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第49話 二人のStoryTeller

 みんなに今のこの世界について伝えること、それが、僕の転生者としての役割。誰かが決めたわけじゃない。勝手に僕がそう思っただけのこと。だけど、自然と間違ったことはしていないと、思ってしまう。


ジーク・テイラーはなってやろうじゃないか。この世界の語り部(ストーリーテラー)に!


レイン・スティールに代わって。


「さてと・・・話そうか。全てを明かす時がきたみたいだね」


「聞いてほしい。この世界について・・・」


僕は、この場に集まっている皆の前に立ち、語り始める。僕とレインの暗躍の物語を・・・。


まずは、僕とレイン、アルバートの転生者の存在について。


「僕ら3人はこの世界とは別の世界からの転生者なんだ」


「転生者!?」


皆は僕の発言に動揺を隠せないでいる。だが、どこかで勘づいていた者のいたようで、冷静に聞いている者もいる。

これまで僕やレインと行動を共にしてきている者。サレン、アメリア、ハンナは冷静に聞いている。予想外だったのは、セリーヌだった。セリーヌはこのクラスの委員長だ。僕らの行動等はある程度把握していてもおかしくはないが、冷静に聞いている。どこかで勘づく出来事でもあったか・・・。


「転生者は、前世の記憶を残し、この世界に転生した」


「僕ら3人はこの世界によく似た世界をゲームという遊びを通して体験している」


「僕らは君たちの名前、容姿、これからどんな行動を起こし、どのタイミングで魔物が襲ってくるのかなどを知っている」


「なんだそれ!それならなんでそんな重要なことを言わねえ!」


ガジルから、根本的なことを突っ込まれてしまった。


「だけど、僕らにはそんな時間はなかった・・・」


「どういうことだ?」


「僕らの知る情報通りにことが進んでしまったら・・・()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()・・・」


「!?」


流石に、今の情報は、皆の動揺を隠しきれないでいる。それもそうだ、語っている僕でさえ、汗をかき、体全身が震えている。


「ハンナとサレンは、闘舞祭襲撃の際に命を落とすことを僕とレインは知っていた」


「僕とレインの目的はただ一つ」


「ハンナとサレンを守り抜くこと!」


その後は、ハンナとサレンを守るために僕とレインが何をおこなってきたのかを伝えた。そして、


「僕とレインは、僕らの知る物語を壊し、ハンナとサレンを守り抜いた。その結果、この世界は・・・」


「この世界は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ちゅうことやろ?ジーク・テイラー?」


一瞬にして、僕らのいた空間が真っ白な何もない空間に転移させられた!


「どこだここ!?」


「私知ってる。この場所。レインと一緒にこの空間に転移されたことがある!」


「アルバートとかいうやつと戦った時にこの場所に転移させられた!」


ということは、明らかに、魔族がらみってことか!


「お前ら!一塊になれ!いつでも魔法発動できるように体勢を整えろ!」


「いい判断やね〜。流石、リディアちゃんですわ〜」


僕は魔の前にいる存在を知っている。レインはこいつと出会したのか・・・。


「魔王ルシファー・・・」


「こいつが・・か・・・」


「まあまあ、落ち着いてーな」


「座れ!」


魔王ルシファーがたった数語の文字列に僕らは体が勝手に動き、その場に正座された。


「ジークちゃん。そんななんの結界も張らんで、ベラベラ喋られたら困るで!神どもが何するかわからん」


「ここは私の作った世界とは決裂した空間やから、ゆっくりしたらええ」


「ジークちゃん、ここからは、その役割私が引き継ぐわ!」


「さてと、ジークちゃんからある程度聞いたと思うけんど、私が君たちの倒すべき相手、魔王ルシファーってことでよろしゅう頼むわ」


「そんな心配せんでも大丈夫や。サレンちゃん。レインは元気に生きてるから。今はちょっくらおつかい頼んでるけど」


「ここからは、この世界の真実について語ろうか」


「これから話すことは、この世界の真実、このことはレインにも話してある」


そう言うと魔王ルシファーは語り始めた。


この世界の真実を・・・。


魔王ルシファーから語られたのは、この世界は、神の遊び場として作られた世界だと言うこと。そして、知性ある生物はこの世界の駒であることだった。


そして・・・。


「その駒の中に世界の方針を決定づける駒、それが()()()ってこと」


「君たちの行動次第でこの世界はどうにでも動く、現に、ジークちゃんとレインの行動によって、本来ならば死ぬはずだったハンナちゃん、サレンちゃんは生きてるってわけ」


「この世界は、勇者が魔王を倒さない限り、永遠に続く」


「そして、私は、勇者の死を何千回と見てきた」


「私には、その死を止めることはできない。私も駒の一つに過ぎない。神に与えられた役割に沿って動くことしかできん」


「ここからはジークちゃんに関連してくるんやけど・・・」


「神たちはこの世界を作ったは良いものの、肝心の勇者が魔王を倒すことなく死んでしまうため、退屈していた」


「神は勇者が死ぬたびに、新たな勇者を誕生させ、世界を見てきたけんど、いつになっても魔王まで辿り着く前に死んでしまう」


「そこで神は考えた、別の世界で、この世界に似た世界の体験をさせ、この世界に転生させれば、勇者は魔王まで辿り着けるんではないかってね」


「その体験ってのが・・・」


「「Chronicle・Line・・・」」


僕の他にサレンの口からクロニクル・ラインという単語が出てきたのである。


「レインが、アルバートに言ってた」


「お前も同類だろって、知っているかって、クロニクル・ラインを・・・」


「あの時は、なんのことかさっぱりわからなかった、けど、やっと全てが繋がった」


「続きを話そうかね。この世界に転生させた人間を勇者としてもやはり、魔王まで辿りつくことができず死んでしまう」


「神の作った世界で人間を、最後の魔王まで辿り着かせるのは、無理だと判断した神たちは思考を変えた」


「魔王まで辿りつかすのではなく、この世界に転生してきた者がどのように行動を起こすかを楽しむことにした」


「神たちは、転生してきた者が足掻き、苦しみ、もがく姿を楽しむようになった」


「そして、今に至る。転生者たち行動を楽しむ世界、それがこの世界ってわけ。わかった?」


僕ですら情報を整理するのに時間がかかっている。魔王が語ってることが真実なら、僕らが倒すべき相手は魔王ではない?


「そう、君たちの最後に倒すべき相手・・・それは・・・()だ!」


そう魔王が言った途端、真っ白な空間に亀裂が入り始めたのである。


「え!もうバレたん?はやすぎやろ!」


「私が語りたかったことは全部言ったから!あとは頼んだで!ジークちゃん!みんなを導いてやり!」


「そんじゃ!」


そうして、空間は崩壊し、僕たちは光に包まれ、いつの間にか、元いた場所に帰ってきていた。


僕らは状況を整理した。

僕が語ったこと、そして、魔王ルシファーが語ったことをまとめた。


僕らが導き出した結論、それが・・・。


私たち、僕たちがこの世界の運命を握っている。


そして、


私たち、僕たちに与えられたこの世界からの役割は


「「この世界の神を倒すこと!」」


これで、僕の語り部としての役割は終わった。


でも、魔王から新たな役割をもらったのも確かである。


「みんなを導け・・・か・・・。そう言うのは勇者の役割のような気もするけど・・・」


僕は、この場にいるみんなに向けて、話し始める。


「僕らのやるべきことが決まった今、僕たちは最終目的に向けて動いていかないといけない」


「魔王の口ぶりから、レインもなんらかの目的のために単独で動いている」


「レインと僕らの目的は同じ!だから、僕らが進んでいけば必ず、レインの目的と合流できる」


「僕の知っている限りでは、勇者は数人のパーティーを組んで魔王に挑む」


「でもこの世界の倒すべき相手は魔王ではなくなった。もっと大きな存在だ」


「パーティーというには少し、力が及ばないと僕は思う!」


「だから、僕は僕たちの目的達成のために、()()()を作ろうと思う!」


「僕の語り部としての役割は終わった。だけど、目的達成のために僕に力を貸してください!」


僕は頭をさげ、盛大に皆にお願いをする。これから先僕もどうなるかわからない。だから、誰がいつ危険な目に遭うかもわからない。僕は皆の命を天秤にかけるようなお願いをしている。だけど・・・


僕の耳からは盛大な拍手が聞こえてきたのである。僕はそっと頭を上げると、そこには笑顔で迎えてくれる仲間たちがいたのである。


アメリアが前僕の目の前にたち言ってくれた!


「みんなを代表してお礼を言うよ!ジーク!今まで私たちのためにありがとう!」


「ジーク!これからよろしく頼むよ!」


「うん!」


そうして、ここに一つのクランが誕生した。




その頃、レインは言うと・・・。


「お前・・・誰だ!」


「私かい? うーんそうだな? ()かな?」


あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

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