スカンク、必死に探す
地下20階 砂フロア。
熊を倒して降りてくると、仕切りの無い広大な空間に砂が敷き詰められていた。
おぉー! 広いなあ。見渡す限り、砂、砂、砂。
うーん、どこに向かえばいいのかな? きょろきょろ…………。
んっ!? 遠くの方に黒い物がある。
「きゅっきゅ(ねえ、なんか黒い物を見つけたよ)」
「はい、確かに黒い石が見えます。ふむ、気になりますね。近づいて調査をしませんか?」
「きゅーっ(はーい)」
砂の上を歩きだすと、予想以上に苦労する。足が埋まって歩きづらい。
ぐぬぬっ、負けるもんかぁーーっ!
はぁ、はぁ、はぁ、結構しんどい。
必死に歩き続け、ようやく目的の場所に辿り着く。
はぁぁ~~、疲れた。
さてと、黒い石を調べよう…………。むむむっ、これは石碑かな?
2メートルくらいの黒い石に、読めない文字が彫ってある。
意味はなんだろう、内容が気になるなあ。
「きゅっきゅ(メイド教授さん、この文字を読める?)」
「はい、私に任せください。スキル『解析』…………ふむふむ、なるほど、分かりました。レオン様、石碑の解読が終わりましたよ」
「きゅきゅっ! (早い! ねえ、どんな内容?)」
「えっと、そのまま直訳すればよろしいでしょうか?」
「きゅっ(お願い、分かりやすく)」
「はい、かしこまりました。では、分かりやすく意訳いたします。ええと…………コホン」
はいどーもー! みんな大好き、ゲーム神でーす!
汗水たらして必死の洞窟攻略、おっ疲れー!
スカンクの姿になるのって、どんな感じ? ねえねえ、どんな感じ?
うーん、まぁどうでもいいや。僕は神様だから、興味ないしー。
そんなことよりも、君たち攻略速度が遅すぎだよねー。
もっと本気を出さないと、神罰が下るよ。この意味分かってるよね? ね?
ところでさぁー、次の階に進む扉の鍵、無くしちゃった。ごめんね。てへぺろ。
大丈夫、大丈夫だよ。そこら辺の砂を掘ったら出てくるから。
それじゃあ、探すの頑張ってね。スカンクちゃん♪
「以上でございます」
「きゅきゅっ! (ぶん殴りたい!)」
「ふふっ、怒りで物事は解決しませんよ? 落ち着いて、早く鍵を探しましょう」
「…………」
「レオン様、返事」
「きゅきゅっ(は~~い)」
この広い砂場から鍵を探す? 絶対に見つからないと思う。
うん、無理ゲー、本当の無理ゲー。
だけど、俺はやるぞぉーー!
ゲーム神、スカンクの気合と根性を見るがいい。
あれ? 赤と黒の球が出てきた。
「きゅきゅっ? (ねえ、これは何?)」
「えっと、赤い物はビー玉、黒い方は正露〇ですね」
へぇー、そうなんだ。なんで砂の中に埋まっていたのかな?
う~ん、まっいっか。
おっと、また黒い球を発見。
「きゅきゅっ(ねえ、また正露〇を見つけたよ」
「いいえ違います。それは、ウサギの糞です」
「うきゅーーう!」
あー、もー、捨て捨て。
その後、必死に探したけど…………。
見つかったのは、ガラクタばかり。
はぁぁ~~。
「レオン様、このままでは、発見するのに時間が掛かり過ぎます。ガチャで、探索系スキルかアイテムを獲得した方がよろしいかと」
「きゅきゅっ! (うん、いい考えだと思う!)」
さすがメイド教授さん、その手があったか。
えーと、ガチャポイントは、2万1208。
よし、アイテムガチャを4回やろう。金属探知機とか出てこないかな。
ポチっとな。
ガチャガチャ…………コロン。
えっと、なにこれ?
ショットガン? 果物、メイド服、後は…………。
巨大な、ハムスターが遊ぶカラカラ回るやつ。
シクシク、外れだ。コレジャナイ感がするよー。
「レオン様、危険ですけど、先に進む方法を思いつきました」
「きゅっ? (えっ、本当に?)」
「はい、それはですね。ごにょごにょ………ごにょごにょ」
ふぅー、かなり危険な作戦だな。正直言って、死ぬかもしれない。
だがしかし、俺は燃えてきたぁぁーー!
打倒、キマイラ!