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第55話 虚言の最強と本当の最強

よろしくお願いします!

 ゼインと神の戦いは、まるで嵐のようだった。神の繰り出す一撃一撃が大地を揺るがし、周囲の空間が歪む。ゼインはその全てを受け流し、必死に反撃の機会を伺っていた。神の圧倒的な力に対抗するため、ゼインは全身全霊で戦い続けるが、その身体は徐々に限界に近づいていた。ゼインは魔装展開を起動し、全身を包む灼熱の装甲が出現した。これにより、彼の防御力が飛躍的に向上し、同時に身体能力も強化される。魔装の中でも特に目を引くのは、彼の背中に広がる黒い翼と、右腕に装着された巨大な剣の形状の装甲だ。この剣は、魔力を集中させることで、あらゆるものを切り裂く能力を持っている。


ゼインはその力を駆使し、神の放つ光の刃を次々と打ち払った。彼の動きはまるで疾風のように速く、神もその速さに一瞬驚いたようだ。ゼインは翼を広げ、一瞬で神との距離を詰める。彼の剣は、ただの物理的な武器ではなく、強力な魔力の斬撃を放つことができる。その斬撃は、神の光の盾さえも容易に貫通し、神を攻撃する。


「これが、僕の全力だ!」


ゼインの叫び声と共に、彼は剣に全ての魔力を注ぎ込む。その一撃はまさに神の領域に踏み込むものであり、周囲の空間を歪ませるほどの威力を持っていた。神はその一撃を防ぐために全力を尽くすが、ゼインの攻撃は彼の期待を超えるものであった。


「いいね〜いいね〜ゼイン。こういう戦いを僕は望んでいたんだよ〜」


「これだけの戦いを見せてくれるんだったら、お膳立てはいらなかったかな〜」


「何を言っている?・・・」


「今、マナティス魔法騎士団の他の連中は仲間同士で殺し合っているよ」


神は嘲笑を浮かべながら言葉を投げかける。その言葉にゼインの心は揺れるが、彼はすぐに冷静さを取り戻した。


「そんな嘘には乗らない」


ゼインは毅然と答えた。彼の周囲に立ち込める魔力のオーラが一瞬だけ強く輝く。仲間たちを信じる心、それが彼の原動力だった。だが、ゼインの力もやっと神と渡り合えているだけで、決定打に欠けていた。このまま戦いが長引けば自身が負けることをゼイン自身はわかっていた。


 その頃、シルヴィアとゼノアはゼインの元へと急いでいた。しかし、目の前には神が作り出した結界が立ちはだかっていた。結界は巨大で、まるで鋼鉄の壁のように頑丈だった。


「どうすれば・・・」


シルヴィアが焦りの表情を浮かべる中、ゼノアは静かに口を開いた。


「副団長、実はね私は龍族なんだ。マナティス魔法騎士団に入ったのは龍王の命令で、ある二つの任務を果たすためなんだ」


その言葉にシルヴィアは驚きの表情を浮かべたが、ゼノアの真剣な眼差しを見て、静かに続きを促した。


「その任務って・・・?」


ゼノアは深呼吸をし、目を閉じた。


「一つは、神の一人が団長を狙っている可能性があるから、それを確認するため。団長は人間にとって重要な戦力であり、神が気まぐれで彼を殺せば、種族間のバランスが崩れてしまう」


「そしてもう一つは、神が異界から連れてきた転生者を探し出すこと。転生者は規格外な力を持つとされているけど、誰がそれなのかは分かっていない」


その言葉にシルヴィアは息を呑んだ。


「それじゃあ、ゼノア、お前がマナティスにいるのは・・・」


「そう、私はこの世界の均衡を保つためにここにいる。そして、今この結界を破らなければ団長は・・・」


ゼノアは決意を込めて言葉を切ると、深呼吸をし、集中した。次の瞬間、彼女の体は急速に変化を始めた。彼女の肌は鱗に覆われ、瞳は黄金色に輝いた。背中からは巨大な龍の翼が生え、その翼が一度はためくと、周囲の空気が揺らいだ。彼女の姿は完全な龍人へと変わっていた。その姿は威厳に満ち、恐ろしさと美しさを併せ持っていた。


「副団長!ちょっと離れててください!いきます!」


ゼノアの声が龍人の姿でも凛と響く。その瞬間、彼女の体から放たれる青白い光が結界にぶつかり、轟音と共に結界が崩れ始めた。その光景にシルヴィアは息を呑んだ。ゼノアの正体、そして彼女の力は想像以上だった。


一方、ゼインは神との戦いで限界に達していた。彼の呼吸は荒く、足元がふらつく。しかし、彼の眼差しは決して諦めていなかった。神がさらに攻撃を加えようとしたその瞬間、ゼインは静かに口を開いた。


「もう限界みたいだね〜ゼイン、終わりにしようか」


「あはは・・・」


「なぜ笑っている・・・」


「いや・・・ごめんね。神。僕は嘘をついていてね。最後にネタバラシしようかなって」


「僕はマナティス最強なんかじゃない・・・最強は・・・シルヴィア(彼女)だ・・・」


ゼインは最後の言葉を言い残し、その場に倒れた。


 ゼインの脳裏に、シルヴィアとの最初の出会いが蘇る。彼がまだ新人騎士だった頃、シルヴィアはすでに騎士団のエリートとして名を馳せていた。彼女の戦闘技術と魔力制御のスキルは群を抜いており、ゼインはその実力に圧倒されるばかりだった。


ある日、彼が訓練場で苦戦していると、シルヴィアがふらりと現れた。彼女は特に何も言わず、ただゼインの訓練を見守っていた。その静かな視線が、ゼインにとっては何よりのプレッシャーだった。しかし、彼女の言葉が彼の心に残った。


「強さは、自分を信じることから始まる。どんなに強い敵でも、恐れずに立ち向かう心を持つことが本当の強さだと私は思っている」


その言葉は、ゼインの心に深く刻まれた。彼はその日以来、シルヴィアの教えを胸に刻み、騎士として成長を続けてきた。そして、いつしか彼は彼女と肩を並べて戦える存在となった。


そして、神の前に本当のマナティス最強が降り立った。シルヴィアは神に向かい全身全霊の魔力を込めて一撃を繰り出す。


「魔力全解放!この手に集え、星の力よ。全ての闇を焼き尽くし、真実の光を示せ。星炎の終焉、ここに顕現せよ!」


彼女の手の中に巨大な火球が出現する。その火球は単なる炎ではなく、星のように煌めくエネルギーを纏っている。シルヴィアはその火球を神に向けて放つ。星炎の終焉は、神を包み込むように拡大し、その内部で無数の星の爆発を引き起こす。


神は逃げ場を失い、全方向から襲いかかる膨大なエネルギーに晒される。星の爆発は非常に高温であり、どんな防御も貫通する威力を持つ。さらに、攻撃後には一定時間、周囲に神聖な炎のバリアが張られ、シルヴィアとゼインを保護する。


「ゼイン!」


シルヴィアはゼインに駆け寄り、彼を抱きしめた。シルヴィアの手の中で、ゼインの顔には安堵の表情が浮かんでいた。

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