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似た者

遊びに来て頂きありがとうございます。


「一体何なんだ。タスラム」

「何って?」

「どうして俺が王城まで連行されてるだ!!」


 ケピアの森の一件から、一週間が経つ。あの後、リンザルド公爵の別邸に戻り、怪我の治療や、体力の回復をはかっていた。その間に公爵も駆けつけ、一部始終を説明。すると驚きと共に、由々しき事態と悟った公爵は、こちらに協力し、連携をとる運びとなったのだ。だが事が事。公に動けない為、両者とも探りながらの調査となっていた。

 そんな中、王の妹君が登城していると言うことで、その迎えを利用し、俺と捕虜2人は連れてこられている。因みに今居る場所は、王城内になる妹君が個人で所有している屋敷だ。 

 立派な家具。煌びやかな装飾品が部屋中に飾られている。見た目で値が張るモノなのだろうとわかる。そんな空間の中央に、鎮座しているいかにも高いですと言わんばかりの複数の椅子とソファ。そしてそれに合わせたテーブルが置かれている。俺はその中の一つの椅子にドカリと座り、テーブルを挟んだ先にいるタスラムを睨む。


「だって、また浚われたら大変だろ? 犯人捕まってないんだし」

「だとしても、リンザルド公爵の別邸にいれば良いだろ? あそこなら王妹が嫁いでいるんだ。セキリティーは問題ない」

「念には念だよ。それに今回の事でセルリルの見解も聞きたいんだってさ。捕虜の二人だけでなく」

「私達がです」

「兄上と以下同文」


 その声の方に視界を移すと共に、沼の様な溜息をつき沈黙する。


「やっぱ無理」

「そんな事言わないでおくれ、セルリル。それに久々に会ったというのに、そんな態度。寂しいよ」

「それにしても以前は物静かな少年が、今ではこの豹変ぶり。昔の面影がないなセルリルよ」

「あのなーー タスラムはともかく、あんたらは俺がガキの時に数回会ったきりだろう? それなのに何なんだその醸し出される親近感」

「だそうだゼダ」

「自分もよくわからないな。タスはどう思う?」

「えーー 普通だよ」


 タスラムのあっきらかんとした声に再度深い溜息を零しつつ、斜め横にいる人物達に冷たい視線を送った。そこには、ゆったりとしたきつね色の羽織を纏い椅子に座り、俺と同様の長い黒髪を後ろで緩く束ねる人物。その者はタスラムの兄の一人であり、穏やかな表情を絶やさない王太子セイレーン。そしてその隣には群青色のスレンダーな上下の服を着た青年。その者は耳下まで伸ばした髪を軽く書き上げつつ、幾分か厳しい表情を浮かべる次男のゼダ王子の姿。そんな2人がターコイズブルーの瞳をこちらに再度向けた。すると、タスラムが一回咳払いをする。


「セルリル、今、それでも周りに誰もいないからいいけど、誰か同席している時は、ここではちょっと態度気を付けてね。即牢獄行きになる可能性あるから」

「そんな事知るか!! それこそこれを機に王城出禁になっても構わない」

「私もゼダもそんな事はしないから。ゼダは君より5つ。私は7つも上の年長者。それなりの寛大さは持ち合わせているよ」

「自分も出禁にするつもりはないが、その言動は正すべきだと自身は思う。兄上は少々甘い所があるからな」


 するとその言葉にタスラムが頷いてみせた。俺はその兄弟のやりとりを目を細くして見つめる。そんな中、ドアがノックされた。次男が声を上げ、それに応えると、すぐさまドアが開かれる。すると一人の兵士が敬礼をした。


「どうしましたか?」


 優しく声をかけるセイレーンに兵が、すぐさま近寄り、年長者2人に耳打ちをした。すると、2人の顔色がみるみる変わると共に、兵が足早に部屋から退散したのだ。


「何かあったの?セイレーン兄さん。ゼダ兄さん」


 タスラムの声に、2人が俺と彼を見た。するとゼダが口を開く。


「王がニアグラ宰相とこちらに向かっているようだ。しかももうそろそろここに到着する」

「はあ?」


 声を上げながら立ち上がる。いきなりの不意打ちであり、今の状況化で王と会うのは、危険性を孕んだ行為に感じるのだ。それはタスラムも思ったのか彼も一瞬困った表情を浮かべた。が、突如表情が変わり周りを見る。そしていきなり、とある椅子の背もたれに掛けられていた膝掛けを手にし広げた。


「流石セリテリア王妹殿下のチョイスだよ。品もあるしこれなら大丈夫だね。セルリル時間がなから、その暖炉の横に壁に背中つけて立って」

「何でだよ!!」

「だって今から部屋出ても返って鉢合わせになっちゃうよ。今は極力目立たないようにした方が良いから」

「ったく」


 俺は渋々指定された所へ立つ。するとタスラムがすぐさまかけより、俺の頭に膝掛けを掛ける。


「…… 何してるんだタスラム」

「紺色に金の刺繍が施されているし、縁もレースの房がついてるからベールに見える。だからこれで顔を隠して。2人が出るまで顔を上げちゃ駄目だからね!!」

「嘘だろ?」

「まさか大真面目だけど」

「お、おいっ!!」

「大丈夫。どうにか2人を言いくるめるから。心配しないでそこに居て」



読んで頂きありがとうございます。


日頃感想諸々お伺い出来ない為、

星、いいね!、感想(どんな些細なのでも構いません)

頂けると非常に有難く、励みになります。

もし宜しければ聞かせて頂ければ幸いです。 

またワンオペ作業の為、誤字脱字諸々有り読みにくい事があるかと思いますが

ご了承ください&お知らせ頂ければ有難いです。


次回の更新は4月16日 20時30分以降の予定です

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