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水中に火を求む
望んでいたこと。望まなかったこと。
いつだって正しい答えなんてわからなくて。
いつだって手探りなのに、大人のフリをして歩いてきた。
追いかけるべき背中を見失ってからも。
代わりにその手を引いていけたらいいと思った。
それでも、本当は。
「ちゃん、お姉ちゃん」
ぼんやりとしていた心の耳を、幼げな声が打つ。
「ごめん。なぁに、海晴く」
「お姉ちゃんは、“くん”なんて言わない」
冷ややかな声、心は少しだけ躊躇ってから小さく笑う。
「ごめんね。何かな、海晴」
「これ、読んで」
差し出された絵本を受け取ると、幼い少年はぴたりと心の腕にしがみ付いた。




