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1章 -30- Noツイン、Yesダブル!


「……この街ヤバくない?」

「…マジヤバイ」


 南雲の問いかけに、即座に同意した。

 ちょっとギャルっぽい答え方になったのは相手がギャルだから仕方ない。


 さっきの店を出てから少し歩いて場所を変え、思わず俺たちは話し合った。

「アタシ怖いんだけど……」

 人間の街に来たという感動は過去の記憶にすら無い。

 もはや南雲に至ってはこの街を出たそうである。

「俺だって怖いわ!」

 どう考えても今俺の懐にある金は恐怖でしかない。

 何でみんな何の見返りもなく金をくれるんだよ!?

 さっきの澄んだ瞳が怖すぎる。意味不明に陰が一切無かった。

 ぶっちゃけ俺もこの街を出てしまいたい気分だった。

 しかし、俺には確信があった。

「でもな、たぶんこれ、俺たちみたいな転世者がやらかしてんだよ」

 ハリーが言っていた精神系の属性を持っていて、何故か女神様信仰を拡散して行っているのだろう。

 そう思うとその者にさえ注意していれば問題ないのではとも思うのだ。

『その通りです』

 あのハリーですら対抗できる程度の精神攻撃だ。

 俺が食らうとは考えにくい。

『当然』

 そう考えると別段危険は感じにくい。

 ……考えている間にカグラとミズキから正解を頂いたし。


 やっぱり原因は精神攻撃で、対応可能なようだ。

 俺の中の精霊さんたちにはそっち系の能力にも詳しいのもいるそうだ。

 対策も講じられるし、たいていの精神攻撃なら感知してからでも対応できるそうだ。すでに精神汚染されている人の汚染解除も可能らしい。


 まあ、面倒くさいのでそれは置いておく。

 それに、精神汚染されていると思しき彼らには、攻撃性は無いようだ。

 真に女神様を愛し、崇拝し、その行いに準じようとしているだけのようだ。

 つまり、怖いくらい親切だけど、それだけだ。

 気にしなければ害はないのだ。

 むしろ働かざるして金が入るというメリットしかない。

 うん、これをメリットと言ってしまうとダメな気がする……

 とりあえず、問題はないのだ。


 俺たちにはこっちの世界の人間の文化を知るという体験も必要だ。

 それに忘れてしまいそうだったが、ゴブリンについての情報も得なければならないのだ。

 しばらくはこの街に滞在して、情報収集するほうがいい。

 旅の疲れもあるし、エルフの質素な生活では味わえなかったものも体感したい。


 俺たちはひとまず宿屋を目指した。

 宿屋には迷うことなくあっさりとたどり着いた。

 何故か?

 道行く人々みな親切だからだ。

 尋ねればすぐに細かく教えてくれる。知っている限りの情報を出してくれるのだから迷うこともない。

 中には宿屋まで直接俺たちを案内してくれようとした人もいたが、それは全力で断った。

 なんとなく親切精神に汚染されてしまいそうだったからだ。

 しかしそのおかげで、安くて質が良いと評判の宿屋を簡単に見つけることが出来た。


 宿屋の部屋は二人部屋になった。

 俺は別々の部屋を取ろうとしたのだが、南雲が同室を提案してきた。

「部屋代がもったいないし……」

 と言いつつ、頬を染めていた。

 うん。なんだろうこの感じ。いいね!

 まあ、どうせ今まで同じ部屋……というか同じベッドで寝ていたのだ。特に問題はないし、確かに部屋代がもったいないのもある。食堂の人たちから貰ったお金でもあるし、無駄遣いはしないに越したことはない。

 せっかくなので、ツインではなくダブルにした。



 宿を確保した俺たちは再度街に繰り出した。

 何のためかって?

 当然、職を探すためだ!

 ギルドでジョブを登録して、俺も無職を卒業するのだ!

 貰ったお金だけでも当分生活はしていけそうだが、限度はある。

 それなら早いうちから収入を得る手段を考えるのは当然だ。

 街中を歩きながらギルドを探す。


 南雲は“澄んだ瞳”はとりあえず気付かないことにしたのか、少し場慣れしてきていた。

 洋服屋や靴屋など、JKらしくウィンドウショッピングを楽しんでいる。

 俺もさほど急いでいるわけではなかったので、一緒に街中を歩く。

 この世界の技術力はまだそこそこのようで、お店のショウウィンドウは少し歪みを含んでいる。

 建物自体も石造りだったりするので、古いヨーロッパのような感じだ。

 置いてある品物も基本的にそんな感じだ。


 少し違うのは、魔術用のアイテムも並んでいることか。

 一般市民でも多少の魔術は使えるようで、用途に合わせて特化した魔術器具などが売られている。

 多少の魔力さえ流し込めば、誰でも魔術が使えるとのことで、面白そうなので少し触ってみたが、精霊たちに盛大にブーイングを貰い棚に戻したのだった。何が気に入らないのやら。


 そんなこんなでしばらく街中を歩いて見たのだが、

「ギルドが見つからない……」

「?」

 南雲は俺が何を探していたのかも理解していない様子で、疑問符を浮かべている。

「なあ、ギルドってどこにあるんですか?」

 道ゆく人に聞いてみた。

「え? ギルド? 何だいそれは」

 逆に質問で帰ってきた。

 胸ポケットには女神様がいる。

 つまりこの人も親切人なので、嘘をついているとは思えない。

「えっと、ジョブを確定したり、仕事を斡旋したりする……」

「仕事……役所のことかな?」

 役所?

「ええと、ここでは仕事は役所で設定するのか?」

「ああ。そうだよ。役所で登録するのさ。君たちは旅の人かな?」

 この人の言うには、普通なら仕事は社会人になる際に設定されるそうだ。学生たちが卒業時に決まった進路にあわせて設定されるらしいので、職業前提に決めるのは転職するときだけのようだ。職業の内容は各自の自主判断で決めることができ、自分の才能にあった仕事や、好きな仕事を選べるらしい。

「とにかく役所に向かうか」

 俺と南雲は役所へ向かって歩きはじめた。


アクセス数の驚きが抜けません。。。

けど、仕事疲れが吹き飛んだ気がしたのは気のせいでした。眠い。

もう一話くらいは上げたいと思います。

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