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第53話 魔装展開

久々の更新です。

よろしくお願いします!

 この世界の大国の一つ、魔術の国マナティス。その国にはマナティス魔法騎士団という騎士団がある。魔法騎士団は国民の未来を守るため、どんな困難な状況でも国民を守るため日々訓練に明け暮れている。


 今年もまた、新団員を迎え新体制がスタートし半年が経とうとしていた。団員達は国の警備の仕事はもちろんのこと、魔族の調査等も行なっている。その新団員の中で吐出して将来有望な団員たちがいた。


ゲイル・カッシュ。

入団したての頃は、プライドが高く、自信過剰。周りの指示も聞かない問題児。それでも、これまでの戦いや訓練で、そのプライドは、良い方向へ向き始める。誰よりも訓練に励み、いつしかこの魔法騎士団の主砲としての役割を果たすようになっていた。その実力は、この国最強の姉さんのお墨付きでもある。


ニーア・グランシー。

僕ら同期の一人。誰にでも優しい聖母のような温かな雰囲気の女性。魔法騎士団では回復魔法での回復担当である。その優れた回復魔法は一瞬にして傷を塞ぎ、団員達に頼られる存在となっていた。ニーアは争いごとが嫌いだ。それでも、そんな彼女が、魔法騎士になった理由、それは自身に争うごとを止める力があるなら私が止める。その思いの基、入団を決意した。


そして・・・。

()()()()()()()()()

彼女は他の団員と一線を隠すほど実力が化け物じみていた。圧倒的な戦闘センスに加え、戦闘中の柔軟な身のこなし、他の追随を許さない圧倒的な魔力量、彼女に肩を馴れべているのはすでに団長、副団長しか存在していない。


 彼女は、不思議な雰囲気の女の子である常識的な部分が欠如していて、食器の使い方を知らず手で料理を食べようとしたり、人前で着替えようとしたりと、少しみんなとずれている部分がある。それでも、その人となりから団員達からの好意も多く、天然でマスコット的な一面も持っている。そんな彼女のお目付役もまた、ハル・ウォードである。


 「ハル!おはよう!」


「みんなおはよう。朝食できてるから食べてってね」


「ありがとう〜」


団員達は僕の作った朝食を食べている。ニーアは朝食を頬張りながら食べている。


「美味しい〜」


みんなが美味しいと食べてくれる。僕はそれだけで嬉しかった。


「あれ?ゼノアは?」


「どうせ寝坊だろ?いつものことだ。出番だぜ!お目付役のハル!」


「はあ・・・」


ゲイルは、僕をおちょくりながらいうのであった。まあ、起こしてくるか・・・。


僕はゼノアの部屋の前に行き、声をかける。


「ゼノア〜、朝だぞ〜起きろー」


全く音沙汰がない。完全にまだ夢の中である。女の子の部屋に入るのは最初は抵抗があったが、もうなんの抵抗も無くなった。僕は、ゼノアの部屋に上がりゼノアを起こす。体をゆすり起こすはずだったのだが・・・。


「ゼノア早く起き・・・ろ!」


僕は寝ぼけたゼノアに抱きつかれそのままベットに引き摺り込まれた。


「ゼノア!離せ!」


だめだ。僕の力じゃびくともしない。ゼノアが伊達に魔法騎士団No.3じゃないってことか・・・。苦しい・・・。ゼノアのその・・・たわわなものに挟まれ、苦しくなってきた。だが、突如としてその苦しさから解放されたのだ。


「何やってんだお前らーーーーーーー!」


そこには、顔を真っ赤にした姉さんが立っていた。

そして、その声でやっと起きたやつが一人。


「ん?おはよう。ハル。副団長?」


その後なんとか事情を説明して、許してもらえたのだった。




ある日、僕、ゲイル、ニーア、ゼノアの4人は非番だった。一度非番が重なった時がありそれがきっかけで、4人で非番は合わせて申請している。非番の日は4人で過ごしている。まあ、非番を合わせている理由としては・・・。


「今日もきたのか」


「毎回懲りもせずにね〜」


そこには姉さんと、団長の姿があった。


この場所は、マナティスにある森の中の旧訓練場。そこは元々魔法騎士団の訓練場だったのだが、魔法騎士団の規模も大きくなり、現在の場所に移転したのだ。旧訓練場は、姉さんと団長が訓練の場として使っている。その理由は、姉さんと団長が共に訓練すると、轟音と暴風が立ち込めてしまい、近隣施設へ大迷惑がかかるとのこと。僕は姉さんと団長へちょくちょくお昼ごはんを届けにいっていたのだが、それが、ゲイルやニーア、ゼノアに見つかり、非番の日は旧訓練場に来て、たわいのない話をする時もあれば、1対1で対戦したりしていたのだ。


 何かあってもすぐに基地へは帰還できる位置にあるので利用もしやすい。僕がこの場にいる理由としては単純にお昼ごはん要因であるけども。


「団長!一戦頼むぜ!」


「いいけど、ゲイル。君にはまだ無理かなー。僕に勝つのは」


「シルヴィア副団長!私も!お願いします!」


「いいだろう・・・こい!ゼノア!」


こうして今日もまた隠れ訓練が始まろうとしていた。


「僕はここにいて一体なんの意味があるのか・・・」


「意味はあるよ」


僕のニーアはベンチに座り、みんなの様子を見ている。


「ハルはさ。気づいていないかもしれないけど、毎日毎日朝ごはん作って、お昼ご飯作って、お夕飯作って、洗濯して、倉庫の整理とか、金銭面の計算とか、いろんなことしてくれているからみんなは訓練だったり、パトロール、魔族の調査に集中できている」


「それは、魔法騎士団のみんなが知っているし、みんな見てるよ」


「・・・」


「だからさ。いつもありがとう。ハル」


僕はニーアのその屈託のない笑顔に顔を赤らめ視線を落とす。僕は感謝されていると、その時初めて実感したのだった。


だが、その日常が、たった一瞬で壊されたのだ・・・。ある存在の唐突な出現によって・・・。


「やあやあ、楽しくやっているかい諸君!」


その時、この場にいた全員がその存在に目を釘付けになる。僕は背筋が凍り、全く動けない。これが恐怖なのか。なのもできない。足も手も何も動かない。


「ごめんね〜、お邪魔しちゃって」


()()()・・・なぜここに!」


「あれ?んー君は〜殺したはずなのになんでいるんだ?ゼノア〜」


「ゼノア!知っているのか!何者なんだ!」


「あいつは・・・あいつは!神!()()()()()()。この世界の神というなのクソ野郎だ!」


ゼノアはその神という存在に正面から突っ込む。だが、ゼノアの拳は、片手いや、人差し指一本で止められ、そのまま投げ飛ばされる。


「ぐはっ!」


「ゼノア!」


「少しは話聞いてよ。僕目的は君だ。ゼイン・マナティス。君にはここで死んでもらう」


「そんなことは絶対にさせない。だから私はこの場にいるんだから」


一体ゼノアは何を言っている?いつものゼノアと全く違う。


「みんなひとまず、こいつの目的は俺らしい。俺もただで殺されるわけにはいかないかな」


「いいねー。でも君以外の連中が邪魔だから、君たちにはこいつらに相手してもらおっかな。出ておいで〜」


次の瞬間、一人は、漆黒の翼を有した悪魔。もう一人は、漆黒に染まった龍だった。


それを見た瞬間、ゼノアの表情は、怒りへと変貌していた。


「さあ、行こうか。ゼイン・マナティス」


「あの2体は任せるよ。シルヴィア」


「わかった。まかせろ」


ゼインとシルヴィアはそれ以外は何も言わずに、手と手を合わせハイタッチする。それは絶対的信頼からくるものであり、互いに思っているのだろう。「「絶対に死ぬな!」」と。


神とゼイン団長はその場から姿を消す。


「ハル!走って今の状況を知らせに行け!ここは私たちで食い止める!」


「でも・・・、わかった」


僕は涙を堪え、ひたすらに走る。これは僕がこの場でできる最善。魔法が使えない僕はあの場では何もできない。何もできない不甲斐なさに心が押しつぶされそうだ。どうして僕は何もできないのか。


「クソが!ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


「さてと、お前ら準備はいいか」


「おうよ!」


「はい!」


「・・・」


「ゼノア!お前の事情は後でしっかり聞いてやる!だがな、この場で1番悔しいのは誰か考えろ!」


「・・・」


「ハル・・・」


「わかりました。私、やります!」


「よし!全員戦闘体制に入れ」


「「「「()()()()()()」」」」


魔装。それは、魔法騎士が身につける装置の一つ。戦闘時にその名の通り、魔法装甲を展開するための魔道具である。それぞれの魔法騎士が独自の魔法が収められた装置を持ち、これを身につけることで自らの魔法を駆使して戦闘能力を高めることが可能。


魔装は魔法の力を解き放ち、敵との戦闘時に防御力を高めるだけでなく攻撃や特殊な能力を持っている。


魔装展開の言葉と共に、シルヴィア、ゲイル、ニーア、ゼノアの持つブレスレットや指輪型の魔装展開装置が光り輝き、それぞれの術者へ魔装を展開する。


「行くぞ!お前ら!」


「「「はい!」」」

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