1.「彼の名は、我王獅子丸」
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誠に、ありがとうございます。
この作品を読む前に、私の処女作「SKK 好きが加速するこの世界で」を読んで頂けると、更にお楽しみ頂けるかもしれません。
この作品は、私が地下鉄に乗っていた際に、乗る電車を間違え、異世界だと勘違いした・・・という、実体験から、思いついた作品です。今思うと、笑ってしまうようなエピソードですが、おかげで、小説のアイデアとなりましたので、自分としては大変喜ばしいと思っております。
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失礼。それは、あなたの意志でしたね。私が指図することではありませんでした。大変申し訳ございませんorz
最後に一つだけ、読むか読まないかは
あなた次第です!!
どうぞご覧ください。
僕は、ある日、地下鉄に乗っていた。疲れていたので、眠ってしまった。地下鉄には誰もいなかった。目を覚ました。気が付くと、終点だった。いつも、降りる駅なのだが、見慣れない景色だった。
「あれ?ここどこ?」
訳が分からなかったので、僕は駅名を見てみた。駅名にはこう書かれていた。
『ラブノウズ』
「え?なにこれ?映画の撮影でもしてるのかな。どう考えてもおかしいよね。愛は知っている?どこ?ラブノウズって、スマホで調べてみようかな。」
彼は、スマホを、取り出すと、ラブノウズと打ち込んだ。至極当然の結果ではあったが、そんな国、地名、駅はなく、それどころか、スマホは圏外だった。
僕の記憶が正しければ、確か、ここは源駅だったはず、一体どういうことなんだろう。立ち止まっていても、仕方がないので、僕は出口へと向かった。彼は唖然とした。
「え?えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ本当に何これ?何これ?何これ?、大掛かりなドッキリとかではないよね?理解できないんだけど。」
僕は、理解に苦しんだが、一つの推測を立てた。もしかしてだけど、異世界に来ちゃた?
小説やラノベではよくある話だけど、現実に起こり得るなんて、僕は夢でも見てるのかな?
試しに頬をつねってみたが、やっぱり痛い。本当に訳が分からなかったが、誰かに尋ねたかった、ここはどこなのか。どうしたらいいのいか。ああ、猫の手も借りたいとは、今使うのだろうか。動物さえ見当たらないというのに何を言ってるんだ僕は、はぁ。周りを見渡せど、目に映るのは、草原だけ、草。って今使ううんじゃないの。ってさえ、思えてきたよ。まさに草。見たまんまの草だよこれ。あれちょっと待って、獣臭がする。この匂い。嗅いだことないな。後ろから漂ってくる。それに、足音がする。
コツコツ
なんの足音何だろうこれ。人?えっ、人いるの?聞かなきゃ、聞かなきゃ。ここはどこって・・・
「あの、すいません。ここってどこですか?え?え?え?え?え?」
「え?」
え、じゃないよ。全く。こっちは困り果ててるのに。
「いや、僕のセリフだから。ていうかさ、君さ、僕と同じ声の真似するの止めてもらっていい?混乱しちゃうよ。それにさ、その、ローブ取りなよ。あ、わかった。さては魔法使いでしょ。魔法で、声を真似してるんでしょ。凄いな異世界。魔法使いがいるなんてね。」
「なーに言ってんだ?俺だよ。俺。知らないのか?俺の事。それにな、そっちこそ、真似すんなよ。魔法使いはそっちだろ。ごまかすの体外にしとけって話だぜ。これでいいか?」
そう言うと、彼はローブを外した。
僕は驚愕した、目、鼻、口、全て、自分と同じ形だ。こんな、魔法があるなんて、異世界凄すぎる!
「ほら、やっぱり、魔法使いじゃん。僕の真似してるんだ。って、違う僕は、一般人。魔法使いじゃないよ。僕のそっくりさんとでも呼んでおくよ。速く魔法解いて、素顔見せなよ。」
「はっはっはっ、こいつはたまげたな。いやぁ~参っちまうぜ。予言が本当だとはな。」
「予言?何を言ってるんだそっくりさん。予言もできるの。凄いね。」
「おっと、俺の事、まだ、魔法使いだと思ってやがんな。どうやって、証明すっかな。あ、そうだ。名前言ってみろよ。」
「が」
「我王獅子丸だろ?はっはっはっ。」
彼は、僕を見て、にやけながら、僕の名前を言い当てた。どんなトリック?
彼は、僕とは違い陽気だったけれど、というか、なんで、僕の事を知ってるんだ?
「えっと、聞きたいことが山ほどあるんだけど、君は誰なの?僕は名乗ったよ。というか、当てられたけど。」
ん~。本当にトリックがわからないけど。この人の名前が気になる。やっぱり、異世界だから、外国人みたいな名前なのかな?
「我王獅子丸。それが、俺の名だ。わかったか。俺は、魔法使いじゃないからな。」
え、この人僕なの?別人じゃん。年齢は同じなのかな?
「年齢は?はt」
「20歳だ。」
彼は、食い気味に言った。
「理解したか?獅子丸。ややこしい。非常にややこしい。が、間違いないみたいだな。俺は獅子丸がここに来ることを知っていた。なぜかわかるか?」
わかなかったけど、僕は首を傾げながら、聞いてみた。
「え?なんで?」
「俺にはお前、失敬。お前と口にするのは、止めておこうか。俺にはな、獅子丸が必要なんだ。また、獅子丸にも俺が必要らしいな。はっはっはっ!」
彼は高笑いし、真剣だが、どこか余裕そうだった。僕が必要?何のために?
彼に聞いてみることにした。彼の事を。
「僕は大学生なんだけど、君も?」
「まあ、だと思うよな。だが、違うな。俺はこの国で、王を担っている。」
王?この年齢で?何者?というか、え?僕、いらないでしょ。
「理解したか?獅子丸に役割を果たしてもらいたい。できるかなぁ。まあ、できるだろうけどな。はっはっはっ!」
ええええええ、僕ただの大学生なんですけど、王様の自分となにするんですかああああああ。
「あの、先に言っておくね。僕、何もできないよ?ここの世界の事知らないし、君の事も知らないし、でも、僕は君なんだ。理解できないよ。というか・・・」
僕はあることに気がついた。彼は手に、四角い黒い箱を持っていた。ルーッビクキューブか何かなんだろうか。サイコロにしては、数字が書かれていない・・・。また、全体的に真っ黒だ。僕は、それが気になり、質問した。
「それ、なに?ただの黒い箱?やっぱりさ、魔法使えるんでしょ。うーん。怪しいね。僕。ああ、いや君。ちょっと待てよ。君っておかしいな。君は僕で、僕は君な訳だから、って、もう我王でいいよね。君が僕を獅子丸と呼ぶなら。」
「はっはっはっ。面白いな。獅子丸。これか、インフィニティキューブだ。この箱が突然喋った。獅子丸が来ることも、箱の名前もな、俺は、理解できないが、お前は持ってないのか?」
「インフィニティキューブ・・・?箱が喋るの?僕は持ってないけど、これなら持ってる。」
僕は、おもむろにスマホを取り出した。
「これはスマホ、喋ってくれるけど、予言まではしてくれないよ。」
「スマホっていうのか。何に使うんだ?」
どうやら、彼、ここで言うところのもう一人の僕こと我王はスマホを知らないらしい。
「電話とか、SNSとか、動画見たりだとか色々なことができるよ。」
「本当か?というよりだな、電話?SNS?動画ってなんだ?暗号か?」
「え?こっちにはないの?」
「チカテツ?何語だ?日本語でいいぜ。」
地下鉄も知らない。いや、ないのかな。ここの文明は僕らの世界よりも遅れているらしい。それよりさっきの箱。インフィニティキューブ?が気になった
「ごめん。なんでもない。その、箱は何に使うの?」
「獅志丸。いい質問だな。実は、俺もわからねえんだわ。はっはっはっ。」
いやいや、笑い事じゃないよ。持ち主がわからないってどうなってるの。ここの僕大丈夫かな。王なんだよね。一応。僕が考えに耽っていると、もう一人の僕、我王が口を挟んだ。
「獅志丸もわからねえか。うーんとそうだな。これ持ってみてくれねえか。何か起きたりしてな。」
我王は頭を掻きながら、僕にインフィニティキューブを片手で渡した。
「わかったよ。これ重くないよね。」
インフィニティキューブは、漆黒だったので、見た目からも重たそうだった。
獅志丸は、我王が衣の上からでもわかるほどの筋骨隆々な男だったからだ。獅志丸は受け取ると、その光沢に目を奪われたが、思っていた以上に軽かった。
「『木製』なのかな?でも黒いよね。」
その瞬間だった。その箱、インフィニティキューブが青く光り輝き、黒い立方体から、木製の箱へと変化した。
「えっ?」
二人とも開いた口が塞がらなかった。我王が即座に理解し、微笑んだ。
「そういうことか。言ったら変化するのか?なあ、俺に渡してくれ。」
獅志丸は、慌てふためきながらも我王にすぐさま渡した。受け取った我王は、満面の笑みを浮かべた。
「『スマホ』これでどうだ!」
その途端、インフィニティキューブはスマホへと変化した。我王の思惑通りだった。この立方体は、声に反応し物体に変化するらしい。
「はっはっはっ。獅志丸、スマホは2つあると何ができるんだ?」
「あっ、電話ができるよ。」
「電話ってのは何だ?SNSや動画とはどう違う?」
「違うよ。電話っていうのは離れてても会話できることで、SNSと動画は似てる。使えないかもしれないけど。」
我王は口角が上がった。
「本当か!どれだけ離れてても会話できるのか。たまげたな。高度に発達した科学は魔法と見分けがつかない。とは言うが、獅志丸の世界は相当発達してるらしいな。」
「僕もここの事はわからないけど、そうみたいだね。」
「にしてもこれ、どんな仕組みなんだ。ただの縦長の箱だろ?これで電話だったか?できるとは思えねえけどな。」
我王は疑い深いのか、スマホになったインフィニティキューブを凝視していた。
「それに使い方がさっぱり分からねえ。この凹凸はなんだ。」
獅志丸が答える。
「あぁ、それは電源ボタンだよ。そこを押すと、えっと、起動する。」
試しに我王が電源ボタンを押してみたが、何も映らない。
と、思われたが、なぜか、電源が入った。
「おおっ。これ時計の代わりにもなるのか便利すぎるだろ。電話はどうやってやんだ?」
「えっと、多分これを押すとできるのかな?僕も特別詳しいわけじゃないからわからないけど。」
「これか。あれ、できねえな。なんでだ?」
スマホは繋がらない。
「あっ、ネットがないからかもしれない。」
「ん?網のことか?いや、違うよな。何だそれ。必要なのか?」
「インターネット。僕の世界にはあるんだ。インターネットがないと使えないかもしれない。どうしよう。」
「待てよ。『インターネット不使用スマホ』これで、調べられるな。」
「はい。」
え、誰の声?僕の声じゃない。まあ、いいか。
「え?できるの?」
インフィニティキューブの見た目に変化は起きなかった。
「やってみるか。これ、だったよな?」
我王は、電源ボタンを押した。
「そう。それ。あ、番号はこれだよ。」
獅子丸は、自分のスマホの画面を我王へ向け、自分の電話番号を、我王に見せた。
「数字か。なるほど。これで判別するのか。」
この世界にも数字はあるんだ。ふとしたことが気になる獅子丸であった。
「番号は6621これだよ。」
「すげえな。触るだけで、認識されるのか。たまげたな。これ、城に持って帰るぞ。今はそうだな・・・。『インフィニティキューブ』」
スマホは形を変え、元の黒い立方体へと変化した。
獅子丸がここの事が気になり問う。
「そういえばさ、ずっと気になってたんだけど、ここ、どこ?何ていう名前の場所なの?」
「ここか?ラブノウズ。ここが俺の国だ。」
彼らは、その場所を後にし、城へと向かった。
読んで頂きありがとうございました!
お疲れさまです。目を15秒閉じてみてください。疲れがとれるかもしれません。
ちなみに、私は西尾維新先生を大変尊敬しておりまして、獅子丸の電話番号は数字言語になっています。
数字言語が気になる方は、調べてみると面白いかもしれません。
意味は「我王」です。次回まで、どうぞよしなに。