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『異』世界の警察 日本  作者: かり助
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57話 この星の裏側で

話がブレブレになってるように見えますが、一応関係しています。米軍の件を終わらせてからやった方が良かったかもしれませんね。


今までの戦闘シーンについてですが見直しを行う予定です。

空母ロナルドレーガン、駆逐艦バリーが関東に接近し、政府がその対応を行なっている頃...



『こちら、丸八海運 自動車運搬船 ジャパンシーライン。本船の周辺に国籍不明『艦』多数。至急救助を求む。』


日本から遠い中央世界に広がる海域、そこから付近の日本船籍に向けて一本の無線が発信された。


『国籍不明艦接近中、至急救助を。』


国籍不明艦に取り囲まれようとしている自動車運搬船はなんども無線を発信し続ける。

この自動車運搬船は中央世界各国へ自動車を輸出(金持ちや各国政府が50台単位で購入することが多い)し、その帰りに現在の海域を通過中、国籍不明艦が接近してきたのである。

そもそもこの海域は海賊等の出没も少ない上、昨今日本国内でも問題になり、海保が護衛をするようになった西の列強レストニア皇国と南の列強アルトニア帝国という二つの列強国に挟まれ(現在は戦争中である)た海でもない安全な海域のはずである。


地球の海賊船対処では、海賊は小型船舶を使用することがほとんどな為、圧倒的な船体差と速度の差を生かして逃げる、またはジグザグ航行によって接近をさせない、船上の消火設備で放水を行うなどの対策がある(日本の民間船舶は武装をしていない為、国によっては船舶への武装が可能な国もある)


ただ今回に関しては、相手の船は海賊船ではなく軍艦である。競争すれば自動車運搬船が勝てるだろうが、(加速性は負けそうだが)魔導機関を搭載しているらしくここまで複数に接近されては、なかなか振り切れそうもない。

昔の蒸気動力の装甲艦のような見た目をしたそれらの軍艦は大きさもそれなりにあり、全長80mはあるのではないかと思われる。


『こちら海上保安庁巡視船みずほ、直ちに現海域から離れよ。貴船を保護する。』


ようやく海保に繋がった無線だったが、航海レーダーに海保らしき船は写っていない。かなり遠くのようである。


その後巡視船の現在位置が知らされたが遠い、この調子では助けに来る頃にはこの船は沈められるのではないか?

船員たちの表情が曇った。


その時船の魔導通信機に連絡が入る。軍用無線機のようなフォルム(こんな見た目をしているのは日本製の魔導通信機だけである。機能性も高く東世界では流通し始めているものの一つ)の如何にも“後付け”感が溢れる機器だが、この世界で日本船籍以外の船などと連絡を取る際には欠かせないアイテムである。

この魔導通信の出力からして発信先は装甲艦のどれかだろう。


船長が意を決してマイクを握る。


『ザザッ、こちらはジャパンシーライン。』


『ザザッ、こちらは某国海軍である。貴船は直ちに停船せよ。』


「どーぞ」や「送れ」などの合図が無い為会話がやりにくい。

あまりクリアではない通信、だがこれがこの船と船員の命運を分けていると考えるとマイクを握る船長の腕に力が入る。


『某国とはどういうことだ、貴船の所属を述べよ。』


『残念ながらそれには応じることができない。』


船長はイライラとしながらも、なんとか自制心でもって相手を刺激しないように会話を続ける。

近くでは船員がスマホの録音機能でこの会話を記録し続ける。


『なんの目的で我が方を停船させる?』


『そうだな...ツウショウハカイ?とか言ってたかな。それぐらいは言ってやろう。』


『...こちらに危害は加えないな。』


『ああ、君たちが抵抗しない限りな。ただしこちらの港に寄港してもらうぞ。つまりは拿捕だな。』


船長は唇をぎゅっと結び考える。何より今この船に乗っている船員のこと、そして日本に残してきた家族のことを考える。


『...そちらが危害を加えないなら...いいだろう。ただしちゃんと日本の帰れるんだろうな。』


『勿論だ。』


この内容は船と無線通信を行なっていた海保から日本政府に伝えられた。

米軍の離反、そして関東への接近に混乱する日本政府はこの件の対応にも追われることになる。







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