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初投稿です。人に見せる程の文章力や発想力もありませんが、形にしてみたくて始めてみました。
その日、世界は変わった。突然降り注いだ光の粒が世界中の動植物達を包みこんだ。
その日、世界は湧いた。包んでいる光が収まると「チカラ」が手に入ったからだ。
その日、世界は泣いた。手に入れた「チカラ」を使い、その物達は見せつける様に争った。
その日…
あの日から1000年の月日が流れた。文明は進歩し様々な種族の者達で世界は溢れていた。
「1番多い種族は人族、その次に魔族…か」
今年16歳になる少年は分厚い本を片手に何かを考え込むように椅子に座っていた。
「カイト何してるの?もう帰らないとガイ師匠に怒られちゃうよ」
「なぁハムなんで世界には人以外の生き物が存在するんだろうな」
「藪から棒に何よ、そんなの必要だったからに決まってるじゃないの。てかハムって呼び方やめてよね!肉の塊みたいじゃない!私にはハームラキムって言う名前がちゃんとあるんだから!」
カイトと同じ年頃に見える少女は呆れ顔で腕を組み慣れた返しをした。
「呼びづらいから無理。つかハム、そしたらチカラって何のためにあるんだろ」
ハームラキムは組んでいた腕を解き右手を顎に添え、呻き声をあげながら考えた後に答えた。
「必要だからよ」
カイト達が住んでいるのは人口が100人にも満たない小さな農村で穀物や家畜を育てて暮らしている。この村は人と人との横の関係が深く、子供や大人、そして力仕事などに適した獣人族に協力してもらうことで暮らしが成り立っている。
大きい町などでは税を納める決まり事がある所もあったりするが、この村にはそういったものは無い。
ただ1つ、その決まり事を守れば暮らしていける。
「さて、そろそろ帰るか」
カイトは読んでいた本を読む閉じ、何食わぬ顔で椅子から立ち上がると小さな読書部屋から出て行こうとする。
「ちょっと待ちなさいよ!何スッキリした顔で帰ろうとしてるのよ!人が呼びに来て帰らないクセに!本当マイペースなんだから!」
「ハムよ、毎日そんなに怒って眉間に皺寄せてると眉毛繋がるぞ」
相手が本当はそこまで怒ってないのを知ってか知らずか余計な一言を言ってしまう。
「アンタのせいよ!そうなったら責任とりなさいよね!」
「はいはい」
部屋から出ていく2人は一緒に過ごしてきた時間の長さを思わせる会話を続けながら読書部屋の扉を閉めた。
仄かに漂う夕食の香りを嗅ぎ口内に溜まっている唾液を飲み込む。
「今晩のごはん何だろうハム」
「確か燻製にしたハムと根菜の炒め物となんかのスープだったわね。って何言わせてんのよ!分かってて聞いたでしょ絶対!カイトの鼻が利くの知ってるんだから!」
そんな並んで歩く2人の元にのそりのそりと近づくデカい影が1つ。
カイトがチカラを使う場面まで頑張りたいけど、次回の投稿の目処は立っていません笑