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拙い文で恥ずかしいですが。書いた文達伝わってくれ。2デス。
時は夕暮れ、オレンジ色の光が山に収まり始め、至る所に影を作りだす。
ドスドスと音を立てながら歩く巨大なシルエットが2人の元に近づいてきた。
やって来たのは背丈が2mはあるだろうか、顔は狼、全身は灰色の体毛に覆われた人型の獣人がやってきた。
「よぉカイト!ハム!もう夕飯の時間だろ。早く帰らないとハムのおばさんに怒られるぞ。」
「なんだダルおじさんか。いつ見てもデカイな。ビックリするよ。」
カイトは言った言葉の割に特に表情を変えず淡々と返答したが、ダルは何故か満足そうな顔に変わり足早にその場を去った。
しかし、ハームラキムは足早に去った獣人に不満があるのか、去っていく背中に声をぶつける。
「ハムって言うな!」
「ありがとう、ラムおばさん。頂きます。」
場所は変わりハームラキムの住む家。そこで2人は食事を摂っていた。
「どうぞ召し上がれ。そだ、カイト、ハム。明日このオンブラ村でやる煌迎祭にはちゃんと出るのよね?」
「うん、出るよ。お母さん。なんで?」
「アンタ達今年16歳でしょ。確認しておかないと忘れそうだからよ」
煌迎祭とはこの世界になってから行われるようになった祭事で、その年16歳を迎える全ての物達に天から光が降り注ぎ、チカラが発現した者達を祝う祭である。
「ラムおばさんはどんなチカラを持ってるんだっけ」
中にはチカラが発現しない物もいるらしい。それに16歳を迎えていない物にも降り注ぐ事もあるらしく、光の謎は未だに解けていない。確定しているのは、16歳になる人にだけ光が降り注ぐ事と光を浴びた物の姿形が変わる事だけだ。
「私はね指から火が出せるの。人差し指限定だけどね」
ラムはニッコリと笑い、ボワッと人差し指から赤い火を出して見せた。火の大きさは自身の1番大きな爪の面積に左右され、大きい人程大きな火を出せる。火の形もその爪の大きさの範囲内なら自由に変えることが出来る。一箇所でも爪を伸ばしてる人がいたら、その人は何かしらのチカラを持っていると思っていいだろう。
なぜ、ここまで分かっているかというと、チカラが他の物と同じ事があるからだ。人によっては小指限定で火を出せる人もいるが能力の内容の差は無い。
「ラムおばさん、ご馳走様。」
明日に煌迎祭を控えたカイトは1人寝室に向かいベッドに入った。内心凄くドキドキしているのを感じながら瞼を閉じた。
「ねぇ、ハム。カイトは最近どう?」
「いつもと同じね」
カイトが寝室に向かった後、寝静まった雰囲気を感じたハームラキムとラムは2人で喋っていた。
「昔から感情の起伏があまり無いのよね」
ラムは手元にあるカップを見つめながらポツリと言った。
「確かガイ師匠に連れられてこの村に来たんだっけ?」
「そうね。5歳の頃にガイさんに連れられてこのオンブラ村に来たのを覚えているわ」
あの頃は何か喋ろうとする度にガイさんのズボンを引っ張って耳元に口を寄せてガイさんに言いたい事を喋らせてたっけと笑いながら話すラム。
「確か、どんな表情をして喋れば良いか分からないからガイ師匠に喋らせてたんだよね」
2人はカイトとの思い出話を眠くなるまで喋った。
次の日、カイトは日課になっている修行をするため身支度を整えてガイ師匠の元へと向かった。
「いつ迎えても気持ちいいな。オンブラの朝は」
このオンブラ村付近は気候が安定していて雨が降る事が少ない。オンブラ村には井戸があるため水には困らずに暮らしている。ちなみに水を掌から出せるチカラを持つ者もいる。出せる水の量は自身の体重と同じで制限があり、水の勢いは自由に変えられる。
カイトはガイの住む家の前まで来ると扉をノックした。
「ガイ師匠おはようございます。日課の修行をお願いします。」
その言葉を言ってから数秒、カイトは中から未だ物音も聞こえない扉の前から静かに5歩後ろへ下がった。
すると次の瞬間、勢いよく扉が開き、茶髪を後ろで縛った色黒な男が出てきた。
「おはよう!カイト!今日も良い天気だねー。修行にする?ご飯にする?それともコ・ロ・シ・ア・イ?」
片目を閉じ親指を立てると、修行する場所、
家の中、自分を指して物騒な事を言う男。この男がガイである。
「ガイ師匠、冗談はさておき早く修行をつけてください」
ガイは呆れた顔して頭を掻きながら言った。
「連れねーなカイトよ。そんなんじゃ彼女出来ねーぞ。童貞のまま死ぬぞー賢者になるぞー」
「ガイ師匠。童貞を守れば賢者になれるとは本当ですか?なれるなら一生童貞でも構いません」
真面目な顔をして言うカイトを見て困ったガイは話を変えた。
「そういえば昨日、俺ん所来なかったな。煌迎祭を前に話しておきたい事があったのによ」
「ガイ師匠。その件については大変申し訳なく思っています。なんだか昨日は胸の内がドキドキしていて落ち着かせようと読書部屋で本を読んでいたのですが、集中しすぎて行きそびれてしまったようです」
ガイは落ち込むような仕草を見せたカイトを見て嬉しくなったのかカイトの頭に手を乗せて言った。
「喜怒哀楽全てがお前の強さになる。感情を殺すな。自分の思った人生を歩め」
不意に頭に手を置かれ嬉しそうな顔をしたガイを見てカイトは何か言おうと思ったが、どんな顔をして何を言えば良いのか分からず、黙って言葉を受け止めた。
その後日課になっている修行を受けた。
「ちげー!拳での突きは当たる瞬間まで力を抜け!突きの速さを失う!インパクトする瞬間に力を入れろ!」
日課をこれまでやってきて進歩がない自分をカイトは不安になった。
「カイト!そろそろ上がろう!煌迎祭始まっちまう!」
煌迎祭は場所や環境によってやり方は様々でオンブラ村の場合は昼間から火を焚き、その周りで飲み食いをしながら光を待つのが伝統だった。ガイは昼間から酒が飲めるのが楽しみなのかカイトが目を離した隙に行く準備を整えていた。
「ガイ師匠。先に行ってください。それと汗を流したいので師匠の家の湯浴み場所をお借りしたいのですが」
「良いよ!勝手に使ってくれ!戸締りはしっかりしてこいよ!じゃあ、お先!」
「修行ありがとうございました」
そそくさと向かう背中を見送りカイトは汗を流しに行った。
汗を流し終えたカイトはガイの住む家の中を歩いていた。するとテーブルの上に酒が入った容器と一枚の古い手紙が置かれていた。カイトは手紙が気になり立ったまま手紙に目を通してみた。
「ところどころ文字が滲んでて読めないな」
``◯◯◯へ
この手紙を読んでいると言うことは、私に何かあったか死んでるということでしょうね。
正直、別れる事を前提に書くのは嫌だったけれど書かないと怒られるから。
私から離れても凄く◯◯◯◯用心棒を頼んでおいたから命の危険は無いと思うわ。私の事は信じなくても良い◯◯◯◯の事は信じて。あなたの◯◯場所を作ってあげられなかったのが悔しくて、もどかしくて◯れてしまいそうだけ◯◯◯◯くるね。きっと◯◯◯◯◯と信じてます。
``◯◯より
カイトは手紙を元あった場所に戻し暫く考えていた。自分の事なのか、他人か、それともガイ師匠の事なのか。
「まさかガイ師匠が俺宛に書いたとか。後で聞いてみるか」
カイトは足早にガイの家から出て煌迎祭が行われる場所へと走っていった。
いつ投稿するか分からないと言いつつ次の日に投稿するとは。いや次はホントいつ投稿するかわかりません!ホントです!フリじゃないです!