9.「希望と絶望」
「美味しいのかな、食べちゃお。」
冥帝、は口を大きく開けて、我王を飲み込んだ。
「え、なにg」
我王は、冥帝に食われた。あまりの突然の出来事に、我王一行は驚いた。失ったのだ。最強戦力を、ラブノウズの王を、獅子王を、失ったのだ。
「嘘だろ。国王。」
と、新世界。
「我王様ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
と、榊原典賢。
「おいおいおい。獣化した獅子王を食らうのか。一体何なんだ。我らで行くぞ。ラブノウズの民々よ。ってどうした。」
2人は、泣いていた男泣きだ、また、戦意を喪失していてた。国王を失ったことに、黙って泣いていた。海面下なので、蒼帝には、わからなった。
「くっ、どうすれば、冥帝、貴様、何のつもりだ、食事と人の区別もつかんか!!」
冥帝は、相も変わらず、舌を震わせる。
「輝いてて、ふわふわしてて、美味しそうだったよ。美味しくはなかったけど。食べられたい?」
「我は、抗うぞ、必ずや、勝ってみせる!」
その時だった、冥帝の、下にあった、黒い島が動き始めた。いや、それは、紛れもなく、大きな大きな黒い亀の甲羅だった。
「お、なんじゃ、竜がおるの、白にそっくりじゃな。」
黒い亀が喋った。
「おはよう。黒。これ、どうする?食べていいかな。」
「冥帝は、2人いるのか。信じられん。海の君主とは、よく言ったものだ。か、勝てるのか…。」
蒼帝は、その冥帝の、大きさに、自分の非力さを感じた。無論勝てる気なんて、勝機なんて、なかった。諦めかけていた。会話を試みるしかなかった。
「白と言ったか、冥帝よ。貴様が・・・飲み込んだのは・・・ラブノウズの国王だ。我から言っておこう世界を統治するのもだ・・・・・・・・・吐け!吐き出せ!」
「何を言ってるの?美味しくなかった。それだけ。それに、それはできないよ、北は僕らが護ってる。食べられたい?」
「・・・。」
我王がいなければ、彼らには、勝てない。勝てるはずがない。
「我は、我は・・・・・・・・・・・・・・・。離脱する。」
我王一行敗れたり――――。
「帰りましょうか。勝てませんよね。」
と、榊原典賢。
「そ、そうだな。」
と、新世界。
「うっうっ。」
冥帝、白の様子がおかしい。一体何が・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
次回までどうぞよしなに!