表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/42

第十八話 マナリスⅧ

今回の話は、もう少し短くする予定でしたが、

意外と書いてる内に増えていきましたwww

マナリスが感情を取り戻してから数日が過ぎた。

マナリスはあれから順調に回復していき、普通の食事も取れる様になっていた。

ただ、時々夜になると寂しさから泣いていることもあるとエリザの方から聞いている。

エリザもあれからマナリスの隣の部屋で生活を始め、僕と一緒にマナリスの面倒を見てくれている。


今日は朝一でマナリスの様子を見に部屋へと向かっていた。

「おはよう、マナリス調子はどうだい?」

勢い良く扉を開けて僕は元気に挨拶をした。


そこで見たものはお約束と言っても過言でない光景だった!


服を脱いでエリザに体を拭いて貰っていたマナリスの姿だった。

まだ幼さゆえに膨らみとも言えない胸もバッチリ見えてしまっている。


マナリスは僕だと確認すると、真っ赤になり脱いでた服で前を隠した。


ま、まずい…マナリスは真っ赤になって照れてるし、エリザはゴミを見るような目で睨んでる。

なんとか、この気まずい雰囲気を和ます一言を言わなければ!!


その時、僕はかなりテンパッテいたのだろう


「マナリスの胸には、無限の可能性があるんだ!小さいことは気にするな。」


と親指を立てて笑顔で言ってみた。


「…殺…。」

エリザは声と同時に僕に向かって何かを投げ、

僕はそれをギリギリで人差し指と中指の二本でキャッチした。

指の間には鈍く光る投擲用のナイフがあった。


「エリザさん、あまり危険なモノを人の顔に投げるのは如何なものかと…。」


「ふふふっ、レディーの裸を見ておいて謝罪もなくフザケタ事を仰る方には相応の対応かと。」

見惚れる笑顔を浮かべながら背筋の凍る様な声でエリザは答えてくれた。


それから僕は全力でマナリスとエリザに謝罪して、なんとか許してもらったのだった。



「それで、いつもより少し来るのが早い様ですが、何かあったのですか?」

エリザが僕にお茶を出しながら尋ねてきた。


マナリスが回復してからは、なるべく時間を取って三人で色々な話をする様にしている。

まだ、マナリスと打ち解けている訳ではないので会話になっているかは怪しいが、

僕の話に相槌や短い返事ぐらいは返してくれる様になった。

今も先ほどのハプニングが収まってからは、三人でテーブルを囲んでいる。


「ああ、今日は上層部が集まって会議があるから、そこに出席しなくちゃならいんだ。」

「リュウト様が出席されるとは珍しいですね。」

心外な、確かに最近はあまり出席していないが、前はそれなりに顔は出してたはずだ。

…ヒルダやルシフェルに引っ張られて出席することが多かったけど。


「否定したいけど、ヒルダ様あたりに無理やり連れて行かれて、出席していたといったところでしょうか?」

エリザはお茶を飲みながら、僕の表情を読み満点に近い答えを出してきた。


「エリザさん…最近の有能なメイドさんは人の思考を読めるんですか?」

僕が笑顔を引きつらせながらエリザに聞くと

「主人が何を考えているか、察することが出来なくてはメイド道を極めることは出来ません!!」

「どんだけ凄いんだ!そのメイド道は!!!」

僕が大声でエリザに突っ込んでいると


「ふふ…」


小さな笑い声が聞こえた。

僕とエリザが笑い声の方に目を向けると、慌てて誤魔化す様にお茶を飲むマナリスがいた。

それを見て僕とエリザも笑い合った。


僕たちが多くの犠牲の上に築いた新時代は、こんな暖かな笑い声が多くあって欲しいと思う。


「そろそろ時間だ。」

僕は遅刻しない様にと席を立った。

「それじゃ、行ってきます。」

「はい、いってらっしゃいませ。」

エリザにそう見送られながら、部屋を出ようとした時、


「あの!リュ…。」

僕はその声に足を止めた。

声をした方を見るとマナリスが僕に何を言おうとしていた。

彼女から僕に話しかけてきたのは初めての事だった。


「ん?どうかしたのかいマナリス?」

僕が聞き直すとマナリスは少し慌てた様に

「あ…、ううん大丈夫…いってらっしゃい…頑張って…。」

マナリスは照れながら僕に話しかけてくれた。


「ああ、頑張ってくるよ!!」

僕は初めて彼女から話しかけてくれた事に上機嫌になり、部屋を出て会議の場へと向かった。



リュウトが居なくなった部屋では

「くすっ…お嬢様、リュウト様のお名前を呼ぶのはそんなに大変ですか?」

少し笑いながらエリザはマナリスに尋ねてきた。

「うっ…。」

「今日こそはお名前を呼ぶんだと息巻いておりましたのに。」

言葉を詰まらせるマナリスにエリザが突っ込んだ。


マナリスは少し顔を赤くしながら

「今更改まって呼ぶのは結構恥ずかしいのよ!!」

「恥ずかしいも何も、抱きついて大泣き上に裸まで見られているのですから

これ以上恥ずかしいことは無いでしょうに…。」

「うぐぅ…。」

エリザのもっともな切換しに再度マナリスは言葉を詰まらせた。


「わかったわよ!次、リュウトが部屋に来たらビッシと呼んでやるわよ!覚悟しておきなさい!!」

「はいはい…本人が居る時に、今みたいに簡単に呼べたらいいですね~~。」

っと受け流しながらお茶を飲むエリザと決意表明をするマナリスの会話が、暫く部屋の中から聞こえていたのだった。



会議の場に入ってきた僕を見て、ヒルダが声を掛けてきた。

「おはようリュウト兄。ちゃんと来たね~偉い偉い。」

と言いながら僕の頭を撫でてきた。

「ヒルダ…、お前はいつから僕の保護者になったんだ!?」

そう言いながらグシャグシャと撫で返してやった。

「ちょっとリュウト兄!強く撫で過ぎ。髪の毛が乱れちゃうよ!!」

そんな感じで、いつもの様に二人でじゃれ合いながら席に着いた。


暫くして、ほぼ全員が席に着いていた。

最後にルシフェルが会議場に姿を現した。


ルシフェルがチラリと僕の姿を確認してきたので僕も手を上げて応える。

それを見たルシフェルも、僅かに頷いた。


僕はルシフェルの態度を見て、この会議なにか起こるかもな~と考えていると

「それでは始めてくれ。」

ルシフェルの一言で会議が始まった。


しかし、一人の男によって直ぐに会議は中断した。


「申し訳ありません。会議に入る前に私の方から提案したいことが御座います。」

会議を中断した男は、僕らの軍勢の資金提供を行っていた男で、裏でコソコソと企むことが

好きな為、僕やヒルダはあまり良い印象は持っていない。


「その提案とは?」

ルシフェルが男に尋ねると、ニヤリと笑いながら応えた。


「はい、亡きフラウロスの一人娘、マナリス様をルシフェル様の妻に迎えることを提案したく思います。」

男の発言にザワつく会議場。


そしてこの発言が一人の男の逆鱗に触れることになった…。


少しづつですがアクセス数も増えて来ました。本当にありがたいことです。

まだまだ、拙い文章ですが楽しんで頂けましたら嬉しいです。


ブクマや評価の方も宜しくお願い致します。

本当に書く原動力・励みになりますので宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ