第二十話 マナリスⅩ
もう少しで2章も終了です。
会議が終了して皆が部屋を後にする中、僕はルシフェルとヒルダに声を掛けた。
「悪い、二人ともこの後時間を少し貰えないか?」
「私は大丈夫だが。」
「私も特に用事はないから大丈夫だよリュウト兄。」
部屋に3人だけになったところで、僕は用件を切り出した。
「僕はここを出て行こうと思う。」
ダンっ!
ヒルダが机を叩いた。
「どうして、そんな…突然…納得出来ないわよ!」
「落ち着けヒルダ。リュウト理由を聞いてもいいか?」
ルシフェルがヒルダを落ち着かせながら、僕に理由を聞いてきた。
「やりたい事ができた。」
僕は簡潔にルシフェルに答えた。
「そうか…わかった。」
ルシフェルも僕を見て簡潔に応えた。
「なんで簡単に許してるのよ!!大体やりたい事ってなに?ここに居て出来ないことなの?!」
ヒルダはちゃんと説明しろと噛み付いてきた。
「リュウトがやりたい事を、止める権利は私達には無いよ。」
「それはそうだけど…。」
ルシフェルの言葉にヒルダは渋々だが頷く。
「ヒルダちゃんと今から説明するよ。二人には聞いて貰いたいんだ。」
小さい時から一緒にいた二人を、僕は家族同然に思っている。
だからこそ、二人に納得してもらって出て行きたいと思っている。
「僕は親になろうと思うんだ!」
「「はい?」」
二人は理解出来ない様子で首を傾げた。
「それはつまり、駆け落ち…「誰!?どこの女よ!!!」か?」
ルシフェルの言葉を遮って、ヒルダが僕の胸ぐらを掴み激しく揺すってきた!
「エリザさん?それとも私の知らない女の人!!?」
「お、お、落ち着けヒルダ~ぁああああああ。」
僕は揺すられながら誤解を解こうと頑張るが、ヒルダが全力で揺すっているのだから
まともに会話にならない。
見かねてルシフェルが後ろからヒルダを羽交い絞めにして止めてくれた。
「はぁはぁはぁ~~~、死ぬかと思った。」
まだ、揺すられ過ぎて頭がクラクラしている。
ヒルダは何故か今度はルシフェルに抱きついて半べそをかいていた。
ルシフェルはヒルダの頭を撫でながらあやしている。
「なんだか分からんが誤解だ!」
僕は二人にもう一度、今度ははっきりと
「僕は孤児院をやろうと思うんだ!」
「…孤児院?」
僕の言葉にヒルダが涙をためた瞳で僕を見てきた。
「ああ、孤児院だ。」
「マナリス嬢のことがあったから、彼女を託されたからか?」
ルシフェルが僕の目を見つめながら聞いてきた。
「それが大きいかな。」
僕は正直に答えた。
「それはリュウト兄だけが背負う問題ではないはずだよ!」
「ヒルダの言う通りだ。今回の大戦で多くの孤児が出たことは否定しない。だがそれは
リュウトお前一人が背負う問題ではない!孤児院だって国で運営すればいい!私も
それは考えていた!!」
「だけど、国が絡めば子供が子供でいられないこともある…今回の様に…。」
「…っ!!」
僕の言葉にルシフェルが言葉を詰まらせた。
「僕も全てを背負って救えるだなんて、思い上がってはいないよ。」
だけど…
「僕が戦ってきたのは、みんなが笑顔でいられる世界を作りたいから。」
そう、だから…
「普通では守ってあげられない様な立場や過去を持った子供であろうと、
自分一人で背負って歩けるようになるまで、守ってあげられる親になろうと決めたんだ!!」
「…ダメね。こんな時のリュウト兄は何言っても無駄だわ。」
「ふふ、そうだな。だが、それでこそ私の親友だ!」
僕の覚悟を聞いて二人も納得してくれたようだ。
「っという訳で、ルシフェル例えお前でも、俺の子供に手を出したら遠慮なく
潰しにいくからな。」
「分かっているさ。わざわざ国を滅ぼすようなことはしないさ。」
そう言って僕らは笑いあった。
「リュウト兄!リュウト兄が孤児たちの父親になるなら、わたしは母親になってあげようかな~。」
ヒルダが頬を赤くして体をクネクネさせながら恥ずかしそうに言ってきた。
「いやいや、お前が母親って…どっちかって言うと手の掛かる子供だろう。」
はっはっはっはっはっと僕が笑いながら言うと、「バカ者が…」と言いながら首を振って
呆れているルシフェルと、良い笑顔で拳をフルスイングしてくるヒルダと姿を確認した後、
凄まじい轟音と衝撃により、僕はぶっ飛んでいた。
「リュウト兄のバカ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!」
ヒルダの叫びが屋敷中に響き渡ったのだった。
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