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『異』世界の警察 日本  作者: かり助
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59話 関東防空戦(1)

関東上空 航空自衛隊E-767


夜の関東は驚くほど明るい。宇宙からでも建物の灯りが煌々と輝いている。その上空を飛んでいる機内からそれを見ることはできない。

この航空機が強力な電磁波を発する早期警戒管制機だからである。


空飛ぶレーダーサイトと呼ばれるこの機体、特徴的なのは機体の上に着いた大きなレーダーである。

真っ黒などら焼きのようなレーダーがグルグルと回って電子の眼となり味方に情報を提供する。

そればかりか味方のミサイルの誘導なども行うため自身は武装を施していなくても、味方戦闘機との連携により高い戦闘力を持つことができるのである。


そんな早期警戒管制機が関東上空を飛んでいるのは現在関東に迫りつつある米国海軍の空母があったからであった。



『・・・CAPは6機、交代の際は3機づつ入れ替えています。E-2(空母に載せられている早期警戒機)は飛ばしていない。』


冷房の効いたE-767の中で隊員がモニターとじっと見ている。時折トラックボールを動かしてプロットを打つ動作を繰り返す。


『こちら中空SOC、了解。引き続き監視を続けろ。』


そう言ってE-767の隊員が中空SOCとつないでいた通信を切ろうとした時、E-767の機内で「あっ」という声が上がる。


『こちらASTER 02、空母から艦載機の発艦を確認。CAPの交代ではない。繰り返すCAPの交代ではない。』


『こちら中空SOC、今そちらの情報を受信した。』


『こちらASTER 02、了解。リンク続ける。』



米空母 ロナルド・レーガン


「全航空戦力を出撃・・・。」


最小限の灯りしか灯っていないアイランドの中で声が上がる。


「ああ、いくら海上自衛隊を引きつけるとは言っても沈黙を保ったままなんて怪しすぎるだろう。」


驚きの声に対して冷静に返す司令 アンドリュー・ケンジットの声。


「しかし出撃した飛行隊はどうするのだ?敵艦隊に突っ込ませるとでも?」


ケンジットに体を向ける艦長。この『計画』に参加したのは割と最近である。


「まさかな、目標はここだ。」


そういってケンジットがバサッと広げた地図上に指をさす。


「府中か・・・。」


府中航空総隊作戦指揮所。日本の防空を担う中枢である。


「しかし、それでは確実に自衛隊と戦闘になる。間違いなくこの船は沈められる・・・。」


艦長が呆然とした顔でケンジットを見上げる。


「現段階で自衛隊は密接な連携が取れていない。この即応の事態、さらにはアメリカは同盟国、そして自衛隊が対峙するのは沈めるには惜しい船。今海上自衛隊では2隻の空母を運用中、載せるもの(艦載機)ならある。すると海自の連中はこう考えるだろう『空は空、海は海』と。日本が太平洋戦争に負けてから1世紀近く正規空母を持つためにわざわざゆっくりと国民の空母アレルギーの国民の目を慣らしてきたようなやつらだ。それほど空母にこだわっている。そんな海自の連中が簡単にこの船を沈めようとは思わんさ。」


「だが、航空自衛隊松島基地のF-2はどうするのだ?空自が独自で対艦攻撃をしてくる可能性は?」


「航空自衛隊にそんな余裕はない。F−2は昔日本で『支援戦闘機』とか言う珍妙な名前をつけられて対艦攻撃専門になっていたそうだがいまでは普通に要撃任務が割り当てられている。首都のピンチだ間違いなく対艦攻撃に振り向ける余裕なんてないな。」




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― 新着の感想 ―
[気になる点] 艦隊上層部を掌握しても、下の方が命令にハイそうですかって従うとは、とても思えない。 パイロットは士官なのだし。
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