俺じゃねーし
遊びに来て頂きありがとうございます。
「これで良いだろ?」
すると二人はやんわりと笑みを浮かべて互いの顔を見る。何だか、彼等の思惑通りなってしまった事が自身にとって腑に落ちない。俺は二人を置いてクラスへと向かう。そんな背後では彼等が楽しげに話し付いてきた。
(全く何でこんなに周りが五月蠅くなってきたんだっ)
以前とは比べものにならない程に自身のテリトリーが賑やかなのが、落ち着かない上に、さっき件もあり、必然的に早足になる。そんな中、教室が視界に入と共に、教室の廊下がやけにザワツいていた。
いつもと様子が違うとはいえ、特段気にも止めず、教室に足を踏み入れる。すると、教室にいた生徒がホワイトボードを見ている事に気づき、なにげなく、視線を向けた。すると、白いボードに赤黒い文字で何か書かれている事に気づき、その文言を目で追う。
『我ガ悲願ハ汝ノ手ノ中ニアリ』
白いボードに浮き上がるかの様に書かれた文字は、常日頃、ボードに書かれた質感とは違い、文字だけ炙り出したような感じだ。そんなボードを見つめ耳打していた生徒が、俺の方を見た。その視線は明らかに疑い色を帯びている。
(ったく俺がそんな事するかよっ)
俺は睨み返しつつ、舌打ちをする。すると、他の生徒が自身の背後にいた、フラッグに駆け寄った。
「フラッグ。聞いてくれよ!! 移動教室から戻って、席についたら、いきなりこの文字が浮き出てきたんだ!!」
「パドリック様ーー 私怖かったです!! いきなりの事だったので!!」
クラスメイトが各々に二人に訴え、一頻りした所で、俺に視線を向けてきた面々に、鼻で笑ってみせた。するとつかさずパドリックが口を開く。
「セルリルは移動の間ずっと私といたから、そんな芸当は出来ないよ。だいたいあの文字事態魔法なのかわからないから。ねっ、フラッグ」
いきなり名前を呼ばれた彼だが、返事がない。いつもなら、普通に返答が返ってくる筈なのだ。俺も思わず反応のないフラッグを見る。しかしこちらからは表情は読みとれない。
さっきまではあんなにパドリックと話していたというのに、一体どうしたのか?
そんな思いは他の皆も思ったらしく、自然とフラッグに視線が集まる。すると周りの視線に気づいた彼はどこか取り繕った笑い声を上げた。
「そ、そうだね。セルリル君が魔法等を発動した形跡はなかったよ。にしても困ったね……」
すると、前の入り口からライナムが入ってくるなり、声を上げた。
「おい、何だこれは? しかも焼き印なのか?」
そう言い奴は文字に触れ、擦ってみるも消える気配がない。その直後、振り向き俺を睨む。
「セルリルお前また何かしたのか?」
「は?」
間髪いれる事なく声を上げる中、フラッグがつかさず先程の話を奴にもすると、再度俺を睨む。が、その後直ぐ不敵な笑みを浮かべ、教室を後にしていった。
(何だよあの顔)
普段の奴らしくもなく、早めの引き際。しかもあの笑み。そして前回の時に口にした言葉。きっとライナムは何を企んでいる。それが一体何なのかは定かではないにせよ、あんな人間に屈する俺ではない。そんな思いに自身もニヤリと笑う。その時、ライナムが教室へと戻って来た。
「この教室は暫く使用禁止にする。なので実験室2に移動するように」
その号令と共に、クラスメイトはゆっくりと移動を始める。俺もその波にのりながら教室を後にした。
未だに先の案件が生徒達の動揺を誘う。どうにもクラスが騒がしい。そんな中、教壇に立ったライナムはホワイトボードをノックする。
「さっきの件もあるが、今から決める事に気持ちを入り替えろ。なんせクラスの代表を選出するんだからな」
そう言い、再度ホワイトボードを叩く。それにより、教室内が静まると奴は再度口を開く。
「これからの時間は、再来週に行われる『クラス対抗競技大会ファイブタワー』における1年C組の代表を決めようと思う。今回君達1年はでるのが初めてなので、今から説明をする」
すると一回咳払いをすると、改めてといった形で、ボードに書いた文章を指す。
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次回の更新は3月23日 20時30分以降の予定です