7.「獅子と龍」
争いは、何も生まない。どちらか一方が勝者となり、またどちらかが、敗者となる。また、どれだけ、戦をしたところで、屍の山が増えるだけだ。無論、我王はその事をわかっていた。だが、止むを得なかった。戦わずして勝つことは不可能なのだろうか。数千人のイーストキャピタルの軍勢は、我王一行の、すぐそばまで迫っていた。が、我王は一人の老人を味方につけていた。これが、転機、いや、勝機となった。差し迫っていた。数千人の軍勢が、一瞬にして凍ったのだ。そして、その老人は言う。
「これで、ええかのう。おっほっほっほっ。」
「でかしたぞ、白帝ッッッ。」
我王が声を張り上げる。
「何事だ。私の軍勢が凍っただと、信じられん。貴様ッ!何をした!魔術師よ!氷だと………白帝まで、味方だというのか。誠に信じられん。ラブノウズの国王よ。」
我王一行の仲間達に蒼帝は驚いていた。まさか、白帝が同盟を組んでいるとは思いもよらなかっただろう。
「はっはっはっ。驚いたか?ホワイトカントリー、レッドフェザーは、俺の配下にある。さあ、どうする?」
「わしらは、同盟を組んでおるぞ。」
と、白帝。
「私の言ったこと、これで、わかったんじゃない?」
と、炎帝。
「………信じられんな。ならば、我王。ラブノウズの国王よ。我と戦え!」
蒼帝、その青い龍は、目を光らせながら、我王に一対一の勝負を仕掛ける。
「蒼帝!俺は、言わなかったか?同じレベルの者では争いは発生しない。俺は2回だ、2回言った?わかるか?俺には敵わない…。」
「御託はいい。攻めることこそ最大の防御だ。行くぞ!」
すると、突然。我王の足元から根が生え始め、絡みついた。我王は動きを封じられた。
「くっ!動けねえ。なんだよこれ。樹木が意志を持ってやがる。」
蒼帝は、高笑いし。勝ち誇った表情でいた。
「動けんだろう。これが我の力。自然をも操るのだ。ふはははは!!」
我王の表情が曇ったかと思えた、しかしどうだ、彼は一切の合切困窮していないのだ。これは一体。絶望的な状況にあることは変わりはないのだ。彼は、彼は一体何を考えている…。
「はっはっはっ!試してみるか。まだ、やったことはねえけどな。『可変足裏ジェット』。」
チタン製の鎧になっていたインフィニティキューブは、足裏だけ変形し、ジェット噴射口がついた。
「行くぜ。」
そう言い残すと我王は、空高く舞い上がった。勿論、足元の根はその勢いにより、粉々になっていた。信じられるだろうか。ネコ・・・いや、獅子が空を飛んだのだ。
「蒼帝、俺は負ける気がしねえ。それにな。死んでいい人間なんていねえんだよ。生物も同じだ!だから俺は誰も殺さねえ。いいか?人を殺すのは自分も死ぬ覚悟でいる者だけだ!もう一度言っておく…俺には敵わない。」
「貴様、どんな魔法を使った。なぜ飛べる…凄い魔術だな。仕方あるまい、同盟を組むか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と、でも言うと思ったか?我王よ。我は神だ。ふはははは。」
蒼帝は、空高く飛び我王より、高い位置で、停止した。そして、青く、鱗で覆われた口を開く。
「くらえッッッッッ。」
我王の周囲に、イーストキャピタルの地上から複数の巨木が生え、我王を取り囲む。上も、太く大きな枝で、塞がれている。八方塞がりだ。我王は、またもや動きを封じられた。これでは、飛べても、動けまい。
「我王、貴様にも言っておこうか。さあ、どうする?」
我王は、迷わず自分の腕を見た。そして、なにか閃いた。
「『可変両腕チェーンソー』ぶった斬ってやらぁ!!」
我王は、足裏のジェットで回転しながら、両腕のチェーンソーで、次々に巨木を切り倒していく。その数百本は下らない木々を切り倒した我王は、青い龍、蒼帝を見上げ、言い放つ。
「はっはっはっ!蒼帝。聞こえなかったのか?俺には敵わない!!」
蒼帝の目から光が失われた。
「なるほど、我の攻撃は効かんか、同盟か…。我王。獅子と王の名を持つ男よ。東は、貴様に託そうではないか。戦は止めだ。我に死ぬ勇気はない。生きたいのだ。我王よ。若き王よ。ゴホッゴホッ。」
「どうした?蒼帝。大丈夫か?」
「我も年だ。咳ぐらい出るだろう。おそらく知らんだろうが、この世界には4つの国があるな。しかしだ、隠された国がある。北を護るシーロードだ。その国は、海面下にあると言われている。誰も知らない。我は知っているがな。シーロードには冥帝がいる。別名海の君主とも呼ばれる。我も会ったことはない。知っているのは名前だけだ。」
「そ、そうなのか!俺は必ず、世界を統治する。俺には行かないという選択肢はないぜ。待ってろよ。冥帝!!」
次回までどうぞよしなに!