第十三話 マナリスⅢ
話が中々前に進まなくて申し訳ないです。
書いてるうちに、色々プラスしてしまって…w
頑張ってその辺も上手く書けるように努力して行きます。
僕はヒルダの頭を撫でながらマナリスの心を開く決意をした。
ナデナデ…
しかし、改めて決意したのは良いがどうしたものか…
ナデナデナデナデナデナデ…
正直手詰まりで、さっきまで追い詰められていた訳だ。
そんなに簡単に方法が思い付けば苦労はしていない。
ナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデ…
「流石に鬱陶しいわ!」
ヒルダがそう言いながら僕の手を払いのけた。
「わるい、考え事をしてた。」
僕は髪がクシャクシャに乱れたヒルダに謝罪した。
「ま、まぁ別に構わないけど…」
少し照れながらクシャクシャになった髪を直しているヒルダを見ながら、
僕はまた考え込もうとしたところで
「まぁ~た、考え込んでる!」
そう言いながらヒルダが僕の頭に軽いチョップを入れてきた。
「少しは頼ってよ。一人で考えるより、二人の方が良い方法が浮かぶわよ。」
そう言いながらヒルダは僕に笑いかけてきた。
やれやれ本当に出来た妹だ。
僕は相談に乗ってもらう為に今のマナリスの状態をヒルダに説明した。
「…そう、そんな事になってたんだね…。」
ヒルダは思った以上のマナリスの状態を知り、顔をしかめながら呟いた。
「ああ、せめて食事ぐらい出来れば違うんだけどな。このまま何も食べないと危険だ。」
現状栄養価の高い飲み物を飲ませて凌いでいることも説明した。
「それなら、昔からマナリス様の事を知ってる人に聞いてみたら?好物とか、よく食べていたものとかを出したら食べてくれるかもよ?」
ヒルダが名案でしょ。って顔で僕に言ってきた。
「……そんな人が近くにいたら、僕が相談しに行かないわけないだろう…。そこまでバカじゃないつもりだぞ。」
僕は少し呆れ顔でヒルダに反論した。
「はぁ~~、ところがバカなんだよ。リュウト兄、暫く会議や集まりに出てなかったでしょ?その時に決まったんだけどね、フラウロス家に仕えてた一部の人達がこの街に送られてきたのよ。やっぱり一箇所に居たら不穏な事も考える可能性があるじゃない?そこで何箇所にバラけて移住して貰う事にしたの。」
ヒルダはヤレヤレといった感じで説明してくれた。
僕はその説明を聞いた瞬間に一人のメイドの姿が脳裏に浮かんだ!
…………私は幼い頃よりこのお屋敷に使えて参りました…………
そうだ、確かに彼女はそう言っていた!
僕はヒルダの両肩を掴んで引き寄せ慌てて尋ねた。
「どこだ!?その人達はどこにいる?」
息が掛かりそうな距離で尋ねる僕にヒルダは、
「リ、リュウト兄!ち、近いよ!!」
と顔を真っ赤にしていた。
しかし、今の僕にはそんな事を気にしている余裕はない。
近いだの、口と口があたるなど、ブツブツと何か呟いているヒルダの肩を僕は前後にガクガクと
揺らして再度尋ねた。
「ヒルダ!その人たちはこの街のどこにいるんだ!!」
「み、南の区にある住宅街に」
僕にガクガク揺らされながらもヒルダは答えてくれた。
「ありがとうヒルダ!!愛してるよ!!」
僕のお礼を聞いたヒルダは「はぅ!」っと言って湯気が出そうなくらいに真っ赤になり、
その場にへたりこんでしまった。
僕はそんなヒルダの様子に気付くことも無く、ようやく見つけた微かな希望の光りに向かって僕は駆け出していた。
そしてこの日、暫くの間ヒルダが廊下で真っ赤になりながら
「そんな~リュウト兄~ダメだよ~~愛してるなんて~!うへうへうへへへへ~~~~。」
と呟きクネクネ動きながら奇怪な笑い声を上げていたのを多くの者が目撃したが、普段の凛々しい
ヒルダしか見ていない者にとってはあまりの衝撃映像過ぎた為、皆一様に見て見ぬふりをして通り過ぎていった。
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