛い


695:名無しの重戦士 ID:kW4JKBJ

ゴーレム一族は優秀

ウッド、アイアン、マッドと落ちこぼれがいない


696:名無しの神官 ID:Jg9JUa3

ウッドとマッドの違いが分からなかったんだけど、

マッドは細かい作業苦手なのね

耕すのは得意だけど


697:名無しの弓術士 ID:TD6MJLg

ウッド→畑作、衣服作製補助など

マッド→畜産、採取補助など

こんなん


698:名無しの魔導士 ID:ZwwRW4E

戦闘力はアイアン>マッド>ウッドで合ってますか?

ゴーレム好きなんだけど迷ってて、まだ卵のまま持ってます

生産はしない予定です


699:名無しの武闘家 ID:fjxdpjn

えっ、マッドのほうが強くない?


700:名無しの軽戦士 ID:LM7zNb5

ウッドも回復能力があるじゃん

一概にどれが強いとは言えないのでは?


701:名無しの騎士 ID:ea2UFJj

アイアンが高防御力、マッドが高攻撃力、ウッドがそこそこの耐久に回復

基本的に全部タフで強いから、好きなのを選ぶといい


702:名無しの神官 ID:bBrxTrR

生産しないなら他のがいいと思うけど、好きなら仕方ないね


703:名無しの武闘家 ID:H3mJwgH

魔導士・弓術士にはいいんじゃない?

中でもアイアンにタンクさせると高性能よ


704:名無しの弓術士 ID:TD6MJLg

神官ならマッド、その他前衛職なら回復もしてくれるウッドで

……あれ、普通に強くない? ゴーレム


705:名無しの騎士 ID:P6EMZJw

魔法には弱いけどね

プレイヤーで言うと重戦士とか武闘家に近い性能


706:名無しの魔導士 ID:ZwwRW4E

みんなありがとう! 魔導士なのでアイアンゴーレムにします!


707:名無しの武闘家 ID:fjxdpjn

ゴーレム以外の補助系の話題がないんだけど……

他に何か有力な神獣いる?


708:名無しの軽戦士 ID:LM7zNb5

後は属性別に話すのがいいかな

火→鍛冶、魔物食材取得補助

水→ポーション精製、釣り補助

土→農業、採掘補助

風→畜産、料理補助

光→?

闇→そもそもあるの? 「神」獣なのに?

こう見るとゴーレムは結構特殊だったり

例外も数え切れないほどあるんで、参考程度に


709:名無しの軽戦士 ID:NnwMCyb

傾向としては大体合ってると思う

光と闇についてはあまり報告がないから、

もしかしたら成体になってからかも


710:名無しの魔導士 ID:z7dKAha

回復は光と言えなくもないんじゃないかな

一部の状態異常・デバフ攻撃なんかは闇と言えなくもないし


711:名無しの神官 ID:Jg9JUa3

あー、そっか

魔法を使わない神獣も多いからややこしいんだ


712:名無しの弓術士 ID:MG62UBz

生産補助ならゴーレムっていうのは動かなそうだけど、

自分で色々と試してみると良いよ

プレイヤーが取る行動によって同じ種でも差が出るから


713:名無しの武闘家 ID:NY9Lxsr

あ、それ本当なの?

ただの噂かと


714:名無しの弓術士 ID:MG62UBz

信じるかどうかは自由だけど、

ウチのカラスは農作物に帯同させていたら

植物の成長を促進させるスキルが生えたよ(実際に虫を食べてくれる)

俺よりも多く宝珠を与えているフレのカラスにはないって言ってたから、

個人的にはあるんじゃないかと思う


715:名無しの重戦士 ID:Jb5ytDE

犬がアイテムを拾ってきてくれるって報告も見たことがあるな……

あ、フィールド狩りの話ね


716:名無しの魔導士 ID:auRLsuF

へー

飼い主の助けになるスキルが自然と増えると思っていいのかしら


717:名無しの騎士 ID:MEnTFSc

その種の能力を超えるスキルは習得できないんじゃないかなぁ

普通の経験値とは別に、スキル経験値みたいなものがあると予想

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