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第十五話 マナリスⅤ

サブタイトルがマナリスなのに

中々マナリスが登場しないじゃん!と思っている方もいると思いますが

遂に登場します。←セリフはありませんがwww

「お久しぶりです。と言うほど時間はたっていないですね。」


彼女は僕の顔を見て驚いた表情を一瞬浮かべた後、少し困った表情を浮かべながら

「私の中でまだ貴方にお礼を言うべきか、恨み言を言うべきか整理が付いていなかったのですが…」

おそらく、倒壊する屋敷に残りたいと言った彼女の願いを無視して助けた時の事を言っているのだろう。



「すいません、どうしても急ぎお会いしたくて。」

「あら、あなたはそうやって女性を口説くのですね」

彼女は、ふふっと笑っていた。


「ち、違います!」

僕は慌てて否定した。


「残念です…。とりあえず入口ではなんですのでお入り下さい。」

どうも彼女は僕が思っていたよりも、茶目っ気がある女性らしい。

僕は彼女の後を追って家の中に入った。


「どうぞ、お座り下さい。」

僕は彼女に勧められるがまま椅子に座った。

家の中は質素で必要最低限の物しか無いようだ。


「どうぞ。」

彼女は手早くお茶を入れくれた。

彼女も自分のお茶を持って僕の向かえの席に座った。


「それで私を探してまで会いにきた御用とはなんでしょうか?」

彼女は一口お茶を飲み尋ねてきた。

僕はなんと伝えればいいのか悩んだが、そのまま伝えることにした。


「マナリスを助ける為に力を貸して下さい。」


「どういう意味ですか?」

彼女は少し眉を顰めて尋ねてきた。


僕は隠すことなくマナリスの現状をエリザに説明した。

彼女を黙ってそれを聞いていた。


全てを話し終わったところでエリザは口を開いた。

「一度マナリス様にお会いさせて頂けませんか?」

彼女は僕をしっかりと見て言葉を続けた。

「貴方を殴るか決めるのは、その後でも遅くはありません。」


ピキっ!


そう言った彼女から漏れ出た殺気でカップにヒビが入った。

「…はい、りょうかいしました…」

僕はその有無も言わせない殺気に脅えながら返事をした。



~エリザ視点~


私は突然尋ねてきたリュウト様に驚きながらも、どの様な感情を彼にぶつけて良いのか

分からないでいましたが、私を訪ねてきた理由を聞いて軽い殺意を覚えてしまいました。

マナリスお嬢様を託されておきながら、なんという体たらく。


正直、ひっぱたいてやろうとも思いましたが、リュウト様が憔悴しているのも目に見えて

わかりましたので、

「一度マナリス様にお会いさせて頂けませんか?」

私は彼を見て言葉を続けた。

「貴方を殴るか決めるのは、その後でも遅くはありません。」

彼を裁くのはマナリスお嬢様にお会いしてからでも遅くありません。


私は彼に連れられ、お屋敷のマナリスお嬢様の居るお部屋に案内されてきました。

扉を開き私は部屋の中に入りお嬢様を呼びました。


「マナリスお嬢様!エリザで御座います。」

しかし、お嬢様からの返答はありません。


部屋に入って私が見たものは、昔の活発なお嬢様とは思えないほど変わり果てたお姿でした。

瞳からは光りが消えてしまい生気がまるで感じられないお姿に私はリュウト様を

怒鳴りつけようと思いましたが、寸前で思い止まりました。


この様な状態にも関わらず、お嬢様の身なりはきちんと整っていたのです。

髪も爪も肌も服装も身なりに関しては文句の付けようも無いほど完璧にされておりました。


これを見てリュウト様がどれほどお嬢様を大切にされてきたか分からないほど、

私も愚かではありません。

「お嬢様もう少しお待ちくださいませ、私達で必ずお嬢様を救ってみせます。」

お嬢様の手を握りながら、私はお嬢様に誓ったのです。


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