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第39話 激突! レイン・スティールVSソフィー・ベネット

 スタートの街復興祭は本日開催し大いに盛り上がりを見せていた。今日から四日間は冒険者学校全学生+教員たちによるトーナメント戦が開催されている。第一回戦は、リディア先生の圧倒的無双から始まり何が起こっているのかわからなかったが会場の盛り上がりは一気に加速したように思えた。街の住人達からみれば俺たち冒険者学校学生、教員たちの見せる魔法や剣、拳のぶつかり合いはスポーツ選手たちによる白熱した試合を見ているのも同然なのである。そんな試合を間近で見られるのだから興奮するのも頷けるわけである。


 そして、俺たち1年Sクラスの試合も4会場で始まっていた。リディア先生に鼓舞された俺たちは今の実力を試すべく、各々試合に臨むのであった。それぞれの想いが、力がぶつかり合い複雑に絡み合うことで起こる戦いは俺たちにとって大きな成長と達成感を与えてくれるであろう。


 また、俺も今第4会場のど真ん中に立っている。盛り上がる会場に俺の心臓の鼓動も比例してドクドクと鳴っている。他の皆もそれぞれの会場で戦っている。俺も負けていられない。相手が相手だからな。


 ソフィー・ベネット。1年Sクラスのクラスメイトであり、俺にとっては一番相性の悪い相手だ。気を引き締めないと一瞬で試合が終わる。相手に不足なし!


「勝負だ!ソフィー!」


「望むところですわ!レイン!」



レインとソフィーの試合が始まる前、CATCHのメンバーも第4会場に訪れていた。


「やっと着いたー、最初の試合見過ごしちゃったね・・・」


「私たちがもたもたしてたから・・・」


「まあ、気を取り直して試合を観戦しましょう!」


ハンナ、カレン、ミラの3人はそれぞれ並んで席に付き試合を観戦していた。3人は魔法や剣、拳の真剣勝負に目を奪われていた。


「これが・・・魔法の真剣勝負ですか・・・。言葉が出ません」


「そうだね。爆発したり、雷出てきたりすごいね!」


会場が盛り上がる中、次の試合のアナウンスの声が響く。


「続いて第10試合、レイン・スティール対ソフィー・ベネット」


「ねえ、ミラさん、次の試合はどんな感じ?」


「えっとですね・・」


会場の観戦者の方たちには会場入り口でにパンフレットが配られており誰がどんな魔法を得意としているのかなどの情報を知ることができる。


「一人は隠密・偵察の魔法でもう一人は・・・」


ミラがカレンと話していると、ミラの隣に座るハンナが騒ぎ始める。


「あー!ミラさん!ミラさん!あの人!」


ハンナはミラの服の袖を思いっきり引っ張る。


「どうしたんですか。急に」


「あの人!あの男の子!」


ハンナは会場に登場したレインを指さしていた。


「あの人!私を助けてくれた人だよ!」


「彼がですか。名前はレイン・スティールさんという方ですね」


「レイン・スティール・・・」


ハンナはレインを会場の自身の席からじっと見つめていた。




場所は戻り、俺とソフィーは戦闘態勢に入っていた。会場は静まり返り試合開始のアナウンスの声を待っていた。俺とソフィーは互いに見つめ合い、その時は来た・・・。


「試合開始!」


その声と共に俺とソフィーは同時に動く。


「シャドウ・アウト!」


「ビルド・アップ!」


俺はシャドウ・アウトを使い正面から突撃してくるソフィーをギリギリのところで影に潜り避ける。


「やっぱそうくるよね・・」


ソフィーの魔法「ビルド・アップ」、ソフィーの魔法はシンプルでかつ強力。「ビルド・アップ」要するに超身体強化ということである。自身の筋力・防御力の大幅な強化。ソフィーに捕まれば絶対に逃れられない。だからこそ、ソフィーは自身の魔法で強化し一瞬で勝負を決めに来ると読むことができた。


影の外ではソフィーが俺の奇襲を警戒し、辺りを見渡している。

ソフィーの魔法の怖いところは身体強化ではない。ただの身体強化だったらそこまで脅威ではない。


「さて、ここからが勝負だ」


俺はソフィーの背後から影の外に飛び出し短剣を振るう。だが、ソフィーはそれを避け、そのまま体を回転させ俺にラリアットを食らわせ俺は吹っ飛ばされる。


「くはっ!」


俺は地面に転がり、地面は抉れる。俺はソフィーが高速で走ってくるのが見えたため、ステルスを発動し自身の身を透明化する。


やっぱソフィーに奇襲はきかねえか。

魔法「ビルド・アップ」の一番の脅威は耳からの聴覚、鼻からの嗅覚、目からの視覚すらも強化される。ゆえに、影に潜ろうが、透明になろうが、少しの音や匂いで居場所がバレる。

マジで厄介だな。


「どうしたですか!動かないのですか!レイン。そっちから来ないのでしたら、こちらから行きますわよ!」


俺はソフィーの挑発に動揺したのか、足を少し動かしてしまった。


「そこですわね!」


ソフィーは靴と地面が擦れた音を聞き逃さず、ステルス発動中の俺の居場所を把握した。


「マジかよ!」


俺はソフィーの拳を溝内に思いっきりくらう。


「影縫い・・」


咄嗟に影縫いを発動させ衝撃を和らげ、フラフラの状態だが何とか地面に立っていた。

何か・・何か打開策はないのか。このままだと、ただサンドバックにされて負けちまう。

そうか・・・なるほどな。


「試してみるか・・、勝つためにはこれに賭けるしかねえ」


俺は抉れた地面から粉砕した地面のかけらを数個拾った。その後、俺は影縫いを足に集中的に発動させ会場中を走り回る。ソフィーは俺の意味不明な動きに動揺を見せる。


「何をしようとしているのかわかりませんが、無駄ですわ!終わりにしましょう!」


ソフィーも負けじと強化された体で俺の動きに合わせるように会場を駆ける。


俺は駆けている勢いを利用し地面からジャンプし、シャドウ・ドレスを発動した。シャドウ・ドレスを発動させ身体を蝕まれる覚悟で影に身を委ねた。「シャドウ・ドレス」は影に体を委ねた分だけ身体強化、魔力量限度上昇、影の魔法の強化が与えられる。代償として、この魔法を使用した時間だけ体に激痛が走る。現状で、「シャドウ・ドレス」を耐えられる範囲で発動できる時間は5秒間。


タイムリミットは5秒間だ。5秒だけなら身体中が痺れる程度で済む。

俺はステルスと影縫いを同時発動した。


上空にジャンプした俺は空中で姿を消した。俺は先ほど拾った地面のかけらを空中からばら撒く。

ソフィーの「ビルド・アップ」で強化された聴覚は周りから聞こえる瓦礫の音が頭に響き、ソフィーは耳を塞ぐ。


俺はその時を待っていた。

今、ソフィーは俺の不審な会場内での動き、上空から落とされた瓦礫の音で視覚、聴覚を混乱させた。

今のソフィーは強化された故にその研ぎ澄まされた感覚は何ににも鋭く反応してしまう。その感覚を同時に攻めてしまえばあとは・・・。


俺は影縫いで上空からソフィーに向かい突撃しソフィーを場外へと投げ、試合は終了したのだった。


「勝者!レイン・スティール」




「負けましたわ。レイン」

ソフィーは笑顔で俺の下によって来た。


「悪いな、思いっきり投げ飛ばしちまって」


「いいですわ。まさか、強化された感覚が弱点になるなんて」


「なあ、ソフィーのビルドアップの魔法はまだ不完全だろ?」


「どうしてそれを・・・」


ソフィーは「何故知っているのか」と思っているようだった。

俺は試合中に考察したことをソフィーに伝えた。

俺は試合中にソフィーの動きに一つ疑問に思った。俺がステルスを発動中になぜ居場所がバレなかかったのか疑問に思った。ソフィーは俺の地面と足の擦れた音で俺の場所をつきとめていた。ステルスを発動中でもソフィーなら嗅覚で俺の居場所がバレるはずだ。だから嗅覚の感覚はまだ強化が不十分なのではないかと。だからこそ今回の作戦は成功した。


「もし、嗅覚まで聴覚や視覚と同等レベルまで強化されていたら俺に勝ち目はなかったよ」


「まさか、試合中にそこまで見透かされているとは思いもしませんでしたわ」


「でも、負けは負けですわ。次は絶対に勝ちますわ!」


「ああ、お手柔らかに・・・」


正直、俺は今回の試合で体がボロボロになっていることは誰も知らない。

このトーナメント戦マジでやばいかもしれない!

俺はこのトーナメント戦を無事に戦い抜けるか不安でいっぱいになっているのだった。

よろしくお願いします。

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