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第6話 Sクラス

 俺は何とか振り分け試験を終え、冒険者学校マギアの校門の前に来ていた。校門の前には俺と同じ冒険者学校入学者がどんどん集まってきていた。振り分け試験が終わり次第、校門前に集まるように指示があったのでここにいるのは全員、冒険者学校入学者ということになる。


「こうしてみると、入学者結構いるな」


今年の入学者は150人、それなりに多人数である。この150人の中には人間以外の種族もちらほら見受けられた。見たところ、人間が7割、他種族が3割といったところだろうか。獣人、エルフ、ドワーフなど結構いる。各々知り合い同士何か話をしている。俺は隠密の魔法が得意なので他の奴がどんな話をしているのかを聴覚拡張で聞いてみることにした。話している内容としては、皆、先ほどの振り分け試験のことを話している奴が多い。話を聞いているとわかったが、試験内容は適正魔法の関係で多少は異なる部分もあるが試験内容は大方同じっぽい。そんな中、サレンの話題をしている奴の話が入ってきた。その内容が・・・。


「なんか、銀色の髪の美少女が試験官を一撃でぶっ飛ばしたらしいよ」


「流石に嘘でしょ!だって試験官は冒険者として一流の人たちがやってるんだよ!」


やってんな~、サレンのやつ。試験官一撃ってマジかあいつ。俺は結構苦戦して戦てたっていうのに。これが才能の差というものだろう。仕方がないとしか言いようがない。天賦の才能とはよくいったものだ。だが、これだけ才能にあふれ最強と言っていい人物であるサレンは何者かに殺される。いったい誰なんだ・・・。サレンを殺そうとするほどの実力を持っている。俺は改めて覚悟を決めるのだった。その後も盗み聞きをしていたのだが・・・。


「盗み聞きは良くないのう」


「!?」


突如、俺の耳に聞こえてきた女の人の声。俺は焦った。誰だ!俺の周りには特に俺の聴覚拡張に気付いている様子はない。俺の聴覚拡張に気付いているのか!?俺はこの場にいる不特定多数の人物の声を聞いているため俺が誰の会話を聞いているかはわからない。


「レイン!」


俺は後ろから肩を叩かれそれに驚いてしまった。


「あ、あぁサレンか・・・」


「どうしたの?そんなに驚いて?」


「ごめん、ごめん、何でもない」


「振り分け試験の結果貼ってあるらしいから見に行こうよ!」


「そうだね。行こうか」


俺はサレンと一緒に振り分け試験の結果を見に行くのだった。


「さっきの声は・・・誰だったんだ・・・」俺の疑問は解けないままサレンに手を引っ張られ振り分け試験の結果を見に行くのだった。


掲示板を見に行くと多くの学生がいてごちゃごちゃしている。


「流石に混んでるな」


「そうだね」


この混み具合では何もできない。ひとまず人数が少なくなるまで待つとしよう。そう思っていたのだが・・・。


「レイン君!」


俺は名前を呼ばれ振り向くとそこには俺の振り分け試験の試験官だったガイさんが手を振っていた。


「さっきぶりだね。レイン君」


「どうも」


「毎年混むんだよね振り分け試験の結果発表は。でもレイン君、それにサレンさん、君たちはSクラスだ」


「ホントですか!」


「ああ、本当だ。俺が担任だからな!あはは!」


ガイさん、いや、ガイ先生の言っていることは本当のようだ。嘘をつく理由はないしな。でもどうしてサレンのことも知ってるんだ?まあ、Sクラスの担任と言っているのだから名簿くらい持ってるか。


「あの、どうして私のことも知ってるんですか?」


サレンはあったこともない人に名前を知られていたからか疑問に思ったようだ。


「サレンさんのことは嫌でも耳に入ってきたからね。まさか我々試験官の一人が一撃でやられるなんて今までなかったからねー。アハハ!」


そりゃそうだよね。サレン、一撃で試験官ぶっ飛ばしたんだもんね・・・。


「ごめんなさい!」


サレンは大きな声で謝罪し頭を下げている。


「大丈夫、大丈夫だから!頭を上げて」


ガイ先生も申し訳ないようにしている。


「まあ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。さあ、Sクラスの教室に行こう。ついてきて!」


今、何て言った!?試験官をぶっ飛ばしたのはサレンだけじゃない!ということは、サレンと同等もしくはサレン以上の人物がもう一人いる。


()()()()・・・」


 俺とサレンはガイ先生に連れられSクラスの教室に向かう。教室に入ると既にクラスには生徒がいて俺たちを含めて15人。俺たちが来たのが最後だったようだ。俺は後ろ側の空いている席につきクラスを見渡す。俺とサレン以外の13人は今後のストーリーに絡んでくる人物ばかり。だが、その13人の中に知らない顔の人物が一人。長い赤い髪、キリっとした目、凛とした顔立ちの女の子。


「あいつが()()()()()勇者(主人公)か・・・」


この13人は今後のストーリーに関わってくる重要人物ばかり。だからこそどんな人物なのかは知っている。でも、その中で赤髪の女の子は見たことがない。つまり、彼女が主人公、勇者と結論付けることができる。この世界に転生して、いづれは主人公に出会うことは分かっていた。でも、ゲームでは主人公は男の子か女の子かを選択しキャラメイキングをすることができていたためこの世界に転生した際に主人公がどんな顔で、男なのか女なのかも分かっていなかった。Sクラスの教室にきてこの世界の主人公は女の主人公ということが分かった。いろいろと考えているとガイ先生が教卓から挨拶をする。


「よし!全員集まったということで、ようこそ!冒険者学校マギアSクラスへ。君たちは入学生の中でも選ばれし能力を持っている。これから精一杯自らの力を高めていってほしい!」


「私はSクラス担任のガイ・ロッツだ!よろしく頼む。さて、本題に入るが・・・」


ガイ先生が今後の学校生活についていろいろと説明してくれている。


「さて・・・ここからが本番だ!」

俺は改めて気合を入れるのだった。

よろしくお願いします。

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