表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『異』世界の警察 日本  作者: かり助
8/80

7話 迫るミサイル

最近感想が書かれてとても嬉しいです。まだまだ初心者ですがこれからも頑張りますので宜しくお願いします。

注)さほどミリタリー知識に詳しくないので違和感があるかもしれません。パイロットの会話も結構適当なので違和感あると思います。

青く澄み、晴れ渡った青空の下、対照的に灰色の船体をした艦隊が南西に進んでいた。

海上自衛隊創設史上、いや戦後日本が初めて経験する戦争である。先の世界大戦では多くの人が傷つき戻らぬ時を嘆き悲しんだ。世界はその後国際的な協調を求め発達していった。それから70年以上が経った。日本は再び戦争へ歩みを進めることになった。



海上自衛隊護衛艦隊 あたご


「木村艦長。これが異世界にきて、いや戦後初めて経験する戦争ですか。隊員たちも明らかに緊張しています。」


佐々山副長が艦長に声をかける。


「そうだな。私も緊張している。この・・・自分たちが人を殺さなければならない・・・辛い、だが仕方ない。」


「なぜ自分たちが戦わなければならないのか・・・。」


艦橋内で呟いた若い士官の声は途切れた。その後に続くのは帽子を深くかぶり、下を向いている彼から聞こえてくるなんとも言えぬ悲しさに満ちた音だった。実際ここに人を殺す覚悟ができているのはどのくらい居るのだろうか?


「私も辛い。日本を守るためとは言えこれは戦争だ。戦争になれば人が傷つく。しかしビーマイトを止めなければならない。自分たちの後ろにいる守らなければならない存在。ここで自分たちが相手を止めることができなければ・・・どうなるかわかるだろう。」


木村艦長は思い口調でそう言う。人一倍鍛錬してきたと自負する木村だがやはり実戦は違う。現実に人が死ぬのだ。

海上自衛隊の護衛艦隊はいつもの演習とは違う異様に重い雰囲気の中、極東洋を進んでいった。



日本 官邸


「総理、護衛艦隊からの情報によりますと間も無く『しなの』から飛び立った航空隊がビーマイト帝国艦隊に接近します。まず偵察を行い敵航空戦力を吸引、その後攻撃を行います。」


塚本防衛大臣が伊佐元にいう。官邸も現場と同じく重い雰囲気に包まれていた。


「わかった。護衛艦隊にビデオを。」


官邸から前線の護衛艦隊にビデオメッセージを送る。それはもう戦争が回避できないことも表すものであった。

伊佐元は席に着くと水を一口飲む。もうすぐ録画が始まる。


『内閣総理大臣の伊佐元だ。自衛隊の諸君。君たちはこれから日本が戦後初めて経験することになるであろうビーマイト帝国との戦争を戦うことになる。日本は数々の国難に際し、君たちの懸命な努力でそれを打ち破ってきた。それは諸君らの努力の賜物である。しかし今回はどうなるかわからない。辛いだろう苦しいだろう、しかし君達以外に国民、国土、そして日本の文化を守ることができるのはいない。君達がいるからこそこの日本は有り続けるのである。私は自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣として諸君らと共にあろう。』


短いメッセージではあったが伊佐元が思ったことをまとめてあった。何かせめて現場の役にと言う伊佐元の要望で行ったビデオメッセージだったが、隊員達は何か覚悟を決めたようだった。



ビーマイト帝国連合艦隊


800隻に及ぶ大艦隊が海を埋め尽くしていた。前衛は帆船、そしてその後ろに控えるのはビーマイト帝国海軍が誇る3隻の騎竜搭載艦、そして外輪船である大型戦列艦21隻、それは美しさも感じる光景だった。


「我らは最強ビーマイト帝国連合艦隊。負けることはない!国に生きて帰るぞっ、俺らは英雄だ!!」


甲板上で叫ぶ水兵達。しかしそれは海戦経験者で新兵は怯えた顔で海を見ている。


「なぁんだお前。そんなにビビってんのか。」


既に5回海戦を経験している水兵が若い新兵に声をかける。


「いっ、いえ、そんなことは・・・。」


「大丈夫だ。心配するな。これだけの艦隊だ。さっさと終わらせて帰ったら俺らは英雄だぜ。」


「そっ、そうですよね。おっ、俺らは英雄だぁー」


力なく叫ぶ新兵の手にはくしゃくしゃになった家族からの手紙が握られていた。



航空機搭載護衛艦しなの


『しなの第一航空団出撃』


航空士官の声が艦内に響く。甲板ではF-35Cが2つあるカタパルトから轟音を放ちながら打ち出されていく。発艦する18機のうち3機が対艦ミサイル2発を搭載し飛び立っていく。


上空で編隊を組みビーマイト帝国の艦隊に向かって飛んでいく戦闘機部隊。艦隊まで150kmに迫ったところで先行していた空対空装備の護衛機から連絡が入る。


『敵騎竜50騎をレーダーに捉えた。中距離AAMで攻撃を行う』


護衛機16機のうち、艦隊上空の警戒を行う4機を除いた12機からそれぞれ4発ずつ、合計48発の中距離AAMが発射される。発射されたミサイルは白い尾を引きながら猛烈なスピードで飛翔していく。



ビーマイト帝国連合艦隊上空


「ん?騎竜の様子がおかしいな。どうしたんだ?」


騎竜騎士はやたらと不安がっている愛騎をなだめている。

騎竜はその感覚器で『何か』を感じ取っていた。高速で接近してくる何かを。

その直後


ドォオオオン


ミサイルが艦隊上空に到達し、滞空警戒していた騎竜は木っ端微塵に砕け散り、騎竜や騎竜騎士だった肉片が降り注いでくる。

運よくロックオンされていなかった2騎はその恐怖で海面まで急降下、着水する。

この攻撃で騎竜搭載艦3隻に搭載されていた騎竜、すなわち航空戦力は1/3まで低下した。


「一体何が起きた・・・私は夢を見ているのか・・・。」


プラーケン艦隊提督は旗艦ビーマイトの甲板の上で絶望をそのまま表情にしたような顔をして呆然と立ち尽くしている。甲板には肉片が散乱しているが水兵はそれよりも、そのうち来るであろう日本の攻撃に恐怖していた。



しなの第一航空団


『ASM(対艦ミサイル)の射程に入った。敵騎竜搭載艦に攻撃を開始する。』


護衛艦隊が敵騎竜の行動半径に入る前に射程の長いASMで攻撃を行う。


後続の攻撃機3機から合計6発のASMが発射される。発射した瞬間機体は軽くなりフワッと浮き上がる。その後機体は反転し、『しなの』に帰投していく。発射されたミサイルは海面スレスレを飛翔しながらビーマイト帝国艦隊に迫っていた。














最近短いのが多いような。序盤ちょっとカッコつけてみました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ