第二十八話 世話焼き魔獣と甘えん坊の神獣Ⅵ
あけましておめでとう御座います。
今年初投稿になります!
~ケルベロス視点~
「なんなんのアイツは!」
「あの人、なんなのでしょう?」
「何者なのあの人!」
私達3人とも同じ衝撃を受けたようだ。
傍らでスヤスヤと眠るフェンリル、この子の力にも正直驚いたが
それを簡単に押さえ込めるほどの力を持つ男。
私達だって弱くはない。
これでも最上級の魔獣だと分かっている、子供ながらに今まで負けたことはなかった。
影絵作戦が破られて戦う覚悟を決めたとき、一瞬で首根っこを掴まれて敗北した。
でも、それ以上に女の人から血を吸って変身した後の力は想像を絶した。
正直力の底がまるで見えなかった。
フェンリルが落ち着いて、正直何を要求されるかヒヤヒヤしていたが、
フェルンリルと私達の頭を撫でて、
「さっきの事で、ここの魔を払う力が一時的に弱まってるから注意しろよ。
だからといって無闇に人を怖がらせるようなことは控えるようにな。」
そう言うとアイツ等は何も要求することなく此処から去っていった。
「もう少し撫でてくれてもよろしかったのに…」
私達の首に一つがぼそり呟いた。
「何言ってるの!私たちはこの子を守らないと駄目なんだよ!」
そう言った私も心の何処かで、あの人と一緒に居たいと思っていることは
否定できなかった。物心付いた時から親はなく、3人で生きてきた、
頭を撫でられたのは生まれて初めてだったと思う。
「また、会えたら撫でて欲しい…。」
私達はその言葉に賛成も反対も出来ずにいた。
~リュウト視点~
僕たちは色々あったが、ようやく最初の街に着くことが出来た。
「やっと着いたな…。」
僕の呟きにマナリスが答える。
「大変だったもんね。」
「お二人とも早く宿を探しましょう。休むのはそれからです!」
僕ら二人の疲れた様子を見てエリザが指示を飛ばす。
「そうだな、宿を決めて美味しいものでも食べに行こうか?」
「賛成~、お風呂とかも使えるかな?」
僕たち三人が話していると、旅を共にしていた商人一家が荷物検査を終えて
僕たちのところにやってきた。
「この度はありがとう御座いました。」
「此方こそ大変な事に巻き込んでしまって申し訳ありません。」
お礼を言ってきた商人に、僕もフェンリル達の事で巻き込んでしまった事を謝る。
「いえいえ、森を抜けたいと言ったのは私達ですから、おかげで期限内に荷物も届ける
事が出来そうです。」
そう言って商人は頭を下げてきた。
「それでは、私達は荷物を届けに商人ギルドへ行きますので。」
別れを告げてきた商人に一応クギを刺しておく。
「あのフェンリルのことは他言無用でお願い致します。」
「わかりました。」
商人は頷きながら答えて馬車に乗り込んだ。
馬車の荷台では娘さんや奥さんとマナリス達が別れの挨拶をしていた。
「マナリスちゃん元気でね。」
「うん、二人とも元気でね。」
初めて出来た同年代の友達に名残惜しそうに別れを告げていた。
「それでわ。」
商人の声に馬車は動き出す。
動き出した馬車の荷台からは娘さんたちは見えなくなるまで手を振っていた。
マナリスも同じ様に見えなくなるまで手を振り続けていた。
商人と別れてから宿屋に向かい部屋をとった。
部屋を取るのも2部屋とると僕が言うと勿体無いから1部屋でいいと二人に
言われて一悶着あったが僕が押し切られて1部屋で部屋をとった。
宿でも食事は出せると言われたが、どうせなら外で食事を食べたいと
マナリスの言葉で食事も提供している酒場に向かった。
酒場に入るとエリザのメイド姿にビックリする客もいたが問題なく席に通してもらえた。
「軽くお酒も頂くかな、エリザも呑むか?」
「私を酔わせて“ナニ”をするつもりなんですね!わかりました呑ませて頂きます!」
「…なにもするわけないだろう…。」
僕が呆れて言うと
「チッ!タマなしが…」エリザがぼそり呟いた。
オイコラ!このメイドは段々と遠慮が無くなっていくな。
そんなことを思っているとマナリスも
「わたしも、お酒飲んでみたい!」
「却下!」「ダメです!」
「なんでよ~~~!!」
「「子供だから」です。」
そんなやり取りをしながら街に到着した夜は過ぎていった。
目を盗んで僕の酒を飲んだマナリスが真っ赤になって倒れたトラブルは
あったが無事街に着けたことに安堵していた。
僕らが食事をとった数時間後の酒場で僕らと旅を共にした商人が
仲間の商人とお酒を呑んでべろべろになっていた。
「だから、俺は森の中で凄いものをみたんだよ~!!」
「はいはい、わかったよ。」
仲間の商人が流す様に返事を返すと
「信じてないだろ!!」
と怒り出す商人に仲間達も困った様子だった。
普段はここまで酔うことは無いのだが、今日は珍しく泥酔している。
「だから!俺は神獣を…いや、詳しくは言えないが凄いものをみたんだ!!」
「神獣…?」
商人が漏らしてしまった言葉に反応した男がいた。
男は人懐っこい笑顔を浮かべながら商人に近づいてきた。
「わたくし、吟遊詩人をしておりまして珍しい話があるのでしたら
是非お聞かせ頂ければと。勿論お礼はさせて頂きます。」
吟遊詩人を名のる男に上手く乗せられ、お酒の力もあり商人は全てを話してしまった。
「ありがとう御座います。…大変参考になりましたよ…。」
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