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Love knows no boundaries 愛は国境を知らない  作者: 勘冴えて嬉しいわ
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8.「黒い島と白い蛇」




イーストキャピタルを去り、ラブノウズに一旦戻った我王一行は、三皇帝を連ね、シーロードへと向かうのであった。ここで言う三皇帝とは、もちろん。白帝、炎帝、蒼帝の東西南北を護る神々である。さて、疑問なのだが、一体全体冥帝とは、どんな人物なのだろうか。海面下にいる。と、蒼帝は言っていた。さっぱり訳がわからない。海面下で生息できるのだろうか。我王一行は、場所が北と海面下ということしかわからないため。困窮していた。


「俺のインフィニティキューブを海洋に対応させる。俺が一人で行く。三皇帝、ついてこれるか?」


「ほっほっほっ。わしは、遠慮しとこうかのう。」


と、白帝。


「私は行けないわ。だって、火属性だもの。それに泳げないわ。」


と、炎帝。


(われ)が行くか、我は自然を操る。水くらい平気だ。泳げるぞ。我王よ。」


と、蒼帝。自信満々だ。打って変わって丸くなったのは、戦が原因か。この世界の神々は不思議なものである。


「ん~、俺は、一人で行きたいが、行くか!蒼帝。だがな、冥帝がどんな人物か、わからねえけどな、よく言われるだろ、人の第一印象は見た目で9割が決まる。

だが、本当にそうか?決めつけていいのか?残りの1割を俺たちは知らない。その可能性に俺は賭けてる。冥帝をも、味方にする。それが、俺の最後の使命だな。そして、世界を統治する。はっはっはっ。」


我王は辺り一帯を見渡し、何か策があるようだ。一旦目を閉じ、大きく息を吸い、口を開けた。その口には、一瞬()のようなものが見えたが、おそらく気の所為(せい)であろう。


「今回は、水面下での戦いだ。泳げるやついるか?俺としては、軍務大臣、新世界(あらたせかい)。外務大臣、榊原典賢(さかきばらつねさと)を連れていきてえ。どうする?大臣共々よ。」


軍務大臣、新世界(あらたせかい)はベールを脱ぎ、言い放つ。


「俺の番だ。行くしかない。国王。俺は行く。」


新世界(あらたせかい)は、深呼吸をし、左手の五本指を開きそこに、拳を叩きつける。

気合を入れていたが、震えていた。 武者震いか。いや、違う。

おそらくだが、冥帝を恐れている。


「僕も行きますね。ラ()()スネ()()ミステ()()()()しかないですね。蛇のように泳いで見せますよ。」


「はっはっはっ。そうこなくっちゃな。よし、インフィニティキューブ『可変水面下対応』!!」


先程まで、両腕にチェーンソーがついていた、チタン製の鎧は、酸素ボンベが、装着され、ヒレがつき、顔には水面下でも、呼吸可能な酸素マスクがついていた。足裏のジェットはそのままである。我王は、マスクを外して、一呼吸置き、喋った。


「潜るぞ!冥帝を撃破する。」


我王の目から察するに、我王は既に戦闘態勢に入っていた。


「我王様、場所が、わかりません。水面下のどこにあるのでしょうか。」


と、典賢(つねさと)


「案ずるより産むが易し、やってみなくちゃわからないって。まあ、なんとかなるって。はっはっはっ。」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



我王一行は、海底を目指し、泳ぎ続けた。海底には、黒い島が見えた。おそらく、シーロードではないか。と、誰もが思った、だが、そこには、水で、ぼやけてはっきりとは見えないが、大きな大きな一匹の()()()がいた。()()なのだろうか。他の者の姿が見えない。その白い蛇は、島全体を覆っていた。だがしかし、我王一行は恐れることを知らなかった。これまでの経験から、糧を得たため、自信が(みなぎ)っていた。


「な、なんだありゃ、冥帝なのか。信じられねえ。なんて大きさだ、まるで、川みてえだな。おまけに、白い。なんの神なんだ?だが、俺はあきらめねえ。負ける気がしねえ。求めるものは己にあり。世界を統治してみせる。この俺が!はっはっはっ。」


冥帝と思わしき、その白い蛇は、こちらをギョロリと睨みつけていた。こちらを、獲物かと、疑うようなその目つきは、冥帝という名に相応しく、舌を震わせながら、我王一行の様子を伺っている。


「なあ、蒼帝どうする?何ができる?東の神、何ができる?俺はなんだってできる。このインフィニティキューブがあればな。」


「ふはははは。お主のからくりは、それであったか。我か、自然が操れるぞ、共に戦おうぞ。戦友我王という名の男よ。試しに、この海面下に雨を降らせて見せようぞ。瞬きするなよ。霧雨!!」


蒼帝は、片腕を、水を仰ぐように振るった。

突如、海水が液体のまま、針状の形となり、冥帝へと降り注いだ。その速さの迅速さ、恐れる者は恐れることなかれ。だが恐れぬ者は恐れよ。マッハを超える。


「何?雨か。どーでもいいや。」


白い蛇、冥帝は、気にすることもなく、這いずり回っている。

その、マッハを超える雨は冥帝の寸前で停止し、我王一行のもとへと帰ってきた。


「な、なぬ。我の雨が効かんのか。霧雨よ、消え去れ!!」


マッハを超える霧雨は蒼帝の声に呼応し、消え去った。


「嘘だろ、信じられねえ。冥帝も自然を操れるのか。」


我王は驚いていた。冥帝の底知れなさに驚いていた。これまでにないほどの、強さをひしひしと感じ取っていた…。我王一行、驚きの光景を目の当たりにし、開いた口が塞がらないほどの、表情を浮かべていると、冥帝、白い蛇が、舌を震わせながら、喋り始めた。


「あれ?蒼帝君じゃん。どうしたの?それと、君たち誰?もしかして、ラブノウズから来たの?歓迎するよ。僕に勝てたらね。ふふふ。」


そう、言い残すと、巨大な白い蛇は、大きな口を開き、我王一行に、飛び掛かってきた。


「みんな逃げろ!!」


我王は叫んだ。


「やるしかねえな、『可変右腕ガトリング』!!!」


この時、冥帝は、我王へ向けて真っ直ぐ、向かい食らおうとした。だが、我王が一足速かった、我王の右腕から、ガトリングの弾が次々と、発射された。


「へぇ、やるじゃん。」


と、冥帝。


「えっ。」


と、我王。何が起きたかと思えば、冥帝が、ガトリングの弾を、全て吞み込んだ。


「あ、ありえねえ。」


我王は、目を見張っていた。


「うん、美味しくないね。じゃあ行くね。ふふふ。」


冥帝は、海の中に、竜巻を発生させた。我王は、成す術もなく、竜巻にのみこまれた。

おそらく、我王は、もう戦えないのかもしれない。と、誰もが思った、だが、竜巻の中から、獅子の雄たけびが聞こえた。


「ん?なんだろう?」


と、冥帝。それは、その雄たけびは紛れもなく、我王の声だった……。


「『獣化』!我は、我こそは、獅子王なり!!!!!」


我王が、獣化したのだ。


「冥帝、よく覚えておけ、俺が世界を統治する者。我王獅子丸だ!!」


獅子になった、我王は更に筋力が増していた。インフィニティキューブも形を整えている。

果たして、勝負の結末や如何に―――。




次回までどうぞよしなに!

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