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『異』世界の警察 日本  作者: かり助
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49話 開戦の時(1)

最近投稿が遅れ気味です。予定ではそろそろ最終話だったはずなのに・・・

ヒュウウウウゥゥゥゥゥ


頰の横を早朝の風が通り抜ける。訓練を重ねて頭に馴染んだ飛行帽はその風の冷たさを伝えるまいとしている。


愛騎はただ真っ直ぐ前を見つめて飛んでいる。


竜母から飛び立った自分たちは敵地に向けて進んでいた。腕につけた大きめの時計と竜母からの魔石発振を受け取るマギコンパスから見るに針路、速度共に特に異常なく指示書通りの飛行である。


「見えた...」


ついに目標の島、パーサーミッツ島が見えた。

雲で大部分が隠れているが、海軍基地も確認できる。

僚機に手信号で高度を下げるよう指示を出す。今までの訓練の成果が試される時だ。


「護衛騎は敵対空設備ならびに敵騎の迎撃に当たれ。攻撃騎はこれより攻撃を開始する。」


今まで近くを飛行していた護衛騎がバンクして離れていく。編隊の中心にいた攻撃騎は速度を上げて港に突撃する。


「射撃開始っ」


騎竜の口から緑色の光の玉が次々と発射される。3秒ほどそれが続いたのち攻撃騎は高度を上げて次の攻撃に移る。


「拘束ベルトを・・・切れっ」


近くの騎竜騎士たちがベルトの金具をガチャリと動かすと騎竜の腹の下にくくりつけて合った木の箱がボトボトと落ちていく。それが地面に激突した瞬間...


ボンッ、ブァアアアア


突如として大きな炎をあげる。それに巻き込まれた人はあっという間に『消えて』無くなっていく。


「我が国の新型炎発弾は凄いな・・・さすが高純度の炎発剤だけある。」


近くにいた騎竜騎士の一人はそういうと高度をあげて離脱していった。



攻撃開始から約1時間後


「戦艦打撃艦隊、艦砲射撃の予定位置につきました。射撃を開始しますか?」


戦闘指揮所内で砲術長が打撃司令に尋ねる。


「無論だ。砲術員は射撃準備、3分後には試射を開始する。」


司令がそう指示を出すと、艦内は慌ただしくなる。艦内深くの薄暗い弾薬庫から艦砲のそれぞれにバケツリレー方式で爆裂砲弾が届けられていく。ゴトリと落とせばどうなるかわからない。


「よし、砲弾込め・・・」


ギギギギギ・・・ガコンッ


主砲塔の中で巨大な爆裂砲弾が機械仕掛けの半自動装填装置で装填される。装填されると着火用の魔石がねじ込まれて、尾栓が閉じられる。


ウウウ、ギギギギギ


砲塔が回転していく。砲塔内にいる砲術員たちは額に汗を流しながらその動きに身をまかせる。


ピカッ


射撃開始の魔導ランプが赤く灯る。


「発砲ぅッ」


砲塔内がガクンと揺れる。次々と艦砲が発射されているようだ。

その後も修正を加えながら射撃は続き、1時間後・・・


パーサーミッツ島にあったアルトニア帝国の海軍基地、および停泊していたアルトニア帝国海軍の艦船はことごとく破壊された。




パーサーミッツ島攻撃開始とほぼ同時刻、パーサーミッツ島から北50km。ガットレー諸島沖


「陸軍第2師団、および第6師団を乗せた輸送船は時間通りに上陸ポイントに到着する予定です。」


輸送船の護衛をしていたフリゲート艦(帆船)の艦橋で兵士が報告する。


「了解した。予定通りフリゲート艦隊は現在位置に停止、輸送船は揚陸作業に移る。」


騎竜が発艦したのとほぼ同時刻。もう一つの戦いが始まろうとしていた。


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