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VRMMOの支援職人 ~トッププレイヤーの仕掛人~ 作者:二階堂風都

集団戦と夏休みの開始

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チーム登録と有名NPC

『グランツ岩石砂漠』におけるフィールド狩りは、最終的にレベル51で終了。
 ステータス画面には次のレベルまでの必要経験値が表示されるのだが……。

「遠いな……」
「50から51までの倍以上あるでござるな……これは厳しい。次はもっと高レベルのフィールドに行くでござるか? 戦闘内容的には、それなりに余裕があったでござるゆえ
「それもありだな。ここには鉱石採取も兼ねて――」

 カン、カンという高い音が俺の声を遮るように響く。
 発信源は言わずもがな。

「来ているから……セレーネさん、そろそろ帰りますよー」
「……ハインド。セッちゃん聞いてないぞ」
「仕方ない。背中でも叩かないと気付かないだろうから、直接連れてくるよ……みんなはワーハに戻る準備をしていてくれ」
「あ、私も一緒に行きます」

 みんなに帰り支度を進めてもらい、リィズと一緒にセレーネさんの下へ。
 ここは鉱石の採取場所としては良かったらしく、セレーネさんは採掘に夢中だった。
『不壊のツルハシ』の存在も彼女が採取に熱中する要因になっている。
 壊れる度に持ち替えなくていいというのは、思っていた以上に快適だ。
 これだけ掘っていれば、そろそろ採取ポイントの光も消えそうなものだが……近付いて背を叩く。

「セレーネさん」
「セッちゃん。帰りますよ」
「――ひゃい!?」

 慌てて飛び退くほどに驚かせてしまったが、これは仕方ない。
 あのまま放っておいたらいつまでも採掘を続けていただろうから。

「ハインド君、リィズちゃん……もしかして、もう帰る時間だった?」
「ええ。八人がかりで量は揃っていますし、もし足りなくてもまた来れば良いんですよ」

 そう言葉をかけるリィズの後ろでは、みんながラクダに乗り込み始めている。
 今回は採取した素材を運んでもらうため、馬よりも大きなインベントリを持つラクダを連れてきた。
 久しぶりの出番である。

「ここで採れる特定の鉱石が足りていない、とかではないんですよね? セッちゃん」
「ああ、うん。つい夢中になっちゃっただけだよ。もう足りているから大丈夫。今回の装備に使う素材は、ダンジョン遠征のおかげで大陸中の鉱石が集まっているからね。腕が鳴るよ」
「おっ、それは頼もしい。今回の装備、期待しても良いんですか?」
「うん、期待してて。ハインド君も、裁縫系の装備は任せたよ」
「はい、お任せを」
「セッちゃん、鍛冶のことになると強気ですよね。格好いいです」
「え、あ、そ、そう……かな? ありがとう、リィズちゃん」

 そんな調子でセレーネさんを回収した俺とリィズも、帰り支度を整えてラクダに乗り込んだ。
 戻ったら戻ったで、やることは山積している。



『王都ワーハ』に到着した俺たちは、ホームに帰る前に『練兵場』に立ち寄ることにした。
 目的はギルド戦へのエントリー……それと、有名NPCの応援を得られているかどうかの確認。
 練兵場への入り口は運営の告知通りに閉鎖されており、代わりに見慣れない操作パネルのようなものがいくつか設置されていた。
 察するに、これで参加登録を行えということらしい。

「ほら、ギルマス。チーム登録を頼んだぞ」
「お、私か? では、ちゃっちゃと済ませて――」
「リーダー、女王様成分が足りないっすよー。早く王宮に行きましょー」
「秘蔵のスクショでも見ながら我慢しろぃ。チーム分け、ハーフで良いんだよな――おや?」
「む?」

 スピーナさんに続いて、ぞろぞろと『カクタケア』の面々が俺たちの後ろから顔を出した。
 リコリスちゃんが元気に挨拶し、他のメンバーもそれに続く。

「おおー、これはこれは。親鳥ヒナ鳥の諸君。ご機嫌麗しゅう。ギルド戦のエントリーかなぁ?」
「親鳥じゃなくて渡り鳥な! そういうサボテン軍団もエントリーか?」
「チーム分けで揉めたけど、何とか決まったんでねぇ。半々で分けて、現地人の人数も確保! 的な」

 ああ、そういう分け方にしたのか。
『カクタケア』の人数は先日満員になったので、50人の半分……25人ずつのチームに分けた模様。
 それにより補充される国軍兵士の数は各50人、合計75人のチームが二つということになる。

「人数比率に関しては、蓋を開けてみるまで最適解が分からんでござるしなぁ。ま、拙者たちには選択の余地がないのでござるが」
「人数ねぇ。無差別に募集をかければ、人気と知名度で一瞬で集まると思うけどなぁ。君らのギルド。でも、それやると雰囲気違っちゃうだろうしねぇ」

 スピーナさんの発言に、後ろの『カクタケア』の面々が頷く。
 ああ、外から見ても俺たちってそういう印象なのか……。

「それと、増やし過ぎるとハインドが過労で倒れるかもだ。俺たちもかなりお世話になってるし、それは困るなぁ」
「うむ、確かに。って、喋ってないでお前たちもそっちのパネルで登録したらどうなのだ? 後ろの連中の一部が、抜け出して王宮に向かおうとしているぞ」
「――え? あ、何やってんのお前らぁ! 少しくらい我慢できねえのぉ!?」
「抜け駆け禁止って言ってるだろうが! 捕らえろっ!」

 スピーナさんが叫びながら、慌ててもう片方の操作パネルに取り付いた。
 彼の叫びに呼応して捕縛指示を出したのはギルドの幹部プレイヤーである。
 微妙に統制が取れていないんだよな、このギルド……。

「ハインド、ハインド。何やら部隊長というものを設定できるようなのだが」
「うん? それはプレイヤー? それともNPC?」
「どっちもだな」
「どっちも……あ、本当だ。部隊員への指示を出せる……NPCの場合はそのNPCに委任……部隊長以外には、全体指揮一人が各部隊に大まかな指示出すことも可能と。かなり自由が利くな」
「とりあえず、暫定のものを入力で構わないのでは? 一戦ごと、それも戦闘開始直前まで変えられるようですから」

 リィズの言に頷き、ユーミルと相談しながら適当にメンバーを当てはめておく。
 どんな役割があるのか把握だけして、当日まで案を練っておくことにしよう。
 表示されたチーム名は『渡り鳥・ヒナ鳥同盟』となっている。
 ギルド及び同盟内でチームが複数ある場合は、これにアルファベットが振り分けられる形だそうだ。

「こっちは登録終了したぜぃ。おっ、有名NPCはミレス団長っぽい。そしたらAチームに所属してもらうかぁ」
「「「えっ!?」」」

 一斉に驚きの声を上げる俺たち。
 ミレス団長がカクタケアの応援NPC……?
 だったらこっちは誰なんだ? まさか該当者なし?

「ゆ、ユーミル! 早く次のページへ!」
「う、うむ。とりあえず後からでも変更可能なものは適当にして、登録を……出たぞ!」

 次のページ、有名NPCの欄にはこう書かれていた。
 ネームド応援NPC『砂漠の聖女ティオ』と。
 とりあえず空欄になっていないのはほっとしたが――

「「「そっち!?」」」
「何だか分かんないけど、楽しそうだねぇ。鳥ーズ」

 スピーナさんのおかしな呼び方に反応できないくらい、予想外の人物の名がそこにあった。
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