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初めましては大事

さて、と。一部打ちひしがれている人もいるけど、此処でうだうだしていても何も解決しません。


「では皆さん、ご自身の状態は確認しましたね。あとで追々説明します」

「「はーい」」

「………」

1名黙りこくっているが放置する。

「続いてまずは情報収集を行いたいと思うので街へ向かいましょう」

クルリと冒険者さん達のほうへ向いてお願いをする。

「申し訳ないのですが近場の街を教えて頂けないでしょうか?」

冒険者さん達は顔を見合わせる。太剣のお兄さんが代表して答えてくれた。

「それなら街まで同行するぜ。今この街道はあまり治安が良くない」

「もしかして先程のように魔物の群れがやって来るのは珍しいのですか?」

「普通なら主要な街道には魔物避けの魔石を削って造られているので、ほとんど襲われることはない。だが最近何故か街道に魔物が頻出していてな……」

「もしかして、先程仰っていた依頼というのはそれでしょうか?」

ローブさんが目を見張る。

「おねーさんほんとに鋭いねぇ。そうだよー、僕たちは街から依頼があって街道を調査してるんだ。僕、リリー。おねーさんは?」

「自己紹介もせず大変失礼いたしました。私は桜あいです。よろしくお願いいたします」

「うん!よろしくねー!」

ローブさんことリリーさんと握手をした。

短い銀髪に緑の瞳。綺麗だ。ファンタジーではエルフといえば美男美女が多いが、例に漏れずリリーさんもそうだった。

「ちなみに僕のことエルフだって、おねーさん気づいてるでしょ?」

握手したままの腕を引っ張られて耳元で囁くリリーさん。

「なんで?って顔してる。僕も鑑定スキルあるんだよ?」

「そうだったんですね。勝手に見て申し訳ございません」

深々と謝罪をすると、その頭を撫でてくれるリリーさん。なにこれ、優しい。

「鑑定持ちには気付かれることがあるから気をつけてねー。でも僕が鑑定スキルあるの知らなかったってことは、逆になにを見たの?」

「あんまり見てはいけないと思ったので、お名前とレベル、称号、職業に絞りました」

「へぇー!そんな器用なことが出来るんだね!」

感心したように頷くリリーさん達。もしかしなくても普通の使い方じゃないのか?

ううむ、あとで鑑定持ちの人にもバレない鑑定の仕方を探してみよう。

「俺はルーク、こっちがキール」

冒険者さん達も自己紹介をしてくれる。キールさんは無口なのか軽い会釈だけだった。

こちらも自己紹介をしてもらおう。私の後ろを振り返って同期と目配せをする。頷く同期。一歩前に踏み出す。流石、元営業マンだな―――。


「申し遅れました、私、AWG(株)の竜崎時雨と申します」


さっと懐から取り出したのは一枚の名刺。


流石、元営業マン………ってなんでや!ポカンとしてるよ!むしろ懐に手を突っ込んだ瞬間、キールさんが短剣手に取って若干の臨戦態勢だったよ!?


「竜崎さん、ここ異世界です」

「やっぱり名刺交換って無いのか?」

「無いでしょう普通」

たまにこうやってチャレンジなことをやらかしてくれる。

「……異世界の挨拶です、驚かせて申し訳ございません。ついでにその紙貰ってやってください」

私今日で何回謝っているんだろうか。

「あ、あぁ」

恐る恐るルークさんが紙を貰ってくれる。良い人だ。

「この紙…?!」

「名刺っすか?」

同期はきょとんとしてるが、恐らくめっちゃいい紙で驚いたと思うんだ。


ハイハイハイと手を挙げたのは後輩ちゃん。この空気を破っていけるタフさ。若い世代怖い。

「私は鴫谷未来です!皆さん凄くてびっくりしました!特にリリーさんの魔法ですか?かっこよかったです!!」

「ふふっ、ありがとう」

早速仲良くなっている。若い世代のコミュ強凄い。


最後は今までだんまりだった係長。

「係長……?」

ハッとしたように顔をあげると

「村田篤です。よろしくお願いいたします」

「ははっ、固いな!」

ルークさんが係長の肩を叩く。まぁ仕方ないだろう、なんせ村人Mだし。その辺りはあとで詳しくだな。

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