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第二十七話 世話焼き魔獣と甘えん坊の神獣Ⅴ

この章はフェンリル遭遇と

もう一波乱起こす予定ですwww


「この子目を覚ますわよ。」


その声に僕たち全員フェンリルの子供に視線を送る。


フェンリルからしたら寝起きに見慣れない大勢の人間から注目されるのは恐怖しかないだろう。

「くぅ~ん…。」

と怯えた声を出した後に

「ぁおおおおぉぉぉ~~~ん」

と遠吠えをあげたかと思うと全身から魔力を放出した。

空は一気に雲が覆い周囲が暗くなる。

「まずい!!」

僕は直ぐに両手を上げ、全員を覆うような形でドーム状の魔力シールドを張る。

その直後に僕らを襲うようにダウンバーストが発生した。

「ぐっ!」

「きゃぁぁぁーーー。」

それをシールドで受け止めた衝撃が予想以上のもので声をもらす。

マナリスや娘さんたちも突然のことに悲鳴をあげる。


ダウンバーストの衝撃はやむ事無く襲い続ける。

シールド内からケルベロスたちもフェンリルに落ち着くように声をかける。

「大丈夫!この人たちは何もしないから!」

「落ち着いて…大丈夫だから」

「早く攻撃をやめなさい!」


しかし、ダウンバーストを起こしているフェンリル自体もその場で蹲り震えていた。

「あの子怯えてるみたい!」

マナリスが震えるフェンリルの子供を見て声を上げた。

「まずいですね。おそらく魔力が暴走しているようです。」

エリザが僕に話しかけてくる。

「あぁ、わかっている。だがシールドを維持するので手一杯だ。」

僕一人なら正直何とでもなるが、マナリスや商人一家は一度でも

ダウンバーストが直撃すれば命はないだろう。

「やもうえません!」

エリザはスカートの中からナイフを取り出す。

その行動を見てケルベロスはエリザに飛び掛る。

「やめて!あの子を傷つけないで!!」

ケルベロスに組み敷かれながらもエリザは反論する。

「しかし、このままではいずれリュウト様の魔力も尽き全員の命が危険になります。」

ケルベロスの気持ちもわかるがエリザが正論だ、このままでは全員の命が危ない。

マナリスや商人たちもどうすればいいのか分からずにその場から動けずにいる。


どちらかの命を選択しなければならない…。そして選ぶなら自分達の命だ。


この場にいる誰もがそう思っているだろう。


「はっ!そんな選択くそ食らえだな!」

僕の言葉に皆が驚いた様子だった。

「ケルベロス!あの子は必ず助ける、俺を信用してエリザを離してくれ!」


「本当に助けてくれる?約束してくれる?!」

「ああ!」

ケルベロスは僕の言葉に少し悩んで、そっとエリザの上からどいた。

「エリザ!こっちに来てくれ。」

「わかりました。」

そう応えエリザが僕の側までやってきた。

「それで私はどうすれば?」

エリザの問いに僕は答える。

「今から僕はエリザの首筋に噛み付き血を吸う…。」

「……!」

少し驚いた表情を見せるエリザ。

マナリスもその言葉に息を呑んでいた。

「…その…信じてくれるか?」

人の血を吸うなど、まともな事ではない。

特に僕はバンパイア族の特性もある訳でもない。

僕はエリザやマナリスが僕の正体を受け入れてくれるか自信がもてなかったのだ。

「なにを今更、あなたが真正の変態であることは重々承知しておりますので。」

「おい!」

「冗談です。信じてくれるか…今更そんなことを聞いてくる事に呆れてしまいます。」

そう言いながらメイド服の胸元のボタンを外して首を傾げ僕が噛み付きやすいように

してくれる。

「これが終わったら、お嬢様とお説教ですね。」

エリザはそう言いながら微笑んだ。

僕はマナリスの方に視線を向けると、彼女も大丈夫といった強い視線で僕を見つめ返した。

「本当に良い家族を持ったよ。」

僕はエリザの首筋に牙を突き立てた。


口に広がる血独特の鉄味。

僕のノドを通る温かな液体。


「くっ、んっ……あ、あぁん」

血を吸われているエリザから少し艶かしい声が漏れる。

彼女は僕の背中に手を回しより密着しようとしてくる。

吸血という行為は若干の性的快楽に似た感覚を受けるのだ。


マナリスや娘さんたちは顔を真っ赤にして行為を見つめていた。

商人夫婦は気まずそうに目をそらす。


「ありがとうエリザ…あとは“俺に”任せて休んでいろ。」

僕はそっと首から口を離しエリザに休む様に伝える。


僕の髪は金色に瞳は紅に変化していた。

商人一家は僕の見た目の変化に驚き、エリザ、マナリス、ケルベロス達はそれに加え

僕から溢れ出す魔力量に目を見開き驚いていた。


僕はシールドに力を再度込め直した。

皆を覆うほどの大きさだったシールドが花畑全体をカバー出来るほどに広がった。

「少し広くしすぎたか。」

力の加減が分からずにシールドを広げ過ぎたが問題はないだろう。

そして僕はフェンリルの方へと歩き出す。


震えて蹲っているフェンリンの頭にそっと手を載せてゆっくりと撫でた。

頭に手を載せられた時にはビクッっとなっていたフェンリルだったが、

撫でられていることに気付くと、僕を見るように目を開け視線を上げた。


「大丈夫だ、ゆっくり魔力を抑えていくんだ。」

僕は落ち着かせる為、ゆっくりと撫でながら優しく声を掛ける。

フェンリルも落ち着いてきたのが震えもとまり、僕の言葉に返事を返すように

「わん!」

と鳴いた。

神獣も“わん”って鳴くんだなと思いながらも、俺はフェンリルの魔力に同調して

魔力を抑える手助けする。

神獣の膨大魔力に同調するのは難しいことだが、今も俺にはそれ程難しい事ではない。


数分後にはダウンバーストを引き起こしていた魔力を帯びた雲も霧散し青空が見えていた。

「よし、よく頑張ったな!」

フェンリルも嬉しそうに「わん」と鳴くと僕の顔目掛けてジャンプしてきた。

僕は驚いて後ろに倒れこむと、フェンリルはこれでもかというほど僕の顔を

舐め回してきた。

その頃には僕も真祖の力を押さえ込み黒髪に戻っていた。

「コラ!くすぐったいから止めろ!」


フェンリルとジャレ付く僕を見ながら、

「なんだか一生分の驚きが集約された様な体験でした。」

苦笑いを浮かべながら商人が言葉を発した。


マナリスはエリザに駆け寄ると、

「エリザ大丈夫?なんともない?」

「お嬢様…大丈夫です、身体はなんともありません。ただ…」

「ただ??」

「もの凄く疲れました…。」

エリザの言葉を聞いてマナリスはプッと噴き出した。

「驚きの連続だったもんね~。」

「私はその上、血まで吸われましたから…。」

そう言って二人は笑い合うと、フェンリルに舐められ続けているリュウトの元へと

歩き出した。



ブクマや評価の方も宜しくお願い致します。

本当に書く原動力・励みになりますので宜しくお願いします。

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