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Love knows no boundaries 愛は国境を知らない  作者: 勘冴えて嬉しいわ
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13.「我王と獅子丸」



我王の、拳が放たれる。その、拳は、風を切ったかのように、物凄い音を立てた、獅子丸の後ろの壁に当たり、粉砕されていた。


「手加減はしねえぞ。獅子丸!俺に勝て!」


「わかったよ。我王がその気なら、世界皇帝に従うよ。国王補佐として、最後の使命を全うしたい。」


「はっはっはっ!そうこなくっちゃな!」


獅子丸は、しゃがみ込み、しゃがんだ体勢から、真横に足を伸ばし、体を回転させた。

その足は、我王の、足に当たり、我王を、転ばせた。


「いってえ、やるな獅子丸。」


「我王もういいよ。避けれたよね?なんで避けなかったの?手加減しないんじゃなかったの?僕に嘘はつかないでよ。」


「・・・これしか、なくてな。強くなったな。獅子丸。きっと、できるぜ。」


「なんの話?」


その騒ぎを聞きつけ、宰相(さいしょう)がやってきた。


「何してるですにゃ。会議の時間ですにゃ。行きますにゃ!」


「行こうぜ。獅子丸。」


「うん。」


我王の顔は、どこか暗かった。



◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 



「それでは、これより、会議を始めますにゃ。」


宰相が、会議を始めた。


僕が初めて、この世界にやってきた頃に似ている。確か、あの時も、宰相が言ったんだっけ。


場所は、ラブノウズの城内、会議室だ。元々席は、7つしかなかったのだが、古今東西から資源を集め、城は、大幅に増築された。世界全体が、ラブノウズのモノとなったため、今現在、世界の資源は、ラブノウズが保有している。


獅子丸は、何を会議するのか気になっていた。


何話すんだろう。僕の国王補佐剥奪とかかな?あ、でもちょっと待てよ、みんなもいるんだ。


その場には、三皇帝、白帝、炎帝、蒼帝が、列座していた。

冥帝の現在が気になるところだが、獅子丸によって、凍結されている。致し方のないことだった。

たった一つの冴えない方法。獅子丸は、後にそう言っていたらしい。


「我王様、最初にお一言お願いしますにゃ。」


宰相が言うと、我王が、席を立ち、深く息を吸った。


「みんな、聞いてくれ。まずは・・・そうだな、ここに、遠くから、はるばる集まってくれたこと、そして、俺の国の職務を全うしてくれたこと、そのすべてに感謝したい。それと、そうだな・・・俺の国、ラブノウズは、世界を統治した。これをもって、俺は、世界皇帝となった。また、新たな役職を追加する。世界皇帝のサポートとして、三皇帝をこの国に迎え入れたい。三皇帝、異論はないな?」


「もちろんじゃ。約束じゃからな。ふぉっふぉっふぉっ。」


白帝は、人の姿になっており、その長い髭を、右手で、つまむように、上から下へと、触っていた。


「ええ、私は、この国を気に入っているわ。穏やかな国なのね。もちろんよ。世界皇帝。」


炎帝は、我王を見ていたが、一瞬だけ、獅子丸を見た。獅子丸の動向が気になるらしい。


「当たり前だ。この国で、俺は、世界皇帝の、サポートを務める。ラブノウズの民よ。よろしく頼むぞ。」


「よし、これでいいよな。」


その会話を口火に、会議は開かれ、様々な、規則や、役割、これからの、経緯(いきさつ)について、話し合われた。大臣達は、三皇帝を気に入っており、また同様に、三皇帝も、大臣達を気に入っていた。会議は、順調に進み、終盤に差し掛かった。


我王は一瞬、下を向き、もう一度、みんなを見た。


「――――俺から、最後に、3つ言わせてくれ。」


皆は、緊張が解け、談話していたが、その我王の一言に、会話がぴたりと止んだ。皆が、我王を見ていた。


そろそろかな。僕も、これで、日本に帰れるのかな。長かったけど、不思議な体験だったな・・・


我王が、真剣な表情をしていた。余程の重要事項なのだろう。皆が、耳を澄ませる。


「1に、この国、ラブノウズを『ラブノウズノーバウンダリーズ』に改名する。」


「2に、俺は、世界皇帝を辞める!!」


「3に、獅子丸を世界皇帝に任命する!」









次回まで、どうぞよしなに!

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