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手記本文・後半

〈研究員注:ここからは判読できた原文をほぼ掲載。読める形にだけ修正。以降、時系列及び意味を保証しない〉



街へ帰る準備をする。

俺のテントに侵入者。荒らされる。

誰か俺の記録を狙ってるのか?水が欲しいのか?

大変だ、俺の水を誰かが盗んだ。早く街へ帰らなきゃ。



俺の目的が調査じゃなければ、死ぬまでここにいたい。

今日も泉はきれいだ




光蟲は、虫じゃなかった!天使?精霊?神の使いか?

俺のそばまで来てくださった。虹色に光る、羽が生えた、ちいさな――やっぱり虫か?

いや、虫は虹色に光らない。

ああ!すばらしい!出会いに感謝を!!!



リスが俺を森へと呼ぶ。遠くに果物を置くんだ。

この前溺れかけたから?



秋が来たけど夜は来ない。



霧がすごかった、真っ白だった。

せいれい様と泉の魔力は同じ色。

真っ白が虹色になって、秋が来たんだ!



寒くなる、帰らなきゃ

美しい。本当に帰るのか?

俺はここに呼ばれたのかもしれないのに



またあいつがきてた。荒らしやがって、俺の水は渡さない。


なぜ私はここにいる?

帰らなきゃ。成功させなければ



今日はせいれい様に会えた、見守ってくださっている


寒い。冬が来るのか?

鹿が溺れた。ははっ、俺と同じだな、あいつ。

リスが教えてくれた洞窟へうつろう、調べなきゃ



ありえないことなんてなかったんだ!


俺が間違っていた

せいれい様、俺が間違っていたんですごめんなさい

俺が間違えた?

ちがう 間違えたんだよわかるか?


まちがえたんだよ、そうだごめんなさい


まちがえた

まちがえた

まちがえたごめんなさい間違えたまちがえたごめんなさいせいれいさまごめんなさい



寒い。雪がすごい。出られない。

水がなくなってしまうどうしよう


せいれい様ごめんなさい、もう帰るなんて言いません

ここはせいれい様のばしょ、誰にも教えません

教えてくださってありがとうございます

見守ってくださってありがとうございます

雪をどかさなきゃ。泉に行かなきゃ。



夜が来た。なぜ?私は何をしているんだ?

調査しなければ。記録は大事だ。

リスは今日も果物を置いて行ってくれた、ありがたい。

泉は美しく輝いている。うつくしい。

持ち帰るための泉の水をまた採取しなければ


いや、ちがう、まちがえたごめんなさい


ここはせいれい様のばしょです

食料をあつめます。帰るための飲み水だけもっていきます。


雪がやんだ、今日は飲み水を取りに行く。


冬が邪魔をするんだ!どうして!!

氷の硬さがおかしい、けずれない全然水がとれない

火を起こさなきゃ、溶かさなきゃ。


せいれい様、明日も雪がやんでいますように

ああ、なんで凍ってるんだ、溶かさなきゃ。飲まなきゃ。


今日も泉は輝いている。大樹も輝いている。うつくしすぎる。


あいつが泉へ帰っていった。

そうか、泉の底には街があるんだな、あいつはそこからやってきてたんだな!!



せいれい様 泉、虹色

なあ、リス、そうなのか?俺もいいのか?


泉は――そうだ、そうなんだろ?


ここはせいれい様の住む街のいりぐちだったんだ!



とけたまちにいかなければ



〈研究員注:以上で手記は終わりとなる〉








後書き


この手記は事実か、夢物語か。

エドガー氏は言う。“泉も大樹も存在しなかった“と。

残されたのはこの手記だけ。

そして遺骨は見つかっていない。

私は信じている。

そして、共に信じる仲間と語り合える日が来ることを願う。


学術研究員:テオドール・クレメント

お読みいただきありがとうございました。

たった3000文字ほどの拙い文章ではありますが、

何かを感じていただけましたら

そっとスタンプ押していただくだけでも幸いです。

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