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第45話 世界の真実

 俺は振り向くと、そこにいたのは、城の主人、最上級バンパイア、グレイ・シュトーレン。美しい銀色の髪であり、その髪は長く、しばしば彼の背中まで達している。その光沢ある髪は彼の優雅な雰囲気を醸し出しているようだ。瞳は深い紫色で、その瞳をじっと見ているだけで吸い込まれるような感覚に襲われる。


「君、レイン・スティールくんだろ?」


「どうして俺の名前を・・・」


「そんなに警戒しないでほしいな。久しぶりの客人だ。城の中で話そうか。ここでは君の命が危なそうだね」


そう言うと、深い紫色の瞳は赤く染まり、俺を狙っていた猛獣どもが一瞬にして血飛沫を上げ死んだ。


「さあ、どうぞ」


グレイ・シュトーレンは笑顔で俺を城の中へ招き入れる。


城の中は、深紅の空間が広がっていた。城の中にはバンパイアの執事やメイドの方たちが清掃等の仕事をテキパキとこなし、俺を警戒するような目で見ていた。


俺が案内された部屋には既に、執事のバンパイアが明らかに高級そうなティーカップに紅茶を入れていた。


「まあ、座ってくれたまえ。レインくん」


俺は言われるがままに、椅子に座る。それが、今この状況において最善だと俺の脳が判断する。グレイ・シュトーレンにとって俺なんか瞬殺できるはずなのに、この場所に案内された。


そして、空気が変わった。今まで穏やかそうなグレイ・シュトーレンから冷酷な空気が流れ始めた。


「レインくん。君がこの魔界の森に転移したことは、魔王ルシファー様から聞かされている」


「魔王から・・・ですか・・・」


「うん!もし運よく城までたどり着いたら、()()()()()・・・とね」


「匿るとは・・・何から・・・」


「まあ、時期にわかるさ」


「そう緊張しないで飲んでくれたまえ。せっかくの紅茶が冷めてしまう」


こんな状況で、紅茶なんか飲めるか!俺は今この目の前にいるバンパイアに命を握られているに等しい状態。紅茶に毒が混ぜ込んであることだって警戒しないわけがない。どうする。どうやって切り向ける。俺は頭をフル回転させたが、何も思いつきはしなかった。


そう、この状況は完全に詰んでいるからである。


俺は恐る恐る紅茶を口にする。もう詰んでいるのだからどうでもいいと思ってしまった。


すんませんでした!普通の紅茶でございました!とても美味しゅうございます!


「さて、本題といこいか」


「レインくん。いや、片桐誠ニくん」


俺は、飲んでいた紅茶で咽せた。なぜ、俺の名前を知っている。魔王もうそうだったが、なぜ、俺の前世の名前を知っている。


「魔王ルシファー様から依頼を頼まれていてね。その依頼は」


「レインくん。君に、()()()()()()()()()()とね」


世界の真実。それは、俺とジークが追い求めていた答え。この世界について知ることができれば、なんとかなる俺たちはそう考え、思考を重ね、行動に移してきた。俺は唾を飲みこみ、額から冷や汗を垂らし、グレイ・シュトーレンの話を聞いた。


「まず、この世界は()()()()()として作られた世界なんだよね」


「そして、僕たち知性のある生物は全員この遊び場の()と言うわけだ」


「この駒の中に、世界の方針を決定づける駒が存在する、それが・・・」


()()()()()()()()()()と言うわけだ」


グレイ・シュトーレンはこの世界の仕組みについて、淡々と話す。まさか、神が出てくるとは思わなかったが、概ね俺とジークが考えていた世界の仕組みに似ている。この世界の登場人物には、役割が与えられていて、勇者がこの世界の進みを決定づけている。だけど、ふと思うこともある。俺やジークが転生してきた理由がわからない。


「神たちはこの世界を作ったは良いものの、肝心の勇者が魔王を倒すことなく死んでしまうため、退屈していた」


「神は勇者が死ぬたびに、新たな勇者を誕生させ、世界を見てきたが、いつになっても魔王まで辿り着く前に死んでしまう」


「そこで神は考えた、別の世界で、この世界に似た世界の体験をさせ、この世界に転生させれば、勇者は魔王まで辿り着けるのではないか・・・とね」


「この世界に似た世界、それこそが・・・、C()h()r()o()n()i()c()l()e()()L()i()n()e()と言うことさ・・・」


「君たちの元居た世界で瞬く間に流行っていたChronicle・Lineは神によって流行らせられたものということだ」


「何を、言っている。クロニクル・ラインはゲームだ!ゲームは人間が作ったものだ!神が作っただ?馬鹿げてる」


「神が人間に知恵を与え、作らせる」


()()()()()()()()とはよく言ったものだな」


「何だそれ・・・」


「続きを話そうか。この世界に転生させた人間を勇者としてもやはり、魔王まで辿りつくことができず死んでしまう」


「神の作った世界で人間を、最後の魔王まで辿り着かせるのは、無理だと判断した神たちは思考を変えた」


「魔王まで辿りつかすのではなく、この世界に転生してきた者が()()()()()()()()()()()()()を楽しむことにした」


「神たちは、転生してきた者が足掻き、苦しみ、もがく姿を楽しむようになった」


「そして、今に至る。転生者つまり、レインくん。君たちの行動を楽しむ世界、それがこの世界さ」


「イカれてやがる・・・」


「ああ、イカれているわな!」


俺が、テーブルに突っ伏していると、俺の肩をポンポンと叩く者がいた。


それが、魔王ルシファーだった。


「やあ、さっきぶりやな!若造!」


「どうや。魔王からの提案や!」


()()()()()()()()()()()()


魔王ルシファーは、俺の顔を見て真剣な目で俺を見ていた。

その目は、この世界の魔王の目ではなく、この世界の勇者の目をしていた。


ここから、始まる地獄を俺はまだ知らない・・・。



よろしくお願いします!

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