何か策ねーの?
遊びに来て頂きありがとうございます。
(まずいなこれは)
思わず奥歯を強く噛み模索する。それは俺だけでなく、目の前のタスラムも同様に何かを考えているようだった。
「何か思いついたか?」
「うーん。全くだね。こっちの装備品も含めて考えてみたけど…… 魔女さんの方はどうです。この場合の対処法?」
「フィフィフィ。あったら教えて欲しいものじゃ」
「だとよ」
「はははは。いよいよデルステインさんの回復薬をリアルにわけてもらうしかなくなりましたね」
「やめろーー ゼッテー嫌だ!!」
「何言ってやがる。生き残りたくねーのか!! 死んだら使えねーぞそれ。第一こっちの備品なんて限られてんだ。有効活用しなくてどーすんだよ」
「そうですね。とりあえず回復薬が全部で6本。長剣、短剣一本ずつ…… 後はそうそうあのまま持ってたクラック鉱石」
「クラック鉱石じゃと?」
いきなり魔女が反応した。
「悪いがその鉱石見せてもらっていいかのう?」
「構わないですよ」
そう言い、タスラムは懐から鉱石を取り出し俺達の背丈半分ぐらいしかない身長の彼女に渡す。すると魔女はまじまじとそれを見つめた。
「非常に質の良いもんじゃ」
「視てわかるのかよばーさん」
「それなりに長生きはしているからのう。童には難しいかもしれんがな」
「でも、魔女さん。これで何が出来るんですか?」
「うむ。この鉱石は本来波動の拡散が目的じゃろ。なのでそれを利用するんじゃよ。ただしちょっとばかし小細工が必要じゃな。ただ細工をしただけじゃあうまく行くとは限らん」
「それがどうした!! この状況なんだ。とやかく言う前にヤっちまった方が早い」
「そうですね」
「生きて帰れるなら何でもしますっ」
「フィフィフィ。では少しばかり石を」
そう言い鉱石を両手に包むと、灰色だった鉱石が透明の水晶に変貌する。
「ふむ。これで反映しやすくなったじゃろう。で、ここからが重要じゃ。童達に聞くが二人の中で光魔法が使える者はおるか?」
「それなら俺が使えるが、大層な事は出来ないぜ」
「フィフィフィ。元素魔法と違うからのう。まあしかし童の暴慢さがあれば、精神性がモノを言う魔法じゃが、それに関しては問題なかろう。強いて言うなら体力じゃな。後は防御魔法じゃがもう一人童でよかろう。先程もなかなかの防御魔法じゃった」
「俊傑のウィッチさんに誉められるなんて、至極光栄です」
すると、彼が前に片手を回し頭を下げる。その姿に魔女が軽く笑い声を上げると、その直後口を開く。
「因みにどのくらいの大きさまで防御を張れそうかのう」
「うーん。やった事ないけど、今の時点で頑張って直径500メートルぐらいかな」
その言葉に、魔女が含みのある笑みを浮かべたと思いきや、いきなり大声をあげて笑い出したのだ。思わず、魔女の方に視線を向ける中、彼女は軽く手を上げた。
「すまんかった。いや、こりゃあ面白い展開になってきたわい。長生きするもんじゃのう」
「おい自己完結すんなばーさん」
「何か面白い事私言いましたか?」
「スマンスマン。とりあえず今やろうとしている事がうまくいけば、非常に痛快な事がおきそうなのじゃよ。まあそれはおいおいじゃ。まずは」
すると、俺の前に魔女が歩み寄ると、石を渡す。
「童。お前さんの今出来る最大の力で光魔法をこの石にかけろ。それと同時に、もう一人の童も同等に此奴の石にめがけ出来うる限りの防御魔法を施すのじゃ」
魔女はそう告げ、すぐさまデルステンの前に行く。
「で、木偶の坊は回復薬をこちらに渡せ」
「ええ、そ、そんないきなり? 横暴だぞ!!」
「全く、この期に及んで四の五の言うではない!! それとも、ここで魔族の餌になりたいのか?」
「それは断じて嫌です!!」
「なら」
そう言い、魔女は手を前に出す。その姿に彼は暫く見つめ、深い溜息をつく事暫時。3本の回復薬を渡し、魔女はこちらへとやって来る。
「じゃあ、始めるのじゃ。この石は魔法の吸収も早い上にお前さん達が与えた分だけの魔法を取り込める。なのでそれなりの魔法量を短時間で蓄積可能じゃ。とりあえず、今手持ちの回復薬が終わった時点で、魔法供給は終了する事にしよう」
「わかりました。でもその間私とセルリルは何も出来ませんよ。もうそこまで魔物が……」
「ふむ。その間ぐらいどうにかするわい」
すると、魔女は近くにあった杖ぐらいになりそうな木の枝を広い、地面に数回打ち付け静かに唱える。
『我の声を聴け。風の理を示せ』
そう口にした途端、まわりの木々の葉が擦れる音がし始めた。それは次第に大きくなり、枝も大きく揺れ始めると共に、再度魔女が声を上げる。
『古の力を見せよ』
その直後、俺達を中心に一気に風の渦が出来たのだ。それは真上に覆いかぶさっていた枝を一気に凪払う。
「呪説……」
「だね。初めて見たよ。それにしても」
そう言い、タスラムが頭上を見上げる。
「凄い。威力だね。セルリル。ほら空だよ」
彼の言葉に促され、上に視界を移すと、青い空が目に飛び込む。すると魔女の笑い声が聞こえた。
「そうじゃろ。だからといってそうは持たん。とりあえず童達は石に魔法をかけるがよい」
その言葉に、目線を鉱石に移すと、タスラムも同様に俺の手を見る。そしてほぼ同時に魔法をかけ始めた。俺の掌の石が透明から徐々に虹色へと変わっていく。
また魔女の言う通り、いくら魔法をかけてもかかった手応えがなく、体力だけがごっそり削がれる状況に陥っていた。
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