第三十九話 世話焼き魔獣と甘えん坊の神獣ⅩⅧ
長い章もラスト。ゆっくりで申し訳ないです!
「さて、これからの話をしようか?」
僕はみんなの顔を見ながら話を始めた。
「ケルベロス、君たちは帰るところはあるのか?」
「…ない」
「多分あの花畑も人間にバレたから、もういられない」
僕の問いかけにシュンとして答える。
「なら、僕たちと来ないか?」
「え?」「いいのですか?」「迷惑かけたのに…」
ケルベロスたちは驚いていたが、マナリスたちは予想していたのだろう、反対意見なども出ることはなかった。
「僕たちはお前たちみたいな子供たちを支え合える、帰れる場所…家族を作りたいんだ。」
「家族…」「私は魔物だよ」「みなさんに迷惑が…」「かじょくってなに?」
「子供がそんなこと気にする…ん?」
あれ?ケルベロスは3つの頭しか、最後の言葉は誰が喋ったんだ。
僕は周りを見渡す、マナリスとエリザ、ケルベロス達が驚いた表情で下を見ている。僕もみんなの視線の先を追いかけてみると、さっきまで走り回っていたが、今は可愛いくちょこんとお座りしているフェンリルにたどり着いた。
「まさか?」
僕がまだ、信じられない表情でフェンリルを見ながら呟くと、
「かじょくってなに?」
僕を見つめながら、小首を可愛く傾げながら再度尋ねてきた。
「「「え〜〜〜!!」」」
みんなが大声をあげて驚いていた?
僕はフェンリルを抱えて上げると、
「お前喋れたのか?」
そうフェンリルに問いかける。
「⁇おはなししたいから」
なんて事だ、おそらく子のは短時間で言語をある程度マスターしてようだ。
神獣は確かに人語など様々な言葉をマスターしているが、流石に早すぎる。
僕たちが混乱していると、
「まぁ、良いじゃない!話しが出来た方が絶対いいんだし。」
マナリスは一言で、僕も色々考えていた思考を一旦とめる。
「確かに、マナリスの言う通りだね。」
話しが出来ないよりは出来た方が良いに決まっている。
「ところで、この子やあなた達の名前を決めなきゃね。」
「な、名前?」
「そう、名前!無いと呼ぶ時に困るでしょ?」
マナリスの提案にケルベロス達が戸惑っている。
「お嬢様もたまには良い事をいいますね。」
「そうでしょ!ってたまにはって、どうゆうことよ!」
戯れ合うマナリスとエリザは放って置き、ケルベロス達に再度聞いてみた。
「好きな名前は無いのか⁇」
僕の問いかけに戸惑いながら、
「名前なんて考えた事もないから…」
「どんなものがいいか分からない。」
「フェンリルに関しても同じです。」
肩を落とす彼女たちに向かって、僕は提案する。
「なら、みんなで考えないとな!」
「えっ?」
ケルベロス達は驚きながら顔をあげる。
「そうね!家族なんだから、いい名前を考えてあげましょ」
いつの間にかエリザとの戯れ合いを切り上げてきたマナリスが仕切りはじめる。
マナリスが僕の側まで歩み寄ると、僕の抱えていたフェンリルを撫でながら、
「この子はそうねー、リルルでどう?」
「フェンリルだからリルルって安直過ぎないか?」
ダガーの時も思ったが、もう少し捻りが合ってもいいんじゃないかと僕が考えていると、
「リルル!」
と嬉しそうな声を上げる!
「リルルのお名前リルル⁇」
「そうよ、気にいった?」
「ワン!リルルはリルル!」
そう言うと僕の腕からマナリスの方に飛び移り、マナリスの顔を嬉しそうに舐めまわす。
「コラ、くすぐったいよ」
「マナリシュあがとっ!」
「あ、り、が、と、うよ!」
そんな2人を嬉しそうに見つめるエリザ、僕も同じような顔をしているのだろう。
「さて、次はキミ達の番だな。何か要望はあるかい?」
「人間の名前なんてわからない…」
ケルベロスたが互いに顔を見合わすが、他の2人も同じようだ。
「待って、この子達の名前もちゃんと考えてあるわよ!」
マナリスがリルを抱えたまま、僕の隣に立つ。
「あなた達の名前は……」
現在の孤児院で、リルルや“ケイ”、“ルイ”、“スイ”の3人娘が濡らした床を掃除しながら僕は彼女たちとの出会いを思い出していた。
あれか時間も経ち彼女たちも、色々成長をしている事が、とても嬉しいく感じている。
「そのうち、嫁に行くとかになったら僕泣くかもなー」
そんな妄想に浸っていると、
「なに百面相してるの?」
訓練から戻ってきたマナリスが声をかけてきた。
「それより、なんでリュウトは掃除してるの?…お漏らし?」
バシッん!
「痛っ!ちょっと、奥さんの頭を叩くなんて酷い旦那さまね!」
「アホな事言うからだ、って誰が奥さんだ!」
「んー、ならお嫁さん?」
「同じだ、バカたれ!」
僕とマナリスがいつも通りのやりとりをしていると、食堂からいい匂いが漂ってた。
同時にエリザが顔を出し、僕らを見て呆れたようにため息をついた。
「リュウトさま、まだ掃除を終えていないのですか⁈お嬢様も汗だくではありませんか!早く汗を流してきて下さい!」
「「ごめんなさい」」
「リュウトのせいで怒られたじゃない!」
「話し掛けてきたのはマナリスだろ!」
僕らは小声で罵り合っていると、
「早くする!」
「「はいっ!」」
エリザの一括で僕らは動き出す!
その声を聞いてか、孤児院の子供達が食堂に集まってきた。
「リルル、まだ髪が乾いてないよ」
「だいじょーぶー」
お風呂場から二人の声が聞こえてきた。
スイはちゃんとリルルを洗い終わったようだ。
本当に平和な時間だ。
こんな日がずっと続く事を祈りながら、僕は掃除を終わらせるために頑張るのであった。
これからも多くの人に読んで頂ける様に頑張って書いて参ります。
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