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『異』世界の警察 日本  作者: かり助
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67話 新たなる戦争へ(1)

バタバタバタバタバタ


空母ロナルドレーガンの甲板上に次々とヘリからラペリング降下してくる特殊作戦群の隊員たち、そのほかにも海上自衛隊の特別警備隊も艦内の制圧を行なっている。


このだだっ広い艦内を制圧するのに米軍の水兵らの協力がなければ非常に骨が折れたはずである。

しかし一定規模の水兵のグループが幕僚らの命令に反発し日本側に協力している今、制圧は想定以上に楽な作業となった。


それ以外の水兵もほとんどが抵抗といった抵抗は見せず素直に日本側の指示に従う、今後水兵らに関してはアメリカ共和国に引き渡す予定だ。



ダッ


空母のアイランド内に突入する特戦群の隊員たち、そこにはすでに降伏の意識を示した水兵らと同じく降伏の意思を示した幕僚らがいた。

その中にこの原子力空母とイージス艦を奪取した張本人であるアンドリューケンジットも含まれている。

幕僚らについては日本国内で取り調べが行われる予定だ。




事件収束から2日後 房総半島沖


一隻の帆船が帆をたたみ停泊していた。この世界では帆船がほとんどであり、日本にくる外国船舶もほとんどが帆船である。


「船長、魔導信号を捉えましたここから北に1kmです。」


「了解した、回収する。」


そういって船長と呼ばれた男は豊かな顎髭を撫でながら部下らに指示を出す。


「しかし、この船一隻で終わるなんてな・・・」


回収する人数は若干50名。1個連隊規模を投入しておいて随分と帰りは荷物が少ないもんだ。と彼は呟いた。


自衛隊と魔導士らの戦闘で魔導士らの多くは射殺、もしくは拘束されている。もともと全て回収する予定ではなかったがそれでもここまで少なくなるとは思わなかった。しかし彼らにとって収穫はなかったわけでもないのだ・・・




『先日の魔導士襲撃事件についての続報です。国籍は南世界の大国、アルトニア帝国であると複数の政府関係者が我々の取材に対し話しております。それについてはいかが思われますか?』


そういってアナウンサーは大学教授のコメンテーターに話をふる。


『そうですね、以前から関係が悪いと言われており現在西世界のレストニア皇国と戦争中なんですよ。でこのレストニア皇国は我が国と比較的親密な国であるわけですし、背後を突くような形で攻撃したのかもしれませんね。』


そういって一区切り置く。


『しかしですね、なぜこんな日本の参戦を誘うようなことをしたの・・・・』


『CM入りまーす』


そういってテレビ画面はCMに切り替わった。




国立魔導研究所



『グアアアアアアアア、やめて....やめてくれぇぇぇ』


スピーカーから流れてくるのは苦痛から逃れようとする絶叫、防弾ガラス越しに見えるのは拘束され、頭に電極が取り付けられた魔導士に鉄パイプのようなものが押し当てられている様子だ。


「魔導使用時には痛覚がかなり和らげられているようです。」「体組織の特段の強化などは見られません。」


また別の部屋では魔導士が壁に設置された銃眼からの射撃から必死に身を守ろうとしている。


「薄いバリヤーのようなものが展開されているのでしょうか?本当にごく薄いものですが。」「銃眼の動きを追って射撃をかわす動体視力と俊敏さには驚きますね。」



「実験の方は順調ですかね、所長。」


「ええ、やはり友好国の魔導士はお客様ですからこのような実験は行えません。今回の事件で犠牲になった方々には申し訳ないですが実に良かった。こんなに使い潰してもいい魔導士を提供してもらったのですから。」


「防衛装備庁の担当者も派遣しますのでそちらにもよろしくお願いしますよ。」


「もちろん。自衛隊の皆様には魔導士らと戦ってもらわないといけませんから。」




日本本土では今回の事件を起こした犯人とされる南世界の大国 アルトニア帝国を糾弾せよ!!との声が広がり『戦争への足音』が近づいていたが、日本が獲得し開発している東見道ではまた本土とは違う『戦争の足音』が近づいているのであった。

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