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第27話 sideジーク、ハンナ(2) ハンナの運命

 ジークとハンナはレインたちと共に魔獣と対峙していたが突如現れた黒い角を生やした少女の作ったワープホールに吸い込まれた。僕は気絶していたらしく地面に横たわっていたが目を覚ました。目を覚ますとワープホールをつくった黒い角の少女が姿を現した。僕は少女の腕を見て驚愕した。彼女の腕は鋭い爪、強靭な鱗まるで・・・龍の腕だった。


龍の腕の少女は僕とハンナが目的で干渉してきたという。僕はハンナを抱え、ひとまず龍の少女についていった。ついていった先には巨大な神殿のような建物が建っていた。


「連れてきたよ。おじいちゃん・・」


「ご苦労だったのう。()()()


僕は目の前に現れたものに恐怖を感じた。体は震え、立っていられなくなった。僕はハンナを抱えたまま膝をつき目の前の存在を直視できなかった。


「おじいちゃん・・。覇気放ちすぎ・・。彼らは人間・・、おじいちゃんを見れない・・」


「おお、すまんかったのう。これでどうじゃ」


その瞬間、体の震えは止まり、心臓の鼓動もおとなしくなる。僕は改めて目の前の存在を目にした。


「我は()()()()()()()である!」


そう名乗った龍は僕を力強い眼光で見つめていた。その龍は僕ら人間などちっぽけでごくごくどこにでもいるアリ同然のように僕は錯覚した。これほどまでに強大なのか。龍というものは。


「そう怯えんでほしいんじゃがなあ」


「どう考えてもおじいちゃんが悪い・・」


「そう言わんでくれエイスよ」


「それはそうと、人間よ名前を聞いてもよいかのう」


「ジーク・テイラー・・です・・」


「ジークよ。すまなかった。ちょっと強引だとは思ったのじゃが、我々龍が干渉するにもリスクを負うからのう」


相変わらず、ハンナは眠ったままだ。僕はハンナの兄だ。ここは僕一人で何とかする。


「僕らが目的で干渉してきたと伺いました。どういった目的で」


まあ、目的はどう考えても・・僕は眠っているハンナに目を向ける。


「目的はそこの妹さんじゃ。彼女の中の重力魔力をもらい受けに来た」


目的は魔族と同じ。やはり狙いはハンナの中にある重力魔力か。だが、なぜ龍が重力魔力を必要とする?龍の力はどの種族も手を出せないほど強力なものだ。そんな龍がハンナの魔力を狙う理由がわからない。


「なかなか、冷静に物事をとらえているのう。君の疑問に答えよう」


龍の少女のようにまた考えを読まれたのか。僕は龍に現状抗うことはできない。周辺に魔族の気配もないか・・・。何かしら結界のようなものが貼ってあるようには感じる。炎帝龍ブレイズと名乗った龍には殺気などの負の感情も感じない。ここは素直に龍の話を聞こう。ハンナも未だ眠ったままだしね。


炎帝龍ブレイズは僕らに接触した理由を話し始めた。


「我々龍は()()の下で世界を監視する役を務めておる。監視する立場にある以上、我々以外の種族とは関りを持ってこなかった。我々龍が種族に干渉したとき、それは即ち()()()()()()()()()()()じゃ」


「世界に異常が起きたとき・・・」


「一昔前、人間にとってはとてつもなく前になるかのう。種族同士の力は均衡していた。我々龍も特に干渉しなくとも世界は正常に回っていた。じゃが・・」


「魔族がその均衡を破ったと・・」


「そうじゃ。魔族は突如として力の均衡を破ったのじゃ。我々龍も困惑した。魔族は他の種族を寄せ付かないほどの戦力と魔力を手にしたのじゃから。我々龍は緊急事態ということもあっての、この時初めて他種族に干渉したのじゃ。我々龍が干渉したことで魔族以外の種族が団結し一つの組織が出来上がった。それが、()()じゃ」


王宮の成り立ちの歴史には龍の存在は書かれていなかった。まあ、龍はもともと種族に干渉しないというのが掟のようになっている。だからこそ龍の存在を王宮側で秘匿にしたというのが正しいだろう。


「王宮が組織されたことにとって今のような関係性が形成されたのじゃ」


「失礼ながら質問させていただきたのですがよろしいでしょうか!」


「そうかしこまらんくても良いぞ。呼び出したのはこっちなのじゃからなあ。ジークよ」


「ではお聞きします。私の知る限りでは魔族が急激に力を伸ばした理由がわかっておりません。そして今再び動き出したことも。何か理由をご存じなのでしょうか」


「そのことは話せぬ。それを話せば干渉の幅が大きくなってしまうからのう。じゃが、王宮はもうその尻尾を掴みつつあるはずじゃ」


「話が脱線してしまったのう。ジークよ。今おぬしの住んでいるスタートの街が魔族に侵攻されておる。その目的の中に妹ちゃんの重力魔力があることもじゃ。妹ちゃんの重力魔力が魔族に渡れば王宮との力関係が崩壊すると我々側で結論が出たのじゃ。そこで我が指名され重力魔力を我々で回収し阻止するということじゃ。じゃから、妹ちゃんの重力魔力を譲ってはくれんか」


僕は即座にそのことを聞いて思った。これでハンナが助かるのかと。だが、この龍は肝心なことを話していない。


「なあ、炎帝龍ブレイズ・・ハンナの重力魔力をお前に渡して()()()()()()()()()


「妹ちゃんは()()()()()()()()()()()じゃろうな」


「渡せるもんかよ。ハンナを殺せって言っているようなもんじゃねえか!僕はハンナに生きててほしい。その一心で今まで生きてきた。今回の魔族襲撃もハンナを守るため行動してきた。こんなところでハンナを殺されてたまるか。僕は世界なんてどうでもいい!ハンナを守り抜く!」


「おじいちゃん!こいつ、重力魔力を渡す気ないみたい・・。こいつ・・・殺す!」


俺は即座に戦闘態勢に入った。それは龍の少女エイスも同じだった。今の俺に龍にたとい向かえるほどの力はない。だけど、ハンナを抱えて逃げれるのか?どうしたらいい・・。


「お兄ちゃん・・下ろして・・」


「ハンナ!起きたのか。大丈夫か!」


「うん・・。お兄ちゃん、私、魔力あげるよ」


「何を言ってるんだ。ハンナ!」


ハンナは眠っていたから僕らの話は聞いていないはず・・・。


「おじいちゃんは彼女の心にも直接、声を届けていた・・。だから状況は把握している・・」


ハンナは龍の下へ歩き出していた。俺はハンナを止めようとするが・・


「ぐはっ!」


龍の少女に溝内を殴られ動けない!


「ハンナ・・・」


「炎帝龍ブレイズ!私はあなたに魔力をあげる!これで戦いが終わりが早まるのなら!」


「いいのじゃな。ハンナよ」


次の瞬間、ハンナの体が光だし重力魔力の結晶である魔力結晶が姿を現した。


「お兄ちゃん・・・いままでありがとう・・」


「ハンナ、やめろ・・・やめてくれ・・やめろーーーーーーーーーーーーーーーー!」


そして、俺はそのまま意識を失った。俺は結局守り切れなかった。ハンナを殺してしまった・・。どうあがいてもChronicle・Lineのストーリーに抗うことはできないのか。結局、僕は無力なのか・・。


俺はその後、意識を取り戻した。見たことのある天井だ。ここはさっきと同じ場所だ。神殿の天井。なぜだろう。神殿の石の床の上なのに冷たくない。むしろ暖かくて、柔らかい。


「起きた?お兄ちゃん」


「ハンナ・・・」


僕は夢でも見ているのか・・。ハンナは死んだ。目覚めることはない。


「起きて!お兄ちゃん!」


僕は頬を思いっきり叩かれ意識がはっきりした。僕は飛び起き、周囲を見渡す。そこには炎帝龍ブレイズとエイスと名乗った少女。そして、目の前にはハンナが笑顔で立っていた。


僕は夢でも何でもいいと思った。僕は目の前にいるハンナに思いっきり抱き着いた。ハンナだ。生きている。ハンナが・・・。僕は今までで一番涙をこぼした。もしかしたら一生分泣いたかもしれない。


「でも・・・どうして・・・」


「ジークよ。我もまたあまり殺生を好まん。重力魔力を取り除くと同時に全く別の魔力をハンナには注ぎ込んだのじゃ。しかし、賭けじゃった。もし適合しんかったらハンナは本当にもう目覚めなかったからのう」


「じゃが、龍王からは重力魔力の少女を生かしてはならぬと言われておる。じゃから重力魔力のなくなった少女が世界には影響を及ぼさないという()()がほしい」


「これからは監視役としてエイスがお前たちのそばに就くことになる。何かあればエイスを頼っておくれ。エイスよ。定期的に連絡たのむのう」


「わかったよ・・。おじいちゃん」


そう言うと炎帝龍ブレイズは姿を消したのだった。


そして、残った僕ら3人はスタートの街へ帰還することとなった。レイン。ハンナは助かったよ。そっちも成功を願っているよ。


「お兄ちゃんいこう!」


「ああ、いこう」


「お兄ちゃん・・・いこうーーー・・・」


「「え・・・」」

よろしくお願いします。

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