仰せのままに
遊びに来て下さり有難うございます。
そんな中、今まで沈黙していた、魔女が声をあげて笑い出した。
「いやはや、カスマニル大陸を放浪し、その時々に噂で聞いていたが、本当にお人好しの王陛下と殿下達じゃ。だが、あの公爵の話しも聞いてやっておくれ。やはり、こんな一般市民に頭をやすやす下げては、返って王家が嘗められてしまう」
「ほ、本当だぜ。話しには聞いてたが、こんな拍子抜けな、ないぞ。もっと、デーンと構えた方が良いんじゃねーのやっぱり。ほら、後ろの彼みたいに」
「はあ?」
「ほらな。あのぐらい? いや彼のは行き過ぎだけど、図太さはないと。ばーさんもそう思うだろ?」
「お前さんは童のあの図太さを分けてもらって、その腑抜け感をどうにかした方が良いかもしれんのう」
「ばーさんひでーぜ」
デルステインが悲劇的な表情を浮かべ嘆くと共に、どこか緊迫していた空気が和んだ。すると、王太子が俺達の方を見る。
「では、改めてなのですが、今持っている情報を話していただけますか?」
すると俺の目の前の2人がゆっくりと立ち、膝を軽く折り、頭を下げた。
「このような老輩ではございますが、殿下方の必要とあれば、なんなりとお聞き下さい」
「俺自身の持つ情報は微々たるモノ。ですがこの身、殿下方に預けます。好きなように自身をお使い下さい」
「俊傑のウィッチさん、デルステインさん。ありうがとう。それにセルリルも協力してくれますか?」
「散々被害被ってんだ。主犯の野郎をぶっ飛ばすに決まってるだろう」
「なら3人がいらっしゃれば百人力です」
「兄上。それは過大評価しすぎでは?」
「そう?」
「兄さん達。とりあえず時間もないし、それに魔女さんにはたくさん聞きたい事がるので聞き始めるけど良い?」
「ええ、タス。お願いします」
「では早速ですが、魔女さんは今回の件どこまで関わっていますか?」
「そうじゃのう…… 拙老が言うのも何じゃがわりと、要に近い事を手にかけてるように思えるのう」
「それは私も思いました。以前セルリルと街に出た時の出来事や、クラスメイトから彼が受けた仕業を見るに、魔法一辺倒では説明出来ない事が多かった」
「たとえばどういう所行があったのじゃ」
「その者のいる場所の特定。陣なしによる、防御魔法内の魔物転送。使い魔的モノによる偵察。自白を促す薬品ですかね」
「お、おい。どれもこれもヤバすぎだろ? っていうか君と、殿下はそんな事を実際やられたって事?」
「そうだけど」
「だったら何なんだおっさん」
「そんな事が起きてたら平然としていられねーだろ普通」
「うむ。全て手がけているのう」
「おいーー ばーさん!! しれっと言う事じゃねーぞ!!」
「木偶の坊が騒ぐ事ではない。お前さんは今の言った事には全くの無関係だろうに。まあ拙老もこんな形で術にあった者に会うとは…… 何という偶然」
「じゃあ。今回の件を理解した上でこんな事を?」
「それについては否定させてもらっても良いじゃろうか。基本依頼内容により金銭売買しているだけだからのう。なので何に、そして誰に使うか諸々は知るところではない。ただ、拙老に話しを持ちかける人間は大抵内密にやりたい者ばかりじゃ」
「成る程。因みに依頼人との面識はあるの?」
「うむ。いつも同じ者が訪れていたが、主犯に覚しき者とは会った事はないのう」
「じゃあばーさんの所にいつも来ていた奴の顔とか見ればわかるんじゃねーの?」
「それは無理じゃな。木偶の坊。その者は森で魔物にヤられておる。まああの時の生き残りはここの4人だけじゃからな」
「なあ。タスラム。前言ってた防御魔法の解除の話しや、フラッグからの線とかどうなってんだ」
「その辺なんだけど、まず防御魔法の解除の形跡はなかった。まあ魔女さんの術ならそんな事しなくても場所さえ特定出来れば可能なのかなって。後フラッグの線だけど、どうにかマイザード王宮近衛隊長迄辿りつたいけど、その先がね」
「じゃあその隊長じゃねーの。息子の件もあるからなーー 早速ケリつけに行こうぜ」
「だからーー セルリルは安直すぎるって。隊長は忠義心が強いだけで、権力を掌握しいようとは考えないし、そんな器はないよ」
「…… 君の友達の殿下って笑って罵れるタイプだな」
「そんな事、タスラムにとってはお手のもんだろ? って、それはどーでもいい!! 俺は兎に角主犯が知りたいんだ!!」
「それなら、多少の手がかりはある。今回の依頼内容がかなりの大がかりの事でな、拙老一人の術ではどうにもならなかったのじゃ。なので、今回の件に関わるであろう者達の波動を拝借した経緯があってのう。その契約を交わす際にその者達に、その媒体と契約を兼ねた『縁の華』を渡してあるのじゃ」
「では、その在処を追えばわかるという事ですか?」
「追うと言ってもそう易々出来ないのじゃ。なんせ拙老に依頼に来るも者はさっきも言った通り水面化で事をやりたい者達じゃ、その者達が自身の痕跡を残すような術を依頼せん。まあ同じ空間にいれば話しは別じゃが」
「にしてもばーんの力だけじゃ足りねー術って? 相当なもんじゃねーの」
「そういえば、木偶の坊もその場にいたのう」
「へ?」
「森じゃよ」
「森って、あのケピアの森かよ」
「そうじゃ。拙老があそこに行ったのはその術を完成させる為じゃ」
「魔女さん。ではあなたは何をあそこでしてたんですか?」
「ある一定の場所に特定の者が集まった時点であの一帯の転移の仕上げじゃ」
「はあ? それって魔物も含まているのか?」
「無論じゃとも童」
「それは非常にまずいですね。それを無効には出来ないのですか?」
「無効は可能じゃが、先も言った通り、拙老がその者達と同じ空間にいる時にしか叶わん。まあ依頼主達も当初の予定は拙老を森に連れて行き、口封じの為、殺すつもりだったのじゃろう。そうすれば、より一層魔物が集まるからのう。だが心配無用じゃ。童達の魔法のお陰で3週間は魔物はあそこ一帯現れんし、入る事も出きん」
「はーん。だからあん時、この事知ってたから、へんに含みのあること言ってたのかよ」
「フィフィフィ。まあそういう事じゃ童」
「因みに魔女さん。それが発動する場所ってわかりますか?」
「それについてはのう…… 今迄の話しを聞いてるに、殿下達に関わっているように思えるのじゃ。あの時も手下の者が拙老に渡してきたターコイズブルー色の水晶体。あれは自身が提供した波動を蓄積させる為の核じゃ。それが3つ。それに色も気になるのう」
そう言い、魔女が自身の瞳を指してみせた。
「成る程。関係性ありそうですね」
すると、引き続き魔女が3人を見る。
読んで頂きありがとうございます。
また、いいね、ありがとうございます!
日頃感想諸々お伺い出来ない為、
星、いいね!、感想(どんな些細なのでも構いません)
頂けると非常に有難く、励みになります。
もし宜しければ聞かせて頂ければ幸いです。
またワンオペ作業の為、誤字脱字諸々有り読みにくい事があるかと思いますが
ご了承ください&お知らせ頂ければ有難いです。
次回の更新は4月19日 20時30分以降の予定です




