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第七話 魔族統一Ⅴ

フラウロス殿が剣を構え凄まじい速さで突っ込んできた。

僕は魔力を集中させてガード体制をとったが、直感といっても良いだろう。

反射的に大きく後方に跳んで剣戟を回避した。


「良い判断だ!」

フラウロス殿はそう言って剣を構える。


「この剣は我がフラウロス家に伝わる魔剣ベガルタ!」

「この魔剣に斬れぬものはない、中途半端な防御はそれごと切り裂くぞ!」

そう言ったフラウロス殿の足元の床が切れていた。

割ったわけではなく切れているのだ。


ガードしていたらと思うとゾッとする。

両手があることを喜びながら、再度魔力をこめ直す。


やれやれ、厄介だな。


こちらはフラウロス殿の剣戟を防御することが出来ない為

全て回避しなくてはいけないのだ。

剣戟だけならば、まだやってやれないことはないが、


「ファイアーランス!」


無数の炎の槍が迫りくる。

魔法ならば防御も魔法による相殺も可能だが、僕はなるべくフラウロス殿と

距離を置くように回避行動を取る。


あちらは、威力を落として手数で魔法による足止めを行うのが目的だ。

こちらが足を止めれば、即座に剣の間合いまで詰めてくるだろう。

間合いまで詰められれば、防御が出来ない僕が圧倒的に不利になる。


やれやれ、本当に厄介だ。


「どうした?逃げ回っていては、我は倒せぬぞ!」


今のままでは僕を捉えられないと思ったのか、フラウロス殿は更に魔法に質を落とし起動速度重視に切替えた。

ババババババババババッ!!

もはや、雨あられ状態である。


さすがにこれを回避し続ける事は無理だな。

だったら、そちらの狙いに乗ってやるさ。


僕は更に加速して、フラウロス殿へと向かって駆け出した。

まさか、自ら向かってくるとは思ってはいなかったのだろう。

少し魔法から剣戟への切換に僅かな隙が出来た。


その生じた隙があれば僕は移動から攻撃への動作を行える!

拳を握りしめ、フラウロス殿の顔面に一発ぶち込んでやった。


「ぐふっ!」

一撃をくらったフラウロス殿が今度は僕との距離を取るため

剣を横なぎに振り払った。


僕はその剣戟をギリギリで回避し更に懐に飛び込む。

距離が離れていても近くにいても危険なら、こちらの攻撃が届く場所にいた方が

よいと考えた結果だ。


魔剣ベガルタはこちらの防御は無視してダメージを与えてくる。

さきほどから完全に回避しきれず、僕の血飛沫が床に飛び散る。

今も頬を剣先がかすめていったが、致命傷以外は気にする必要はない。

スピードでは僕に分があるが、防御の面で不利な僕にあまりよろしい状況ではない。

僕は回避しながら隙を付いて拳打をフラウスロ殿に打ち込むが決定打には掛ける。


激しい攻防の中フラウスロ殿が声を掛けてくる。

「どうした?攻撃の手数が少なくなってきたが体力切れか」

「いえいえ、どのタイミングで逆転の賭けに出ようかな~って考えていたもので」


僕の素直な答えに少し笑いながら

「バカ正直に答えを返されると、存外困るものだな」

「余裕からくるものか、単なるバカか測りかねるな」


「妹分にはいつも“大バカだ”といわれていますが、自分では至ってまともだと思っているんですけどっ!」

僕がはなった拳をフラウロス殿が剣で受け止め、互いに弾け飛んだ。

距離が出来たことで先ほどの激しい攻防が嘘のように互いに出かた伺う。


「それでいつまで様子見をしているつもりだ」

フラウロス殿が構えを解いて尋ねてきた。


「そのセリフそのままお返ししますよ」

僕も肩をすくめておどけて返す。


「そうだな」

フラウロス殿が無造作に剣を振り上げ

「でわ、切り札をだそう」

振り下ろした。


「がはっ!」

距離を考えれば届くはずがない、その届くはずのない剣戟によって僕は切り裂かれていた。

先ほどの攻防とは比較にならない程の血液が床を染めていく。


「言ったであろう、この魔剣ベガルタに斬れぬものはないと…」


誤字脱字、おかしい言い回し等あると思いますが温かく見守って頂ければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

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