私の『あまり怖くない一行怪談』集(1/2更新)
ある喫茶店に置かれているブロンズ像は、プリンが注文された時のみ首を動かすと言う。
ある牧場へのアクセスは、電車やバスなど色々あるが、現地集合すると存在しないトンネルを通って一番最初に到着する者が必ず出てくる。
ある深夜に偶然横断歩道ですれ違った同階の住人は、バナナにリードを付けて散歩させていた。
ある教会カフェのトイレからは時おり、鹿威しの音がする。
一生懸命リポートしているアナウンサーは、そろそろ自分の背後で死闘を繰り広げている落ち武者達に気付くべきだ。
落武者がマスク作ってくれと褌を持ってきたが、死んでんだからウィルスに感染するはずないだろ。
回送のランプが着いているバスの一番後ろの座席で、幼女が手を振っている。
風邪が流行して、どのクラスでも何名か病欠になった者が出ているのに、教室はいつも以上に騒がしい。
家族でイースターをやってみたら、隠した卵の中身は全部普通のチョコレートのはずなのにトンカチで思い切り叩いても割れなかった。
癇癪を起こした娘の泣き喚く声が、隣で音漏れしているイヤホンから聞こえてくる。
気まぐれで非通知の電話をとって以来、家の中でアリスの人形を見かけるようになった。
子供がルンバに人形を乗せて遊んでいると思ったら、そいつクシャミした。
事故が多発する某峠は、ナースキャップを被った全裸のおっさんが出ると有名だ。
施設に入所と共に解体されて今は売地になっているが、祖父母の家の庭の池にはいつも季節外れの花が沈んでいた。
自宅の特定してきたストーカー(元カノ)が廊下の地縛霊とバトりだした。
所有者のハッキリしない田圃から『掘ってくれ』という声がするから掘ってみても何も出てこないので、応える者は居ない。
スピード違反で切符を切られている最中、首から上が猫のライダーが法定内速度で通りすぎて行った。
その親戚の家は平屋なのに、エレベーターが投降する時の音がする。
祖父母の家には影を舐めるお化けがいるので毎朝漆を塗って濃くしている。
大好きな桜が咲く春を迎えられずに黄泉へ渡った姪は、毎年桜が咲いて散るまで公園で遊んでいる。
鈍臭い私は今日も段差に躓いて「大丈夫?」と声をかけられる一人暮らし生活。
父が完成途中で挫折したボトルシップを完成させた弟は、たまに乗船している。
とあるハンバーガーショップには時折、回らない方の寿司職人の幽霊が紛れているらしい。
とあるホテルで働く従業員の影は、いつも片手だけ床や地面を抑えつける仕草をとっている。
とある学校の校庭では、深夜に全身真っ赤な少年と全身真っ青な少女が踊っているそうだ。
とある学校でマラソン大会を開くと、必ず二宮金次郎像が一位になるそうだ。
トイレから帰ると、三歳の息子が冷蔵庫から伸びた手からプリンを受け取っていた。
猫カフェに来たはずなのに、どうして私にはアメフラシに目玉がたくさんついたような生物しか近寄ってこないのだろう。
ニット帽と箪笥がデキ婚した結果、第一子は唐物のお茶碗だったらしい。
「ばーさんちの畑にドジョウ掬い踊るおっさんが出たら、その時育ててる作物の一つが豊作になるんだ」
初めて行った吊り橋には、中学時代の答案用紙が貼ってあった。
罵倒する霊が出ると噂の宿泊施設へ泊まったがひたすら「ユルシテ」と請われ続けて夜が明けたとマゾ嗜好の後輩は落ち込んでいた。
避難訓練のアナウンスが放送されると、オブジェが我先に逃げ出した。
部下が持ってきた書類、数えると一人分多い。
某アパートの住人は夕方に窓から子供用のオムツが空を飛ぶのを目撃しているが、頭がおかしいと思われたくないのでみんな黙っている。
本当に達筆な人の書いた字からは笑い声がするのは常識だとずっと思っていた。
毎週金曜日、全ての女子トイレから「抱いてくれー」という野太い絶叫が聞こえてくる。
毎日弁当を作ってくれていた母親は十年以上前に死んでいた事を、今朝のニュースで知った。
ミンミン煩いなあと顔を上げれば、電柱にしがみついたおっさんが泣き喚いていた。
夕陽に背を向けて某地の土手を歩けば、頭部に小動物が乗っているようなシルエットが現れるという。
雪が融けきるまで、庭では祖父母の痴話喧嘩が続く。
夜中に駐車場から変な音がするのでこっそり様子を窺うと……二本のラケットがバドミントンで遊んでいた。
「四階の自習室っていつも話し声がするのに誰もいないね」と生徒達は皆口を揃えるが、扉に板が打ち付けられているのにどうやって部屋の中を確認しているのだろうか。
ラーメンを作っていると「でまえいっちょー」とふざける来年で五回忌の祖父の声ラ王なのに。