第二十三話 世話焼き魔獣と甘えん坊の神獣Ⅰ
更新が遅くなり申し訳ありません。
今回の話はお約束イベントです。
やっぱり書きたくなりますよね~w
「すまない、旅はここまでだ…引き返そう…」
僕は前に座る二人に呟いた。
僕はそう彼女達に告げた理由を語ろうと思う。
僕とマナリスとエリザの三人で普通では保護できないマナリスの様な子供達の孤児院を作る為に旅に出た。
マナリスは元魔族の貴族フラウロス家の一人娘であり、権力者たちに政略結婚などでいいように使われるのを防ぐ為にも僕の旅に同行している。
正直言えば危険がある為、同行させるつもりは無かったがマナリス本人の強い希望もあり知らない間に後を追って来られるくらいなら一緒にいた方が良いと思い許可した。
もう一人はエリザ、元フラウロス家のメイドである。
彼女はメイドに並々ならぬ拘りを持っていて、メイド道を究める為日夜努力しているらしい。
不明な点も多いがとても優秀で僕も助けられている。
旅の初日、町までは大人の足でも3日以上掛かる為、何日かはどうしても野営が必要になってくる。
「マナリス大丈夫か?辛くなったら言うんだぞ。」
まだ、子供で旅慣れしていないマナリスには負担は大きいだろう。
「大丈夫!問題ないわ。」
気丈に振舞っているが、先ほどから右足を庇って歩いている。
恐らくマメが潰れたのだろう。
「あそこに大きな木があるだろう。そこまで行って今日は野営にしよう。」
僕は前方にある木を指して二人に告げた。
「そうですね…近くに川もありますし、ちょうどいいと思います。」
エリザも賛成してくれた。
「大丈夫よ!!私はまだ歩けるから!!」
マナリスは自分に気を使っているのだと思ったらしく慌てて僕に大丈夫だと告げてきた。
僕から見れば充分無理している様にみえるし、特に急ぐ旅でもない。
初日から無理をして本当に体調を崩された方がよほど大変なことになる。
僕はどうやってマナリスを説得すればよいか考えていると、
「お嬢様、あと2時間ほどで日は落ちてしまいます。暗くなってしまってから野営の準備をするのは大変なのですよ、ですから少し余裕を持って休む場所を決めるのです。」
エリザの言葉を聞いてマナリスも「なるほど」と納得してくれたようだ。
僕はエリザの説得を聞きながら心底感心した。
正論でありながら、マナリスを傷つけることなく説得したのだ。
僕もその辺の気遣いを勉強しなくてはと思いながら野営地を目指した。
しかし、この間まで屋敷で働いていたメイドが野営に詳しいのか、僕は疑問に思いエリザに質問したところ、「メイドたるものダガー一つで森を七日間生き残るスキルを持ち合わせなくては!!」と返答が帰ってきた。
正直、フラウロス家のメイド教育がどうなっているのか疑問に思う…。
「俺は火をおこした後、皮に水を汲みに行ってくるよ。」
「それでは、私とマナリスお嬢様で夕食の準備を致します。お嬢様お手伝いをお願い致しますね。」
「うん、わかったわ!」
僕は二人の会話を聞きながら野営の準備を進めた。…このとき恐ろしい会話が二人の間であったことなど僕は知る芳もなかった……。
「エリザ!夕食は私が作ってみたい!!」
「!?…お嬢様…(汗)…!!!お嬢様初めて料理をするのに数人分を作るのは難しいのです!」
「そう…。」
エリザの言葉を聞いて、あからさまに元気を無くすマナリスだが、続けて放ったエリザの言葉に元気を取り戻す!
「ですから、お嬢様はリュウト様の分を作って差し上げればよろしいのです!!」
「そっか!!一人分なら大丈夫よね!」
「私とお嬢様の分は、私がお作りいたしますので。」
「わかったわ、エリザ手を出さないでね!私一人で美味しい料理を作ってみせるから!!」
「畏まりました。」
そう言ったエリザの心中は『も・申し訳御座いません!リュウト様!私にはあんなに
やる気になっているお嬢様を止められません!!』っと思っていても、自分が助かる為に
あっさりとリュウトを生贄に差し出すエリザであった。
そして夕食になった…、なってしまったのだ。
何故か僕の前にだけ二人と違うものが出されている。
今までに見たこともないほどの禍々しさを発している物体。
10人見れば10人が目をそらすほどのモノだ。
そう!これを決して食べ物とは言わないし言わせない!謎の物体Xだ!!
ポコポコと気泡が立っているモノはシュミラクラ現象(三つの点が集まったとき、人の顔に見えてしまう現象)で生物に見えてしまうアレだ。
錬金術は遂に生命を誕生させるまでにいたったのか?!なんて現実逃避をしていると
「初めて料理を作ってみたから、少し失敗しちゃった。」
!!少し!!これが少しだと!!この子少しの失敗で生命を生み出せるのか!!
マナリス恐ろしい子っ!!
マナリスが僕に何かを期待する眼差しを送ってくる。
僕はその眼差しを避けるようにエリザを見ると、彼女もゆっくりと僕の視線から逃げるように目を逸らす。
オイ!コラ!!こっち向けと視線を送り続けるが、エリザは頑なに目を合わせようとしなかった。
そして、冒頭に繋がるのである。
「すまない、旅はここまでだ…引き返そう…」
僕の言葉にマナリスが噛み付く。
「なんでよ!一口ぐらい食べなさいよ!!」
「ふざけるな小娘!こんな謎の物体Xなんぞ食えるか!」
「なっ謎の物体Xって何よ!普通のスープよ!」
「スーーープ!?これは料理じゃなくて錬金術だ!」
「れっ錬金術!!ふざけないで家族の初料理ぐらい何も言わずに食べなさいよ!」
「出来ることと出来ない事があるわ!なにが悲しくて旅の初日に命の危機を迎えなきゃならないんだ!!」
こうして僕とマナリスの叫びが響きながら旅の初日が終わろうとしていた。
僕とマナリスがぶつかっている隣で
「錬金術とは上手い表現ですね。食べられる物しか使っていないのに食べられないものを作るのは一種の才能かもしれませんね。」
我関せず食事を続けるエリザ。
「我ながら良い味です。星空の下で食べているからでしょうか?」
そしてエリザは一人星空と料理を堪能するのであった。
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