表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

世界が滅びるまであと10日!?

QUEST START !!

世界が滅びるまであと僅か10日!

唐突に世界中のテレビに浮かんだその文字に

多くは冗談か、ハッカーの仕業だろうと笑い飛ばしていた。

しかし、大都市に突然塔が降ってくると話は一変、

上を下への大騒ぎ!

中に入ると松明や剣、盾が貰えて準備要らず!

更には危機を救えば褒賞金も出ると有れば大盛況!

しかし、銀行の騒動はそれ以上だったりするが。

さてさて、ここでこの塔、通称にして『ダンジョン』!

挑戦する男が1人。

「よし!家のローンが楽になるぞ~!」

攻略する気満々な男の名は広岡(ひろおか)政志(まさし)

ごく平凡なサラリーマン。

スーツに皮のチョッキ、そして片手剣とランタン・・・

どこかちぐはぐな男の冒険が始まる!


ぜぇ・・ぜぇ・・

彼のバテた息が響く。

既に3階まで来ているが、体育館くらいは有ろうか。

広すぎる迷路で疲れていた。

「扉か、えっと、『迷路クリアおめでとう?』

よっし、迷路終わりだな。」

広がる溶岩エリアでは服が溶けないよう静かに石の地面を通り、

その次の吹雪エリアでは雪に足を埋もれさせる。

スーツも想定していない耐久性が証明されながら、

心なしかつやつやと輝いているようにも見える。

いよいよすべてを乗り越えた後にして彼は、

「よし、ボスかー、昔遊んだカセットを思い出すね。

俺は憧れた勇者になれなかったけど、今になってこんな事を

やってるなんて、不思議だなぁ。」

ひときわ大きな扉の前で、心を落ち着かせていた。


ゴゴゴ、と重そうな音がして扉が開き、

「げっ、俺ただのサラリーマンだぞぉ?」

ゲームでも良く見るドラゴンがのしのしと歩き来る。

彼はさっさと逃げ、ようとして閉まった扉に肩を落とす。

「お約束、かぁ。」

恨めしそうな一言をこぼすと、

ドラゴンの後ろ、青い球体に目をやる。

「お約束ってことは、多分あれもそうなんだろうな。」

手の内にある片手剣に目線をやると、ドラゴンと距離を取り、

にじりよるように回り込んでいく。

ついに到達した彼が球体に剣を振り下ろすと、

パカッと二つに割れ、

『おめでとう!世界が滅びるまであと1時間、

ギリギリだったね! Bランク!』

と書かれた紙、王冠のような物を残して消えてしまう。

ドラゴンが拍手にハッとして扉を見ると、

あれだけ閉まっていたと言うのにあっさりと開いてしまう。

その外には吹雪ではなく、

報道陣の待ち構える入り口があった。


後に彼はこう述べたという。

「ドラゴンに勝てるわけがないでしょう?」

世界の危機は突然やって来て、

あっさりと消えていった。

こんな締まらない英雄譚もあるんだよ、と、

どこかでつやつやのスーツを着た男性が自慢していたとさ。



おしまい

世界の危機は去った!


スーツの冒険者が活躍する冒険は

これにておしまい!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ