58話 交わりの始まり
随分と更新ができていませんでした。もう2019年ですね
アメリカ共和国海軍艦艇の接近、おまけに民間船舶の拿捕が重なり政府内は大慌てであった。
そのどちらもデリケートな問題(アメリカの件については万一漏れる事があれば日米関係は修復不可能なことになる恐れがあり、拿捕された件についてはマスコミなどへの対応もある)
そのため外務省内でもそれぞれが自分たちの行動をそれぞれで秘匿しあうという事が起きていた。
転移後大きく再編された外務省内では今、大慌てで動いている部署が2つあった。
外務省 地球国家局-米国部
「在日米大使館への対応はどうなってる?」「局長が大使を呼び出してます。」
「おい!!在米大使館に繋げ。大使???違う、防衛駐在官を呼び出せ、防衛省からだと」
現在の外務省がとる行動は
・今回の件が米国としての意思なのか、現場の判断なのか?
・米国政府内の対応の見極め
・日米関係への影響を最小限にすること
である。さらにこの問題は現在 地球国家のコミュニティ...例えば中国人コミュニティ ロシア人コミュニティなどにも影響を与えると容易に想像することができる。
一方この世界の中央世界を管轄する外務省 中央世界局でも民間船舶が拿捕(それも現在戦争中の列強二つ、レストニア皇国とアルトニア帝国の影響下から離れた中央世界でである)されたことで中央世界局は各中央世界国家の大使館と連絡を取り合いどの国による拿捕なのか?船員との連絡の確立ができるのか?を検討していた。
「拿捕された民間船舶は丸八海運 自動車運搬船 ジャパンシーライン、丸八海運にも問い合わせ、船籍の確認を行いました。間違いないそうです。」
先ほどまで丸八海運に問い合わせていた職員が報告する。電話口では向こうも怒号が響き相当慌てていたようである。
「船員の家族へは?」
「国交省の方から丸八海運を通して通知を出したそうです。」
「マスコミ対応は?」
今回の懸念材料であるマスコミ対応。民間船舶が拿捕されるという事態は政府の対応に批判が集まるのに十分な話題であろう。そこで『できる限り事を小さく見せる』という方針になると皆思ったいたのだが...
「上の方からは『出せるだけ情報を渡せ』だそうです。」
その不自然な指示に作業の手を止めて一同首をかしげる。
「...何か省庁内で問題でも発生して目を逸らそうとしているのか?たしかに不自然ではあるな。記者会見も今日中に開く。記者クラブに通達出しとけ、前みたいに世界通信社に通達出すの忘れるなよ。」
ひとまずその不自然な指示は置いておいて職員たちは再び対応に追われる。
各省庁がこのように対応している中、事態は着々と進んでいるのであった...




