お前、何やってんだよ!!
遊びに来て頂きありがとうございます。
すると、一瞬先程まで沸き上がっていた声がピタリと止まったと思いきや響めき始めたのだ。大半の観客が、優勝候補に目を向けていたせいで、何が起きたかわからないといった感じなのかもしれない。そんな中、対戦相手の唖然とした表情が液晶に写し出された。俺はその映像を一瞥し、鼻で笑う。そして斜め後ろで現状を見上げていたタスラムを見た。
「セルリルの言うとおりだね」
その言葉にニタリと笑い俺達は、早々に先程入場した場所へと向かい始める。会場は未だに響めいていた。そんな中を俺等は平然と歩き、その場から退場する。するとその直後、背後にいたタスラムに女性陣が一気に集まり、彼の足が止まった。が、俺は我関せずとばかりに闊歩し続ける。すると、彼が俺の名を呼んだ。
「セルリル、先控え室行っててよーー」
俺はその言葉に反応せず歩いていく。するとタスラムが再度俺の名を呼ぶ。
「聞いてるのーー」
「ったく、わかった!!」
そう言い、片手を上げその場を後にする。そんな移動廊下は人がまばらだった。次の試合も始まっているようで、その歓声が耳に届き、運営含め、競技場に大半が集まっているのだろう。
そんな中、ふと自身と同じ、ローブ色の人間が視界にはいった。俺は思わずそれを目で追う。と言うのも先程の開会式でも同色のローブを来た組を目にしなかったからだ。
確かその組には、フラッグもいる。日頃の彼を知っている為、開会式を放棄するような人間ではない。なのにも関わらず、あの場にフラッグがいなかったのは事実。そんな背景もあり、自然とその者を追う。
すると、控え室から離れ、人気の全くない廊下を闊歩する同色のローブの者を見つけ、尚も後をつけると、その者が廊下の突き当たりのドアの前で足を止めた。俺はそれをジッと見つめる事暫し。ローブの者が俺に気づき、声を上げた。
「あの時間にあそこを歩いていれば君が着いてくるはずだって言ってたけど、本当だったんだね」
「はあ?」
「フラッグが二人で話たんいっていうからさ。まあ僕達の出番はまだ先だし。いつも親切にしてくれる彼の頼みだったから」
そう言うと、彼の背後にあるドアを軽く叩き、ゆっくりと戸が開けた。すると、『どうぞ』と言わんばかりにドアの横に立ち、彼が手を差し向ける。俺はそれをじっと見たまま、歩き部屋へと入った。
その部屋は8畳程の用具室で、周りの棚には競技に使用する道具がおいてある。そんな部屋の入った目の前にはマットが積まれ、その上にフードを深く被った状態で座る人物が目に止まった。そんな中、ドアがゆっくりと閉められると同時に、目の前の者が、室内に防御壁をはる。その直後、ある気配を感じ思わず、周りを見回した時だ。
「ちょっと大事な話をしたくて今、防御壁をはらせてもらったよ。この部屋から容易に出入り出来ないし、音も遮断した。にしてもセルリル君珍しいね。落ち着かないのかい? まあ試合終了直後でまだ気分が高揚してるとか」
その声は間違いなくフラッグのものだ。が、それよりも今は、気になる事がある。再度部屋中を舐めるように見つめること寸刻。俺は目の前の彼を睨む。
「どうしたんだい? 今まで部屋を見回していたと思ったら? 僕に何か?」
「どういう事だ?」
「何がだい?」
「それは俺が聞きたい。どうして俺の魔法の痕跡が漂っている?」
「…… 僕にはわからないけどそうなのかい?」
「しらばっくれるんじゃあねえ!! この部屋を締め切ってから微かにだが俺の魔法の気配がすんだよ!! まあ先日へんな事もあって、そん時に俺が魔法を使ったその痕跡で間違いない」
「そんな事断言出来ないだろ? しかも今日はこの会場で成績上位の生徒が魔法を駆使しているんだ。いつも以上に色んな気配が漂っている。そんな中、ここに漂っている痕跡がセルリル君のだと断言なんて出来ないだろ?」
「はあ? 発動させた俺が言ってんだ間違えるわけねーし!! そんな俺の気配がお前からする。どうしてだフラッグ?」
「…… そんな事あるわけないよ」
「何しらきってんだよ!! いい加減にしろ!!」
罵声と共に、彼の前へと立つ。そして勢いよく、フラッグのフードを取った。すると、彼の顔が露わになると同時に、左目眼球が白く変色している。そこからは冷気の様なものが漂い、フラッグの左の睫毛が微かに凍っている事が目視出来た。
「それなんだ? 確実に俺の気配を感じるだがな」
「……」
「何黙ってんだよ!! あんなマネした理由を言え」
すると彼は、下に視線を落とし、深い溜息をつく事暫し。
「……そうだね。僕自身少し悪あがきしすぎたよ。こんな事になってる上にここまで君を呼びつけたんだから……」
そう言うと彼がゆっくりと顔を上げ、俺の方を見た。
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次回の更新は4月3日 20時30分以降の予定です




